負けそうになるとルールを守らなくなる
負けを受け入れられずにかんしゃく起こす
というお子さんはいませんか?
園や学校のなかでルールを守れないと、お友達同士のトラブルにつながったり、活動がスムーズにいかなかったりと、困った場面が頻繁にでてきてしまいますよね。
そこで、今回の記事では「勝ち負けのある遊び」における3つの支援のコツについてご紹介します。お子さまに合った支援法を一緒に考えていきましょう。
勝ち負けのある遊びを楽しむための3つの方法
発達障害のあるお子さん、特にADHDのお子さんの中には、成功することにこだわったり、負けることを受け入れられなかったりする子が多いと言われています。
感情のコントロールが苦手なお子さんが、ルールを守って活動に参加できるようにするためには、事前準備が大切です。1つずつ見ていきましょう。
目標の確認をする
まずは活動を始める前に、その日の活動の目的や目標を明らかにしておきましょう。
・「ドンマイ!」「ナイス!」など仲間を応援する声かけをする
・ボールを投げるときはフォームを意識する
このとき、勝つことや点数を取ることなどを目標としないことがポイントです。
遊びの後は、勝敗にかかわらず、たくさん仲間を励ます声かけができた子どもは、みんなの前で褒めてあげられるといいですね。
ほかにも
「ボールを避けるために、どんな工夫をしたのかな?」
「前よりボールを投げるスピードが上がったね」
という風に、勝敗の結果ではなく、活動の内容に目を向けて声をかけることで、勝ちを喜びすぎたり、負けて取り乱したりするリスクを避けることができます。
ルールを見直す
ルールは本来、みんなが安全に、快適に過ごせるためにあるものです。「勝っても負けても楽しい」が実現しやすくなるように、「ルールを柔軟に変える」ということも検討してみましょう。
・ドッヂボールは時間制にする(内野にいる人数が多い方が勝ち)
こうしたルールがあると、鬼ごっこは足の遅い人でも楽しめますし、ドッヂボールも「ずっと外野から戻れずにつまらない」ということがなくなるかと思います。
子どもたちが遊びに「参加している」という実感を持たせられるようなルールを考えられるといいですね。
発想の転換をする
ここまで、活動を始める前にできる「事前準備」についてお伝えしました。でも、実際に活動が始まってみると、思うようにいかずイライラしている様子が見られることもあるかもしれません。
そうした場合には、先手を打って発想の転換を促すことが大切です。
たとえば、ババ抜きでジョーカーを引いたり、鬼ごっこで鬼になったりした時、「最悪だ!」と思ってしまうお子さんもいるかもしれません。
そうした場面でサッと
「ババ抜きはジョーカーを引いても澄ました顔をするのが楽しいんだよ」
「鬼ごっこの鬼は、足の速さだけじゃなくて戦略が大事なんだよ」
という風に、ピンチを楽しめるような声かけができると、子どもも気持ちを切り替えやすくなるかと思います。
子どものかんしゃくへの対応の仕方については、以下の記事も併せてご覧ください。
勝ち負けにこだわるのは自然なこと
ここまで、遊びやゲームで負けそうになると、ルールを無視したり、かんしゃくを起こしたりするお子さんへの支援法についてご紹介してきました。
前提として、子ども達が遊びやゲームで「勝ちたい!」「負けたくない」と思う気持ちは自然なことですから、大人の「勝ち負けにこだわらない」という姿勢を無理に押し付ける必要はありません。
問題は、それによって遊びを楽しめなくなることです。
なので、もしもお子さんがゲームに負けて悔しそうにしていたら「悔しかったね」「でも、楽しかったね」と悔しい気持ちに寄り添いつつ、『負けたけど、楽しかった』という経験を積ませてあげてほしいと思います。
実際にかんしゃくを起こしてしまったら、クールダウンスペースに連れて行ったり、深呼吸を一緒にしたり、抱きしめてあげたりして「落ち着く方法」を大人と一緒に模索できるといいでしょう。
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このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
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このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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