こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。
10月に入り、街中にハロウィンの飾りつけが目立つようになりましたね。
仮装やパーティーを楽しみにされているご家庭も多いのではないでしょうか。
最近では、幼稚園・保育園でも、ハロウィンのイベントを行うところが増えてきました。
子どもたちが自分で仮装用の衣装を作ったり、飾りつけを行ったりする制作活動を楽しんでいるようです。
あなたのご家庭ではいかがでしょうか?(^^)
目次
幼稚園・保育園・学校で行う制作活動
ハロウィン以外にも、園や学校では制作活動が数多く行われます。
子どもたちが皆、制作活動を楽しむことができれば何よりなのですが、中には当然、制作が好きではない子もいますね。
特に、小さな子どもたちは、
(制作活動が面白くない!やりたくない!イヤだ!)
そんな気持ちを、言葉でうまく表現できず、態度で表現することがあります。
たとえば・・・
◆わざとぐちゃぐちゃに描いたり紙を丸めたりする
◆席を立つ、教室を歩き回る、教室を出て行くなど、動き回る
◆周囲のお友達にちょっかいを出す
◆泣く、パニックを起こすなど、精神的に不安定になる
等
こんな様子を見せるお子さんは、単にふざけていたり、不真面目だったりするのではなく、制作活動への苦手意識を表現してくれている可能性があります。
制作活動の苦手意識の裏にあるもの
制作活動にうまく参加できないお子さんには、多くの場合、より根本的な苦手さが隠れています。
たとえば、こんなふうに。
[/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”事例 2″] じっと座っているのが苦手! [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”事例 3″] 興味のないことに参加するのが苦手![/speech_bubble]
そして、中でも可能性が高いのが、こちら。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”2.jpg” name=”事例 4″] 手先を細かく動かすのが苦手![/speech_bubble]
「手先がうまく使えない、不器用」という苦手さです。
事例1~3で挙げた、見ることの苦手さ、落ち着きのなさ、興味の偏りなどと同時に存在することも多くあります。
制作活動には、切る・貼る・塗る・折るといった手指の細かい動きが必要不可欠です。
そのため、手先がうまく使えないことは、制作が上手にできないという体験に直結しがちです。
上手にできなければ、やる気もなくなってしまうのは当然ですね。
自分の作品を周囲と比較できる年齢のお子さんはなおさら、自分の苦手さがむき出しになる制作活動を好まなくなります。
その結果、制作活動の時間には、前述のような態度で拒否感を示すことになります。
大人から見れば、「落ち着いて活動に参加できない」と見える姿も、お子さんご本人からすれば、自分の意思に反して参加せざるを得ない苦手な環境に対する「必死の抵抗」なのかもしれません。
家庭でできる手先の使い方の練習のヒント
制作活動が苦手なお子さんは、自分から積極的に制作を楽しもうとはしません。
体験が少なければ、スキルが育つ機会も少なくなってしまいます。
制作活動の体験は、将来的に、文字や数字を書く力や、物事の概念を丁寧に捉える力、最後まで物事に取り組む力などにつながります。
お絵かきや工作は、単に絵を描いたり作品を作ったりするだけではなく、大切な生きる力を育む活動なのです。
ぜひご家庭でも積極的に制作活動を体験させてあげたいものですね。
以下で、制作活動の練習の際に気をつけていただくとよいポイントをいくつかご紹介します。
手先の発達には順序がある
手先の動きは、順を追って発達します。
たとえば、小さな赤ちゃんは、当然ですがいきなり三本指で箸を使うことはできません。
まずは手づかみで食べ、やがてスプーンをゲンコツで握れるようになり、手首を返してスプーンやフォークを使えるようになり、やがて指の一本ずつを思い通りに動かせるようになり、そうなって初めて箸を使う段階に到達します。
発達の順序は、どんなお子さんでも一定です。
発達の速度に個人差はあっても、発達の順番は基本的に誰でも一緒なのです。
たとえばお絵かきが苦手なお子さんには、大人はつい、筆記用具を持たせて、お絵かきの練習をさせようとしがちです。
が、もしかしたらお子さんは、お絵かきができる段階まで発達が進んでいない可能性があることに留意しましょう。
お子さんは、指先でものをつまむことが難しいのかもしれません。
筆記用具を持つことが苦手なのかもしれません。
線を描いたり、枠からはみ出さないように塗ったりすることが苦手なのかもしれません。
発達の階段を一歩ずつ上っていった先に「お絵かき」という総合的なスキルがあります。
この階段を一段飛ばし・二段飛ばしに進んでいくことはできません。
支援の際は、お絵かきのスキルに至るまでの発達の階段を考え、その階段のどの部分でお子さんが立ち止まっているかをよく見極めるのがコツです。
ご家庭での練習の際も、いきなりお絵かきをさせるのではなく、まずはお子さんがどの段にいるかを確認した上で、次の段に上れるようなサポートを工夫してあげると良いでしょう。
制作活動には様々なスキルが含まれる
保育園や幼稚園での制作活動には、
・面を塗る
・ハサミで切る
・手でちぎる
・糊を塗る
・紙などを貼る
・紙などを折る
・組み立てる
・イメージを膨らませる
・見た通りに写す
・指示通りに行動する
・お手本通りに作業する
等々のスキルが含まれています。
園の先生方は、乳幼児の一般的な発達段階を考慮した上でこれらのスキルを組み合わせ、年少さんなら年少さんが、年中さんなら年中さんが、楽しく取り組めるような制作活動を工夫されていることでしょう。
難しすぎても簡単すぎても子どもたちのやる気を引き出すことはできませんから、大人の側も腕の見せ所ですね。
一方で、制作活動が苦手なお子さんは、これらのスキルのどれかに難しさを感じている可能性があります。
思い通りの線を描くことができない、糊のベタベタした手触りが苦手、ハサミの刃を開いたり閉じたりする操作が苦手、両手で別々の動きをすることが苦手、見た通りに写すのは得意だが想像を膨らませるのが苦手、、、などなど、苦手さは実に人それぞれです。
ご家庭での練習の際には、まずはお子さんがどのスキルを得意としているか、苦手としているかをよく見極めてあげましょう。
苦手なスキルを練習して穴を埋めていくよりは、得意なスキルを伸ばすことを優先した方が、楽しく練習できることが多いようです。
得意なスキルはますます伸ばし、不得意なスキルは上手に底上げしながら、楽しく活動できるようにサポートしてあげられれば嬉しいですね。
家庭でより適切な支援を行うために
お子さんの発達を無理なく促しながら手指を動かす力を高め、自然と制作活動を楽しめるようになるサポートを・・・
と、言葉にすればひとことですが、これをご家庭だけで実行するには、どうすればよいのか、迷われることもあるかと思います。
そんな時は、55レッスンをどうぞご活用ください。
55レッスンでは、これらの制作活動に必要な動作を、通信講座によって段階的に習得していきます。
順番通りに講座を進めていくだけで、今お子さんが必要としている課題を、発達段階に応じた細かいステップを踏んで練習できるようになっています。
教材通りに進めていくだけでも十分な練習が可能ですが、お子さんの得意・不得意に合わせた柔軟な支援の微調整も担任がご提案します。
お子さんにとって楽しい練習ができるのはもちろん、親御さんにとっても
・筆記用具の「太さ」を考える意味
・さまざまな形の「線」を描く練習の意義とコツ
・無理なく複数のスキルを育てていくには
などなど、たくさんの支援のヒントが見つかることと思います。
講座について、詳しくは55レッスンのHPをご覧くださいね。
制作活動を楽しみながら、お子さんの素晴らしい可能性がさらに大きく花開くよう、心から応援しています!
四谷学院の55レッスンでは、一人ひとりに担任の先生がついて家庭療育をサポートいたします!課題を通して個別にアドバイスをいたしますので、安心です!
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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