大学受験予備校でおなじみの四谷学院の療育55段階プログラム講座「55レッスン」は発達障害のあるお子さんのための家庭療育をサポートする通信教育講座です。
55レッスンでは、自閉症児教育で国内外での実績を誇る学校法人武蔵野東学園の編集協力を得て開発された家庭療育のための教材のほか、
お子さん一人ひとりに合わせた支援を行うための「個別サポート」をご用意しています。
今回は充実の個別サポートの中から「通信指導」についてご紹介いたします。
目次
毎月の通信指導
55レッスンの受講をご検討されている方から、よくこんなご質問をいただきます。
「通信指導って何をするんですか?」
「子どものやったプリントを送るんですか?」
子どものための通信教育講座と聞くと、一般的には添削課題をイメージされる方が多いかもしれませんね。
四谷学院の55レッスンではコミュニケーションシート・アドバイスシートによる個別指導を行います。
四谷学院の55レッスンの通信指導では、課題の取り組みに関することだけでなく、園や学校あるいは家庭での困りごとなどもご相談いただくことができます。
55レッスンの通信指導は、お子さんだけでなく、保護者様、ご家族の皆様の支援・サポートの役割も担っているのです。
担任は、療育や特別支援分野の現場経験や資格を持った相談支援のスペシャリストなので、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
実際の担任とのやりとり
実際に担任と保護者様との間でどのような通信指導が行われているのでしょうか?気になるところですね。
例として、A段階(2~3歳)のコミュニケーションシート、アドバイスシートのやりとりをいくつかご紹介いたします。
R.Y様 お子様の年齢:6歳
※クリックすると大きくなります
コミュニケーションシート
アドバイスシート
Y.M様 お子様の年齢:5歳
※それぞれ抜粋です
コミュニケーションシート
主人の転勤で、東京に行くことになりました。そろそろかな~と覚悟はしていたのですが、子どものことを考えると不安は大きいです。自閉症児は環境の変化に弱いとよく聞きますが、やはり引越しは大きなストレスとなるのでしょうね。何か親がストレスと減らす為にできることがあれば教えてください。
アドバイスシート
東京へ転居されることについてですが、やはり本人も不安になると思います。そんな時にご家族の方ができることとしては、大きく2つあります。
1つは今度お住まいになる場所の写真や絵などを見せてあげることです。実際に住まわれる場所の写真があれば一番良いのですが、建物の外観や近くの公園(本人が訪れそうな場所)でも構いません。そしてそれらを見せながら「今度はここに住むんだよ」「この公園にはこんな遊具があるから、東京に行ったらここでたくさん遊ぼうね」などと話をして、これからいく場所がどんな場所であるかをイメージできるようにすると、少し不安が和らぐことが期待できます。
2つ目は、「どんなお友達ができるかな。楽しみだね」などと転居を楽しく捉えさせるような言葉かけをすることです。ご家族の方も少なからず不安になられるかと思いますが、本人はそれらを敏感に感じ取り不安になることも考えられます。お母様のおっしゃる通り、学習環境などプラスの面も多々あると思います。できる範囲で構いませんので、転居に対して不安よりも楽しみを感じさせるような雰囲気作りを心がけていただきたいです。
Y.H様 お子様の年齢:3歳
※それぞれ抜粋です
コミュニケーションシート
自傷行為が始まり、私たち親としては心配ですが、加減してぶつけているので、いつかしなくなるように願っています。
アドバイスシート
自傷行為が始まったということですが、体調などはいかがでしょうか?大変心配ですね。自傷行為はすぐに止めさせることは難しい場合がありますが、自傷行為を止めさせるあるいは軽減させるための考え方のポイントを何点かお伝えいたします。
まず、頭をぶつけていますので、できるようであれば、頭と頭をぶつけているものの間にクッションを入れるなど、できるだけ本人の体調の負担を減らすようにしてください。 次に、自傷行為が始まった時期が○月○日頃とある程度特定されておりますので、その日の前後に何かそのきっかけとなることがなかったかを検討することは必要です。これは後ほど理由を検討する際に役立ちます。また、今後自傷行為が起こらないように予防するという点からも大事な点です。
さらに、自傷行為をしているときのことを細かく把握することも大切です。自傷行為をしているときの周りの環境、その前後の行動、時間や頻度、自傷行為が収束に向かったときの周りの対応(何を周りがしたら止めることができたか)などを把握するようにします。そしてそれを記録します。その記録により、パターンや傾向が見えることがあり、対策を実際に講じた場合にその効果も後で確認することができます。
そして、何らかの理由があるために自傷行為を行っているのだと思いますので、それを考えてみてください。理由としては、知覚過敏(ある特定の音やにおい、光などが感覚的に嫌など)、不慣れな状況や活動に混乱したり不安になったりしている、日頃ルーティンになっている行動(一種のこだわり)ができない、コミュニケーションの取り方がわからない、体調の変化(熱があるなど比較的把握しやすいものから、歯が痛いなどのわかりにくいものまであります)などがよくあげられます。複数の理由がからんでいたり、私たちが思いもよらないことが理由になっている場合も考えられますが、できる範囲で考えてみましょう。
そして何らかの理由に思い当たったら、それをもとに自傷行為が起こらないよう予防的な対応を心がけるようにします。例えば、不慣れな状況に混乱していることが原因であれば、先にスケジュールをわかりやすい方法で伝えるなどです。 大まかには以上のような対応になると思われます。既になさっていることも多いと思われますが、以上のことについて、また何か心配な点などがありましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。
K.S様 お子様の年齢:4歳
※それぞれ抜粋です
コミュニケーションシート
手の使い方についてです。線を描く時はもちろん、例えば4歳なので4をと思っても出来ません。親指でティッシュなどを丸めてはさませると、やっと出来るのですが、もちろんイヤがります。1はできますが、2も3も出来ません。こういう不器用さは持って生まれたものでしょうが、どのくらい練習させたら良いでしょうか?
クレヨンの持ち方は、そーっと直しているうちに直ってきたのですが手加減がわからず、迷います。手遊び全般、ものまね自体が苦手なので近道は無いのでしょうが、よろしくアドバイスをお願いします。(利き手とは関係ないかもしれませんが、4は右手でやろうとします)
アドバイスシート
手の使い方については、やはり個人差がありますので大体この位練習すれば良いという判断をすることは難しいですが、練習の方法についてはいくつかお伝えすることができます。
まず、手遊びやものまねについてですが、これ自体は苦手であったとしても取り組むこと自体は本人にとってプラスになる可能性が高いと思います(ある手遊び歌が好きになって意欲的に取り組むなど)ので、少しずつでも良いので取り組ませてみても良いと思います。
お母様から教えていただいた情報で“1”の手の形はできるということですが、その際の教え方は覚えていらっしゃるでしょうか?お母様にもご経験がおそらくおありだと思いますが、人が一度身につけることができた方法は、他のことを身につける際にも学びやすい方法になりますので、もし教え方を覚えていらっしゃるのであれば同じような方法で取り組ませてみると良いと思います。クレヨンの持ち方の直し方も効果があったのであれば参考になるのではないでしょうか。
また、手の力が弱いと自分の思い通りに手を動かすことはできません。グー・パー・グー・パーと手の形を変える、手をマッサージしてあげる、お手伝いに手を使うものを取り入れる(少し重量がある荷物を持ってもらう、タオルをしぼってもらう)、手押し車(指導者が子どもの両足を持ち、子どもは両手を床につけて体を支える。その状態で手を動かして進む)をさせてみる、ジャングルジムやブランコ、うんていなど手を使う遊具で遊ぶなど、身近な方法で手の力を養うことはできます。もし手の力が弱いと感じられるのであれば試してみてください。
※コミュニケーションシート・アドバイスシートには字数制限がございます
受講生のご感想
実際に通信指導を受けた方の感想をご紹介します。
家庭療育を継続するためには、お子さんが少しずつでも成長しているという手応えを感じられることが大切です。
55レッスンでは、親子で前向きに療育に取り組めるよう、保護者の方と担任の二人三脚でお子さんの成長を支えていきます。
55レッスンの個別サポートとは?①通信指導まとめ
四谷学院の療育55段階プログラム「55レッスン」では、担任が一つひとつのご相談に対し、丁寧にアドバイスしていきます。
55レッスンの通信指導は、家庭療育に取り組まれる保護者様を孤独にさせないためのサポートです。
1ヶ月を保護者様ご自身で振り返り、それに対して第三者からフィードバックをもらうことで、現在の状態を冷静に捉え、迷いなく指導を続けていくことができるのです。全12回の通信指導を終えてから、やりとりを振り返ってみると、きっとお子さんや保護者様ご自身の成長を実感できることでしょう。