宿題を忘れる!集中力がない!どう支援する?【発達支援クイズ】

※この記事は約5分で読めます。

こんにちは、発達障害児支援士の発田です。
今日は、よりよい発達支援を行うためのクイズをお送りします。

保育士さんや小学校の先生など、子どもの成長に関わるお仕事をされている方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

動画はこちらをどうぞ!👇

発達支援クイズ!宿題を忘れてしまうA君

小学2年生のA君は、毎日のように宿題を忘れてしまいます。A君にワケを訊くと、「家では思うように集中できない」とのこと。そこで先生は、保護者の方にA君の家での様子を写真に撮ってきてもらいました。こちらがA君のある日の様子です。

ここで問題です。
A君はなぜ集中できないのでしょうか?
「この写真から分かること」を3つ考えてみましょう。

つづいて、第2問!
A君が集中できるようになるためには、どうしたらいいでしょうか?
3つ考えてみましょう。

……いかがでしょうか。答えは導き出せましたか?

といっても、この「クイズ」には唯一の正解があるわけではありません。今からそれぞれの問題について解説をしていきますので、自分の答えと照らし合わせながら「こんな考え方もあるんだな」「こういう支援法もあるんだ」と気づくきっかけにしてもらえると嬉しいです。

姿勢に注目!

では早速、1問目から見ていきましょう。

回答例はこちらです。

  • 何がどこにあるか分からない
  • 勉強道具以外のモノが学習机の上にある
  • そもそもノートを広げられるスペースがない
  • 姿勢が崩れている

机の上を整理整頓するのはもちろんですが、意外と見落としがちなのが「姿勢」です。

このイラストのように

座面の奥まで座って
床に足の裏をぴったりとつけて軽く踏みしめ
背中をピンと伸ばし
腰、膝、足首の角度は90度になっている状態

が、正しい姿勢です。

椅子に座った時の姿勢が悪いと、肺が圧迫されてしまい、脳への血流が滞ってしまうため、脳の働きが阻害されてしまうという研究もあるんです。そうした状態では、なかなか勉強に集中することはできませんよね。

環境を整えよう!

続いて、2問目です。原因がいくつか思い当たったら、早速、勉強しやすいように学習環境を整えていきます。回答例はこちらです。

  • 椅子の高さを調節したりクッションを置いたりして、姿勢を維持できるようにする
  • どこに何をしまうかを細かく決めておく
  • 机の上にはその日に取り組む勉強用具以外を置かない
  • タブレットはリビングに置いてから宿題を始める

ポイント1:具体的に伝える

ポイントは、A君にやってほしいことを具体的に伝えること。

「どうしてそんなにやる気がないの!」と叱ってもうまくいかないように、散らかっている机の上を指さして「片付けなさい」と言っても、何をどうすればいいのか分からなければ動くことはできません。しかし「算数の教科書はこのBOXに入れようね」「鉛筆はこのペン立てにまとめよう」という具体的な指示であれば、A君もスムーズに動きやすくなります。

ポイント2:視覚的に分かりやすくする

そしてもう1つ大切なのは、「学習机は何をするための場所かを視覚的に分かりやすくする」ということ。

遊び道具が目に入るような環境では、誰でも気が散ってしまうものです。自室の机で宿題をするのであれば、学習に必要なもの以外はリビングに置いておくなど、1つの場所を多目的にしないことで、A君自身で気持ちの切替がしやすくなることが期待できます。

「強制しない」ということは、発達支援において大切な考え方です。強制すると、A君自身どんどん宿題に取り組むのがいやになってしまうからです。整理整頓することや宿題に取り組むことに対して、いかに「取り組みやすそう」「簡単そう」に見せられるかが、支援者の腕の見せ所と言えるでしょう。

まとめ:発達支援クイズを通して

今回の問題では、写真を用いてA君が「学習に集中できない理由」を考えました。

もしも「写真を撮ってほしい」と保護者にお願いしていなかったら

「宿題はきちんとやるべきだと理解していないのでは?」
「どうせ学校から帰ったらすぐゲームしてるんじゃないの?」

なんて、的外れなことを考えていたかもしれませんね。

本人に行動を改めさせるのではなく、学習環境や周りからの言葉のかけ方などを変えていくことを「環境調整」と言います。環境調整の良いところは、本人に無理に努力させなくても、行動の改善が期待できるところです。

繰り返しになりますが、発達支援に唯一の正解はありません。

子どもの数だけ最適な答えがありますから、試行錯誤をしながら、お子さんに合った支援法を見つけていただければと思います。「どんな風に考えるといいんだっけ?」と迷った時は、ぜひこの記事を振り返ってみてくださいね。

それでもなかなかアドバイスが思いつかない、この支援方法でいいのか不安…という方は、私たちと一緒に発達支援について学びましょう!

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