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ADHD(注意欠如・多動性障害)とは ADHD(注意欠如・多動性障害)とは

◆ADHD(注意欠如・多動性障害)とは

注意欠如・多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は、ADHDと表記されることもあります。脳の機能不全による障害と言われており、不注意・多動性・衝動性の3つの症状が特徴です。具体的には、それぞれ次のような様子が見られます。これらの症状は通常幼児期から学齢期までにあらわれます。


1、不注意…指示を忘れてしまう、忘れ物や物を失くすことが多い、気が散りやすいなど
2、多動性…座るべきときに歩き回る、落ち着きがないなど
3、衝動性…相手が話し終わる前に話し出す、順番を待てない、突発的に行動してしまうなど


実際には、これらの症状の組み合わせで「不注意優勢型」「多動性―衝動性優勢型」「混合型」の3つのタイプに分かれることが多いものの、成長とともにタイプが変わることもあります。たとえば、学齢期までは「多動性」が目立っていても、思春期以降になると症状が収まってくることが多いと言われています。

注意欠如・多動性障害(ADHD)は、LD(学習障害)と併発することもあります。

 

 

◆ADHD(注意欠如・多動性障害)の診断

ADHDの診断については、アメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5に記述されており、下記などの条件が全て満たされたときに診断されます。

 

1、「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序立てて活動に取り組めないなど)」と「多動性-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人の邪魔をしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること

 

2、症状のいくつかが12歳以前より認められること

 

3、これらの症状が2つ以上の状況において(家庭・学校など)見られること

 

4、発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること

 

5、統合失調症など他の精神病性障害の経過や精神疾患による不注意・多動性-衝動性ではないこと

 

このようにADHDの診断は医師の診察で観察された行動上の特徴に基づいて行われ、それ単独で診断可能な医学的検査はありませ ん。しかし一部の神経疾患・身体疾患・虐待・不安定な子育て環境などが子どもにADHDに似た症状を引き起こす場合があるため、小児科・小児神経科・児童精神科医師による医学的評価は非常に重要です。

 

 

◆ADHD(注意欠如・多動性障害)の治療

ADHDを持つ子どもは努力しても、どうしてもじっとしていられなかったり、学校で必要な持ち物を忘れたり失くしたりしてしまいます。このような失敗は周囲から叱責されやすいため「どんなに頑張っても上手くいかない自分」と自尊感情が低下し、家庭や学校において辛い思いをしていることが多いようです。


さらにADHDを持つ子どもは学業不振や対人関係で悩むだけでなく、気分が落ち込んだり、不安感をコントロールできなくなったりするなど、心の症状を合併することもあります。このため子どもに何らかの困った行動が見られ、その背後にADHDの特性があると診断される場合には医学的治療が必要です。

 

ADHDを持つ子どもの治療は「1. 薬物療法」「2. 環境への介入」「3. 行動への介入」などを並行して行うと効果が高いと言われています。

 

薬物療法では、メチルフェニデート(コンサータ)という薬がADHDの不注意・多動-衝動性を軽減する可能性がありますが、これは登録された専門医療機関でのみ処方が可能です。最近では新たにアトモキセチン(ストラテラ)という薬剤も処方可能になりました。

 

環境への介入としては、教室での机の位置や掲示物などを工夫して本人が集中しやすい環境づくりをする物質的な介入や、勉強や作業を10~15分など集中できそうな最小単位の時間に区切って行わせる時間的介入などが有効です。

 

行動への介入では、子どもの好ましい行動に報酬を与え、減らしたい行動に対しては過剰な叱責をやめて報酬を与えないことで、好ましい行動を増やそうという試みを行います。望ましくない行動を我慢できたことやその行動の頻度が減ったことなども、しっかりと褒めてあげることが重要です。トークンエコノミーという方法では、報酬を得点化して一定数になったら子どもにとってのご褒美(ゲームを30分できる、映画に行くなど)につなげるようにします。

 

多動症状をただ押さえ込むようなスタンスの治療は良い結果を生みません。周囲から見える子どもの問題と、子ども本人が感じている困難さは同じでないことの方が多いのです。親子という関係に留まらず、家庭と専門家、学校が連携を図りながら子どもの困り感に寄り添っていくことで、ADHDを持つ子どもはこの障害を乗り越えるのに必要な力を得ることができるでしょう。

 

 

出典・参考情報:発達障害情報・支援センター

 

 

 

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