四谷学院療育55段階プログラム「55レッスン」個別サポートとは?②質問制度

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療育55段階プログラム講座「55レッスン」は、発達障害のあるお子さんのための家庭療育をサポートする通信教育講座です。
55レッスンでは、自閉症児教育で国内外での実績を誇る学校法人武蔵野東学園の編集協力を得て開発された家庭療育のための教材のほか、お子さん一人ひとりに合わせた支援を行うための個別サポートをご用意しています。

今回は、充実の個別サポートの中から「質問制度」についてご紹介いたします。

前回の「通信指導」についてはこちらの記事で詳しくお伝えしています。
https://yotsuyagakuin-ryoiku.com/blogs/55kobetsu-support01/

メールで質問できます

55レッスンでは、各段階12ヶ月の受講サポート期間中、毎月コミュニケーションシート・アドバイスシートによる通信指導のほか、メールによる質問制度をご用意しています。
課題に関する内容について受講サポート期間中いつでも担任の先生に質問することができます。

教え方がわからない、余裕があるので発展的な内容に取り組みたい、そんな時に気軽に担任に相談できるサポートシステムです。
毎月の通信指導と同じ担任が毎回回答するため、お子さんの得意不得意や現在の状況を踏まえた的確なアドバイスをもらうことができます。

※第1回コミュニケーションシートご提出前は、担任未決定のため講座担当から回答いたします。

どんな質問に答えてくれるの?実際のやりとりをご紹介

それでは、実際にはどんな相談があるのでしょうか?
55レッスンをご受講の保護者様と担任とのやりとりを少しだけお見せします。

質問例1

机の上に並べた絵カードを触って重ねたり、何もせずぼーっと空中を見ている時があります。そういう時は視線の中に絵カードをちらつかせたり、息子の名前を少し大きな声で呼んだりして、こちらに注意を向けてもらいます。歌をうたっていることまあり、シーって言うと歌をやめてくれました。対処法あってますか?どうしたら良いでしょうか?

回答

絵⇔絵のマッチングまで課題を進められているんですね!課題中、気がそれてしまった時の対応は間違っていないので、ご安心くださいね。さらに、次のような工夫が考えられます。

・物⇔物のマッチングには興味を持てていたようであれば、物⇔物と絵⇔絵を交互にやってみると集中力を保ちやすくなるかもしれません。
・絵カードを手に取ってしまうようであれば、透明のクリアファイルに絵カードを並べて挟み、指差しでマッチングを行うのも良いでしょう。
・マッチングというコンセプトがわかっていないようであれば、小さな取っ手つきのカゴに絵カードを1枚入れて、机に並べたカードの中から同じものを選んで入れさせる、といったお買い物ごっこ形式にしてみるのも良いでしょう。
・「終わり」が明確になるよう、マッチングの回数分の付箋を机に貼っておき、1回終わるごとに1枚はがし、全部なくなったらちょっとしたおやつをあげる、という流れにするのはいかがでしょうか。
・課題を行う時間帯や場所を変えることで集中力が高まることがあります。空腹や満腹感、眠気、テレビやおもちゃといった視覚刺激など、集中の妨げとなる要素をなるべく排除していきましょう。

●●さんとのレッスンに生かせそうなものはあったでしょうか?
また何かありましたら、コミュニケーションシートや質問制度でお聞かせくださいね。

質問例2

シールを一人で剥がすことができず、手を添えてやってます。先日、シール5つ分に台紙をハサミで切り取ると、小さくて扱いやすかったのか一人で剥がすことができました。シールの台紙を切ってしまっても大丈夫でしょうか?また、他に剥がす良い方法はありますか?シールは好きなように貼らせていいのでしょうか?こちらから、シールとシールが重ならないように促したり、他の色のシールを貼ってみるように教えたりした方がいいのでしょうか?

回答

お母様が上手に援助されながら、課題に取り組めていますね。
台紙を子どもの手で扱いやすいサイズに切ってあげるのは、とても良い援助方法です。その他、シールを半分だけ剥がしあげて、残りを●●さんに剥がしてもらう形でも構いません。

シールの貼り方は、指導書にもありますが、指定された範囲内であれば自由に貼らせてあげて大丈夫です。重なってしまうようであれば、指差しなどで誘導してあげても良いでしょう。使用する色は、「範囲表・日程表」に記載されているとおり
決まっているため、予め使用する色のシールの台紙を渡すなどしてはいかがでしょうか。指定された枠の位置に合わせてシールを貼る練習は、B段階で行います。A段階では、そこまでの厳密さは求めなくて大丈夫ですので、今回挙げたポイントだけ押さえて引き続き取り組んでいただければと思います。

質問3

36級、35級の形で分類の所で質問させていただきます。この級の前に、色の分類があったので初めのうちは○や△などの形ではなく、色で分類して2つの厚紙の上においていたんですが、慣れてくると形で分類することができるようになってきました。しかし、私が形ではなく今度は色で分類しようねといって色で試しに分類させてみると慣れている形で分類してしまいます。色・形という概念がまだよく分からないみたいなんですが、どういうふうに教えればいいでしょうか。

回答

色や形は、抽象的であるため、入れ物にお手本があるだけでは分類が難しい場合もあります。その場合は、色であれば、同じ色の紙を用意して、その上に色カードを置いて分類する、形であれば、同じ形の紙を用意して、その上に形カードを置いて分類するといった方法があります。こうすると、違う場合に視覚的に目立ちますので、理解が進む場合があります。また、次に学習する「色・形での分類」を実施する際には、より、色と形のどちらで分類しているか混乱しやすくなる場合がありますので、同様の援助を行いながら、課題を進めてみてください。視覚的な援助があることで、「今は色と形のどちらで分類しているのか」が理解しやすくなるかと思います。この段階では、分類をする際に、このような援助があっても構いませんので、お試しくださいね。また、日常生活でも色・形といった属性の理解を深めるために、「トマトは赤いね」「折り紙は四角だね」など、色や形に注目できるような言葉かけを意識的に行っていきたいですね。

質問4

10までの数で、何番目の単元で苦戦しています。支援方法を教えて下さい。

回答

「何番目」については、「何番目」と「いくつ」の違いでつまずいたり、「右」「左」の位置の言葉でつまずいたりするケースが多いです。「右」「左」「上」「下」の位置の言葉の理解はできているかを最初に確認していきましょう。理解できていない場合は、プリントなどに「みぎ」「ひだり」と書き込んでおき(プリントではない場合は、「みぎ」「ひだり」のカードを置いておく)、「何番目」を教えていくようにしましょう。「何番目」については、10連ガム、10連ラムネなどのお菓子を使うとわかりやすいかと思いますので、そちらを例として手順を説明していきますね。「お菓子でない方がいい」という場合は、シールを10個並べて貼ったものなどを使ってください。①「上から〇番目」を求める場合、まずは「上はどっち?」と始まりの位置を確認します。②上がわかったら、上から「1,2,…10」とすべての数を数えます。③数えたら、「ここが、上から1番目だね。1,2。これが、上から2番目だね。1,2,3。これが、上から3番目だね。…」と10番目まで教えていきます。プリントの場合は、教える時に、「1」「2」「3」…と字を書き込んでいってもいいでしょう。④「じゃあ、上から3番目はどれかな?」と問いかけて、答えてもらいます。以上のような手順です。まずはこの方法で「何番目」を理解させていくといいでしょう。「何番目」がしっかり理解できたら、「いくつ」も教えていきましょう。「上からいくつ」の場合は、①②は、「何番目」と同じです。③数えたら、「これが、上から1つだね。」と1つを指で囲みます。「1,2。ここが、上から2つだね。」と2つを指で囲みます。「1,2,3。ここが、上から3つのものだね。」と3つを指で囲みます。…※「上から〇つのもの」というイメージ。④「じゃあ、上から3つのものを取って。」と問いかけて答えてもらいます。「終わったら、上から5つのものを全部食べても良い」など言うとわかりやすいかと思います。左右の場合は、おもちゃやシールを横に並べて、お店屋さんのように声かけしていくと乗ってくるかと思います。

質問5

10までの数で、いくつといくつの単元で苦戦しています。支援方法を教えて下さい。

回答

「いくつといくつ」については、具体物で分ける方法、〇を描いて塗り分ける方法などがわかりやすいかと思います。
具体物を使う場合は、「8を5と〇に分ける」といった問題なら、
①8個のブロックを並べて、数える。
②「8を5といくつかに分けるんだね。1,2,3,4,5。(ここで5個のブロックの上に「5」と書いた紙を乗せて隠す)それから、こっちは1,2,3個。3だね
(3個の上に「3」と書いた紙を乗せて隠す)。8は、5と3に分けられたね。」と確認する。

〇を描いて塗り分ける方法なら、
①8個の〇を描く。
②「8は5といくつに分けられるかな。5個の〇を赤で塗ろうね。」と5つの〇を赤で塗る。
③塗り終えたら、「次は、残りの丸を青で塗ろうね。」と残り3つを青で塗る。
④「8は、5といくつに分けられたかな。赤の丸が5,青の丸が3だね。だから、8は5と3に分けられるんだね。」と確認する。

以上のような方法になります。

また、C段階で取り組んだようなシールを貼って分ける方法、「右手にはいくつ」なども「いくつといくつ」の導入として良いかと思いますので、●●さんの興味や理解度に合わせて取り組みを工夫してみてくださいね。

質問6

位を揃えて式を書くことが苦手で、たまにずれてしまいミスをしてしまいます。おそらく過去にやってきた一の位から億の位も、忘れてしまっています。そのときは理解出来ても、時間がたつと忘れてしまうのが不安です。忘れていても記憶の引き出しに入れて思い出せるといいのですが。そこまで到達させるにはどうしたら良いか教えていただけないでしょうか?位取りの苦手さを克服させたいです。ご回答、どうぞよろしくお願いいたします。

回答

位取りが苦手なのですね。桁の大きい数字を書く際は、右端を一の位に合わせなくてはいけないのに、書く時は左端から書きますよね。その作業の中で、どうしてもずれて書いてしまうお子さんはいらっしゃいます。ずれて書いていることに気付けるように、「位取りチェッカー」を作成してみてはいかがでしょうか。

作成の仕方
①透明のシートを用意する(プラ板やクリアファイルをカードサイズに切り取ったものでも良い)
②ノートのマスの大きさや、55レッスンのプリントの文字の大きさに合わせて、位取りの枠を描く(一の位~万の位程度まで。色別にすると良い)
③それぞれの位の下には「万」「千」「百」「十」「一(書かなくても良い)」と書き、一の位の枠の右側には、「ここにそろえる!!」と言葉を書き添えるなどして、線を太くして強調する。

以上です。
位を揃えて式を書いてから、必ずこの位取りチェッカーを当てていくようにして、「何千何百何十何」になっている数字を読み上げて毎回確認していきます。
「毎回位取りチェッカーでチェックする」などの作業的な活動があることで、さらに記憶が定着しやすくなることが期待できます。他にも、印象的な出来事と一緒に覚えさせることや「楽しい!」「面白い!」といった感情の高まりと一緒に記憶させることなど記憶の定着に効果的だとされていますが、まずは上述したような作業活動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

質問7

文章題で苦戦しています。足し算、引き算ともちんぷんかんぷんです。宜しくお願い致します!

回答

まず、文章題を読んだら、立式するという作業過程を理解させていきましょう。例えば、「公園に7人の子供がいました。そこに2人の子供がやってきました。子供は全部で何人いますか。」といった文章問題なら、まず「7+2=9」「9人」、「7?2=5」「5人」の2つの選択肢をカードにして提示していくようにしましょう。こういった要領で、問われていることを「式にすること」「答えを出すこと」を教えていきます。選択肢を選ばせる際は、おはじきなどの具体物を使って、「最初は7人。次に2人やってきたから、増えたんだね。」「7に2を合わせると…」と実際におはじきを操作させていき、「7+2=9」「9人」を選ばせます。「+」「?」の部分に注目させて、「+」の時は、最初の数より増えること、「-」の時は最初の数より減ることを具体物の操作を通してしっかり教えていきましょう。以前も述べましたが、「+」は「合体!合わせる!」、「?」は、おはじきを隠して「バイバイする」とジェスチャーも付けて、「増える」「減る」を感覚的に理解できるようにしていくといいでしょう。また、「合わせて」「全部で」「みんなで」「残りは」「違いは」などのキーワードを目の付く所に貼っておき、その言葉を見つけたら、〇をつけて「+」「-」を教えるという手もあります。文章題について、「立式する」という段階を理解するのに時間のかかるお子さんはいらっしゃいます。焦らずとも大丈夫ですので、まずは「式を書く」「答えを書く」の答え方をしっかり教えていってから、適切な答えを出せることを目指していきましょう。

こんな風に担任が一つひとつの質問に対し、丁寧に回答していきます。
特に、学習を始めたての時期は、お子さんも教える側も戸惑いが多いものです。家庭療育・学習を軌道に乗らせるために、積極的に活用していただきたいサポートです。

※質問には字数制限がございます。

四谷学院療育55段階プログラム「55レッスン」質問サポートとは<まとめ>

四谷学院療育55段階プログラム「55レッスン」は、毎月の通信指導に加えて、メールによる質問制度を活用することでより家庭療育・家庭学習が充実したものにできます。
家庭療育の成功の秘訣は、発達段階に合った教材と信頼できるコーディネーターです。55レッスンでは、スモールステップの教材と安心の個別サポートで、お子さんの成長を促していくことができます。