こんにちは、四谷学院の発達障害児支援士、生田です。
「きょうだい児」という言葉をご存じでしょうか?
病気や障害のある子どもの兄弟、姉妹のことを「きょうだい児」と言います。
SNSなどでは「#きょうだい児」とハッシュダグといっしょに使われることがあります。
親の注意が自分以外に行きがち
病気や障害のある子どもはどうしても親の手がかかります。すると自然と親の注目が集まることになります。
きょうだい児のお子さんは「親からかまってもらえない」「寂しい思いをする」という傾向があります。
親からきょうだい児へのフォロー
ご両親が揃っているご家庭なら、ご両親がどちらも障害のあるお子さんにかかりきりにならないように、「お母さんと障害のあるお子さん」「お父さんときょうだい児」、または「お父さんと障害のあるお子さん」「お母さんときょうだい児」と交互に分担してそれぞれと関わる時間を設けてあげるといいでしょう。
いわゆるワンオペで育児をされている場合は、障害のあるお子さんを預けている時に、親ときょうだい児のお子さんだけで秘密の時間を設けてあげるといいでしょう。
たとえば、「アイスを食べに行く」「外食する」「映画を観る」などがあるかと思います。
この時は、「いつも頑張っているから…」「いつも○○ちゃんのお世話をしてくれて、ありがとう!」と普段のがんばりを認めて、思い切り甘えさせてあげます。
2,3ヶ月に1回など定期的に、1、2時間程度で充分だと思います。こういった秘密の時間があることは、きょうだい児のお子さんのパワーの源になると思います。
「こんなに手はかけられない!」ということもあるでしょう。そんな時は、目と声をかけてあげることを大切にするとよいでしょう。
たとえば、「○○ちゃん、がんばってたね」「上手に書けたね」「よくできているね」と、たくさん声にして伝えてあげるようにしましょう。
無理にほめる、というわけでなく、「見えたことを言葉で伝える」ということが大切です。
そして、保育園、療育センター、病院、発達支援センターなど、頼れる人、場所を作りましょう。無理をせずに、しんどい時は周りに頼りましょう!
支援者から保護者、お子さんへの関わり方
保育園や幼稚園の先生、支援施設など、保護者やお子さんをサポートする立場の方も、「きょうだい児」へのフォローをしてあげられるとよいでしょう。
たとえば、「今日はこんな遊びをしていたんですよ」「今日はこんなことができましたよ」と保育中の出来事をたくさん保護者の方にお知らせしてあげましょう。
「良かったね!」「すごいね!」「優しいね」など
保護者の方からきょうだい児のお子さんに声かけがしやすくなりますから、きょうだい児のお子さんが褒められる機会を増やすことができます。
きょうだい児のお子さんに接する時は、
「上手に描けたね!これは、帰りにママに教えてあげるね!」
「椅子取りゲーム、最後まで残れて楽しかったね!これも、ママに教えてあげるね。」
などと声かけしてあげましょう。
「先生に褒められる」+「ママにも褒められる」と思うと、一層園での活動にも前向きになると思います。
きょうだい児への支援:まとめ
「きょうだい児」と一口にいっても、家族の構成や年齢、障害の程度やその特性なども様々かと思います。今回は、一般的なケースでお伝えしました。
きょうだい児であることは、必ずしもかわいそうなことや辛いことではありません。
障害のある弟さんを持つお姉さんは、大人になってから
「“小さいお母さん”」のように母に頼られることが嬉しくて、お世話なども頑張っていた記憶があります」
とおっしゃっていました。
一方で、「頼られることが嫌だった」というきょうだい児の方もいらっしゃるでしょう。
きょうだい児であることについてポジティブな感情もあれば、ネガティブな感情もあります。
時と場合によって感じ方も変わってきて、複雑な感情を抱えているきょうだい児もいるでしょう。
いずれの場合についても「1対1の時間を作る」「気持ちを言葉で伝える」ということが、子どもにとって嬉しいことです。
また、家庭以外の保育園や療育施設などをはじめ、家族が頼れる人・場所を確保することはとても大切です。
詳しくはホームページをご覧ください。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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