「孫が発達障害かも?」と思ったら

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こんにちは、四谷学院の生田です。

夏休みや冬休みなどの長いお休みには、久しぶりにお孫さんが遊びに来てくれるというおじい様、おばあ様も多いのではないでしょうか。
お孫様の顔を見るのは、嬉しいものですよね。

帰省といったタイミングは、お孫様の成長ぶりを知る機会にもなります。
その一方で、
「娘がこのくらいの時は、もうしゃべってた気がする」
「上の子の時と、何か違うな」
など、お孫様と接する中で、「あれっ?」と思うことがあるかもしれません。

今回は、お孫様の発達が気になる時に、どうすればいいかについてお話しします。

どんなことが気になったのか、リストアップする

一番大切なのは、決め付けてはいけないということです。
「この子はきっと発達障害だ」と決め付けてしまうと、本当の姿が見えなくなってしまいます。

どんな点が気になったかを具体的に書き出してみましょう。
たとえば、こんな感じです。

・言葉が遅い、少ない
・ほかの子どもに比べて、歩き始めるのが遅い
・ちょっとしたことで、かんしゃくを起こす
などなど

まずは、こんな風にリストアップしてみましょう。
ただ単に「おかしい、変だ」と感じるだけでなく、その一歩先まで観察してみます。
ここで、ただの思い過ごし、成長の過程、ということもあるかもしれません。

発達障害について知る

次のステップは、発達障害について正しい知識を得ることです。

「知らないこと」や「誤った偏見」が、かえって不安を大きくすることがあります。
四谷学院のホームページでは、発達障害について初めての方にもわかりやすく解説しています。

▼四谷学院55レッスン「発達障害とは?」
https://yotsuyagakuin-ryoiku.com/jiheisyou/

家族で気づきを共有する

子どもの発達は、いつでも100%教科書どおり進むというわけではありません。ハイハイをせずにいきなり歩き始めるケースもありますし、言葉が遅いなと思っていたらいきなり三語文(「ママ、あっち、みて」とか。)で話し出すこともあります。一人ひとり成長の仕方は異なります。

しかし、発達障害によってお子様自身や家族が困っていることがある、ということであれば「何とかしてあげたい!」と思うものでしょう。
お孫様の気になる点を照らし合わせてみて、やはり気になるところがある場合は、お母様・お父様と共有しましょう。

この時、伝え方を誤ってしまうと、話を聞いてもらえないとか、あるいは、両親が「責められている」と誤解してしまったりすることもあります。よかれと思って行動したことが、家族関係を悪化させ、せっかくの「気付き」を共有できなくなってしまうことになります。

発達が気がかりなお子様を持つお母様・お父様は、育児に苦労している場合もあります。おじい様やおばあ様に指摘される前から、もしかして思い悩んでいたかもしれません。あるいは気にしていたことをズバリ言われて、責任を感じてしまったり、傷ついてしまうかもしれません。
ですから、祖父母としてお孫様やご両親の味方であることや、一緒にサポートしていきたいという気持ちがしっかり届くよう、話を進めるとよいでしょう。

具体的な話の進め方は?

お父様・お母様には、「子どものことは親である私たちが一番よくわかっている」というプライドもあります。
ですから、おじい様、おばあ様からの指摘に対して、
「そんなこと分かってる!」「知ったようなことを言わないで!」
と感じるかもしれません。そのような反応にならないよう、親としての自尊心を傷つけないように配慮しましょう。

話の進め方としては、

(1)お父さん・お母さんが子育てをがんばっていることを労う
(2)お孫さんの成長について気付いたことを共有する
(3)子育てで困っていることがあれば、気軽に相談してほしいと伝える

まずは、ここまで話すことができれば十分と考えましょう。
信頼関係を築くことが何より大切です。

話のなかで「最近、育てづらさを感じていて・・・」と言われたり、ふとしたタイミングで相談をされたりした時は、
「実は、私も・・・」と気になっていたことを共有してみましょう。
「そういえば、○○をしていたときに●●ちゃんが急に怒っちゃって…」など、エピソードベースで話すと、お父様・お母様も話を受け入れやすいかと思います。

家族が困っていたら

気づいたことを共有したところ、家族も同じように考えていることが分かったら、専門機関へ一度相談してみることを勧めてみてもよいでしょう。
家族のがんばりだけで子どもを育てなければならない、ということはありませんが、「病院や療育センターは敷居が高い」と感じる方もいらっしゃいます。
そういった場合には、

「孫のためにも、そして親としての育てづらさを軽減するためにも、良いきっかけになると思うから」
というトーンでのお話が良いかと思います。

とはいえ、専門機関に相談に行ったからといって、すぐに診断がつくとは限りません。
子どもはまたまだ成長の途中。教科書どおりに育つとは限りません。「もう少し、様子をみましょう」という結論となるケースも多いということも知っておいてください。

なお、診断がついてもつかなくても、自分たちにとって可愛い孫であることに変わりはないこと、必要であれば自分たちも協力をしたいと考えていることをしっかり伝えましょう。
その気持ちが何よりも、両親の助けになると思います。

その後の関わり方

子どもの成長のペースは、一人ひとり異なります。
お孫様なりに少しずつ成長しているのです。「できない」ことよりも「できる」ことに目を向けて、お孫様を褒めたり、ご両親に伝えたりしましょう。

お孫様の様子について、「ちょっとは話せるようになってきたの?」のように頻繁に聞いたり、「なかなかオムツ外れないのね」と会う度に気になることを伝えたりと、「できない」ことばかり指摘することは禁物です。

発達障害を持つ子どもたちは、周囲から理解されずに、褒められるよりも叱責される機会が多くなってしまうことがあります。
また、ご両親は責任感や焦りを感じ、「何とかしてあげたい」という気持ちで心に余裕がなくなることもあるでしょう。
愛情ゆえに、無意識に「できない」ことに気をとらわれやすくなっている時もあるかもしれません。

だからこそ、祖父母という立場から、お孫様のイイトコ探しを手伝ってあげましょう。

久しぶりに会うおじいちゃん・おばあちゃんから褒められることで、ご両親も
「たしかに、こんなことやあんなこともできるようになったな」
と、「できる」ことに目を向けやすくなっていきます。

子育ては、長い長い道のりです。「できない」ことに追われる育児は、とても辛いものです。同じ時間を過ごすなら、「できる」ことを大切にして、笑顔で楽しくいられた方がいいですよね。

「おじいちゃん・おばあちゃんとしてできることは何か?」と深く考えすぎず、
「小さなことでも褒める」ということから、やってみてはいかがでしょうか。

55レッスン(療育55段階プログラム)は、発達を支援する通信教育講座です。

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