フリースクールってどんなところ?カリキュラムや学費は?発達障害と不登校って関係あるの?

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こんにちは!四谷学院の安井です。

「フリースクール」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

何らかの理由で学校に通っていない子どもがいるということは知っているけど、どのような居場所があるのか、どのように学んでいるのか、どのような支援を受けられるのか、などについてはあまり知られていないかもしれません。

そこで今回は、支援機関のひとつである「フリースクール」についてお話ししていきます。

フリースクールとは?

フリースクールとは、不登校の小中高生が学校以外で学んだり、同年代の子どもたちと過ごしたりできる居場所のことを指します。

その規模や活動内容は様々で、NPO法人などの民間の団体が設置・運営を行っています。平成27(2015)年に文部科学省が実施した調査では、全国で319の団体・施設が確認されています。

ちなみに、ほとんどのフリースクールが「通所形式」と言って、自宅から直接通う形式をとっています。

フリースクールでできることは?

フリースクールのカリキュラムは、スクールによって異なりますが、一般的には以下のような活動が行われているところが多いようです。

・学習指導
・相談・カウンセリング
・芸術・スポーツ
・社会体験や自然体験活動
なお、ほとんどのフリースクールでは、学校のように学習指導が行われます。指導は集団(講義)形式で行われる場合も個別指導の場合もあります。学習進度についても、子どものペースに合わせて柔軟に対応してくれるケースが多いようです。

また、音楽・美術といった芸術活動だけではなく、スポーツを行っているところもあり、いくつかの選択肢の中から好きな活動を選んで参加することができるのが一般的です。スポーツ大会や発表会といった、それらの成果を発表する場が設けられていることもあります。

他にも、調理体験や職業体験といった、体験型の活動が行われたり、子どもたち同士で相談しあって、自分たちのやりたいことを企画・運営するといった学習が行われたりもします。

さらに、カウンセラーやスタッフによる相談・カウンセリングが行われることもあり、子どもたちの不安や悩みに寄り添ってくれる人がいるのも、心強いポイントです。

このように多くのフリースクールでは、子どもたち一人ひとりのペースや自主性を重んじながら、学習面や社会活動面でのサポートを受けることができます。

フリースクールに通う上での注意点は?

フリースクールとは、様々な事情から学校に通うことがつらいと感じているお子さんにとって、学びや社会活動の機会が得られる場所です。

ただし、メリットだけでなく押さえておきたい注意点もいくつかあります。一緒に見ていきましょう。

学費がかかる

フリースクールは、授業料等の会費が必要な場合がほとんどです。
文部科学省が平成27(2015)年に行った調査では、月に平均約3.3万円の費用が掛かるとされています。また、交通費についても別途費用が掛かることを押さえておきましょう。

出席扱いとされないケースがある

不登校の児童生徒が学校外施設において相談・指導を受ける場合、いくつかの条件を満たしていないと、出席扱いとされないケースもあります。学校の出席日数は、受験などに影響することもあるため、注意が必要と言えるでしょう。

学習に遅れが出ることがある

フリースクールは、先ほどお伝えしたように、子どもたち一人ひとりのペースに合わせて学習を行います。そのため、学習に遅れが出ることもあります。進学を検討している場合は、フリースクール以外にも、塾や予備校などでサポートを受けるのもいいでしょう。

近くにない場合もある

フリースクールの数は、先ほどもお伝えしたように全国で約300か所ですが、住んでいる自治体にフリースクールがないという場合もあります。また、ほとんどが「通所形式」を取っているため、片道数時間かけて通わなくてはいけないケースもあるようです。

フリースクールには、これらの注意点があります。
また、カリキュラムの内容や方針もスクールごとに異なるため、よく調べたうえでお子さんに合ったフリースクールを選ぶようにしたいですね。

フリースクールに通う前にできることは?

以上のことから、フリースクールにはいくつかの注意点があるものの、不登校の子どもたちにとって大きな選択肢の一つであることがわかります。

登校できないことで自分を責め、毎日つらい思いをしていたというお子さんが、フリースクールに通って本来の明るさを取り戻したというケースや、フリースクールを卒業後立派に社会に羽ばたいていったというケースは、めずらしい話ではありません。

一方で、「学校に行きたくない」と感じてから不登校に至るまでの間には、本当は行きたくないけれど無理をして学校に通っている期間が少なからずあります。その期間に心と身体が疲れてしまって、回復までに時間がかかることも多いです。

しかし、お子さんそれぞれに合わせた適切な指導や支援を受けられれば、不登校を未然に防ぎ、地域の学校に楽しく通うことができるかもしれません。

私たち大人は、不登校に「なった後」について考えることも非常に大切ですが、「なる前にできること」についても、目を向けていく必要があります。

不登校と発達障害の関係は?

近年の研究で、不登校に至る子どもの多くに、発達障害やその疑いがあることがわかってきました。

不登校の生徒のうち、何%に発達障害の疑いがあるかという数字は研究によってバラつきがあるものの、小学生の不登校児童のうち、約16%に発達障害の可能性があったという報告もあります。最近では、50%前後のもっと高い割合なのではないか、という見方もあります。

発達障害のお子さんはその特性上、コミュニケーション面の課題や集団行動への適応の難しさ、学習の困難さを抱えやすいことから、不登校が起こりやすいのではないかと考えられています。

もちろん、発達障害の可能性のある子どもたちだけでなく、全ての子どもたちがその特性にあった適切な教育・支援を受けられる状態がベストですが、様々な面でつまずきを抱えやすい発達障害のお子さんたちには、よりきめ細やかに対応していくことが求められると言えるでしょう。

特性に合わせたサポートを受けることで、できなかったことができるようになる、といったことはめずらしくありませんし、なにより本人の自己肯定感にもつながります。

つまずきが解消されることで、問題なく学校に通うことができるようになったというケースも少なくありません。

子どもたちが笑顔でいるために

では、お子さんたちの特性に合わせたサポートをするために、具体的に何から始めていけばよいのでしょうか。

まずは、学校や日常生活を送る上でその子がつまずきやすいポイントがどこにあるのか、確かめるところから始めていきましょう。

そのうえで、「苦手」を軽減し、「得意」を伸ばすための効果的な支援について考えていきます。

サポートですべてのつまずきを解消できるわけではありませんが、「できる」ことが増えれば本人もうれしいですし、周りの子どもたちがその子を見る目も変わります。学習面や友人関係での困り事が一つでも減れば、学校に行くことが楽しいと思えるかもしれません。

四谷学院では、発達障害のある子どもへの支援について学べる講座として、発達障害児支援士資格認定講座を開講しています。

この講座には、ほかの発達障害の講座や書籍と大きく異なるところがあります。それは、実際の指導の現場、つまり集団の中で必要とされる専門的な知識を網羅している、というところ。

支援のポイントや目的を踏まえながら対応例を学べるカリキュラムになっているので、場当たり的な指導ではなく、明確な根拠をもって指導にあたれるようになります。

発達障害を持つお子さんの不登校は、年々増えていると言われています。

・学習の遅れがある子どものサポート方法が知りたい
・発達が気になる子どもの指導やケアの仕方がわからない
そんな想いをもたれている方は、ぜひ、発達障害児支援士資格認定講座をご受講ください。

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