発達障害児に多い「感覚鈍麻」の問題。どうアプローチする?

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こんにちは、四谷学院の生田です。

発達障害のあるお子さんの中には「感覚過敏」の特性のある子が多いと言われています。

蛍光灯が眩しく感じる、運動会のピストルの音が怖い、洋服のタグがチクチクして嫌だ……こんな話を、皆さんも一度は聞いたことがないでしょうか。

一方で、刺激を感じ取りづらい「感覚鈍麻」という傾向のあるお子さんがいます。

自分に入ってくる感覚に対して鈍感だと、ケガをしていても気づくのが遅れたり、指しゃぶりや爪を噛むといった問題行動に繋がることもあるので、「感覚過敏」と同様に、適切な配慮と支援が必要になります。

今回は、そんな「感覚鈍麻」のお子さんに対してできるアプローチをご紹介します。

適度な刺激を入れる

普段から反応の薄いように見えるお子さんは、もしかすると感覚鈍麻の傾向があるのかもしれません。次のような遊びやスキンシップ等を取り入れて、定期的に適度な刺激を与えましょう。

適度な刺激の入れ方の例
・1日に数回「抱っこの時間」と称して、強めにギュッと抱き締める時間を設ける
・「マッサージ」「一本橋」「ひこうき」などで身体に刺激を入れる
・毛布や大判バスタオルでギュッと包んであげる
・「コチョコチョ」「高い高い」をご褒美とする
・リストバンドや締め付けが心地よい靴下、下着を着用する
・食感の強いもの(するめ、昆布、焼きおにぎりなど)をおやつにする
・着席中は人工芝マットを足元に敷いておく

このように、感覚刺激を意図的に与えていくことで、徐々に自分に入ってくる刺激に対して反応できるようになります。また、気持ちが落ち着ちというメリットもあるので、保育者や保護者との信頼関係を傷育上でもお勧めです。

ボディ・イメージを高める

感覚鈍麻の傾向のあるお子さんは、自分の身体に対するイメージである「ボディ・イメージ」が確立されにくいと言われています。

たとえば、食べこぼしが多かったり、極端に運動が苦手なお子さんの場合、このボディ・イメージの未熟さが原因であることも多いようです。こうした場合は、身体全体を意識できるような遊びを取り入れることで、結果として感覚を適切に処理する力が育っていくことが期待できます。

ボディ・イメージを高める遊びの例
・トンネルくぐり
・ネットくぐり
・まねっこ遊び
・ジャングルジム

身体づくりが発達の土台になる

いかがでしたか?
子どものたちの発達を促す上で「身体づくり」は非常に重要な役割を果たします。

ぜひ園や学校、ご家庭でご紹介したアプローチを取り入れてみてくださいね。

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