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お金を理解する前に買い物をするという考え方

  公開日:2017/09/04
最終更新日:2017/09/25

※この記事は約6分で読めます。

こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。
 
今日は、「買い物」について考えてみましょう。
 

 
買い物は、私たちの日常生活にとても身近な活動ですね。

自立した一人の大人として生活していくために欠かせないスキルです。
 
お子さんにとっても、

近所のコンビニやドラッグストアに一人で買い物に行けるというだけで

行動半径が広がり、ちょっとした気晴らしや生活の楽しさが生まれます。
 
ところで、買い物という活動に必ずついて回るのは「代金の支払い」。

一般的には、計算力や、お金についての理解が育ってからでないと

買い物をするのは難しいと考える方が多いようです。
 

 
もちろんそれも一理あるのですが、

「地域で生活していくために必要な能力=ライフスキル」として買い物を考えた場合、

お金についての理解は必ずしも必要ではないこともあります。
 
もっともっと柔軟に、楽しく自分らしく生きるスタイルの一つとして

買い物を捉え直してみませんか。

今回は、そんな「ライフスキルとしての買い物」についてご紹介したいと思います。

金銭理解よりも「買うこと」を優先しよう

前述のように、大人が子どもに買い物を指導しようとする時、

まずお金の価値を理解させた上で買い物指導をする、

というパターンが多く見られます。
 
ですが、目的が買い物なら、

「500円玉を一個持ってファストフード店にハンバーガーを買いに行く」

ということだってできるわけですね。

商品とおつりを間違いなく受け取ってくることを忘れなければ、

買い物体験を成功させることができます。
 

 
マッチングができるお子さんなら、

おつりで受け取るはずの金種を写真カードにしておいて、

実際のおつりと写真カードをマッチングさせることでおつりの確認ができます。

このマッチング活動を通して、金種や金額の理解を深め、

徐々に金銭感覚を身に付けていくという指導もできます。

実際の買い物体験を通しての学習ならば、ご本人のモチベーションも上がりやすいでしょう。
 

電子マネーも活用できます

最近はさまざまなお店でさまざまな電子マネーが使えるようになっています。

電子マネーを使う時には、金銭価値を理解する必要は特にありません。
 
発達の特性上、金銭理解が難しいと考えられるお子さんでも、

電子マネーのカードを店員さんに渡すだけでよいならば、可能性がぐっと広がるのではないでしょうか。

ただし、入金する金額の設定、持ち歩きの工夫、使用上限など、

お子さんの生活スタイルに合わせて大人がしっかりと検討しながら

導入を進めていく必要があるでしょう。
 

 

買い物先を限定するのも一つの手です

買い物の練習をする というと、

自由にどんなお店にでも入れる、どんなお店でも適切に利用できる、

という姿が最終的な目標になりがちですが、

ライフスキルとしての買い物については、

自宅や勤務先の周辺の、よく利用するいくつかのお店で買い物ができればまずは十分、

と考えます。
 
買い物先として選ぶのは、家族とともによく使用する地域のお店がよいでしょう。

スーパー、コンビニ、ドラッグストア、ホームセンターなど

「一つのお店で何でも揃う」タイプの買い物先を一つ獲得しておくと、のちのち便利です。
 
事前にお店の店長さん(可能なら従業員さんにも)にお話をして

買い物の練習をしたいこと、

お子さんの障害特性、

万が一困ったことが起きたら(パニックになって大声を出す等)どう対応してほしいか、

緊急連絡先、

などをお伝えしておきましょう。
 

 
また、大人が買い物に行った時にはできるだけお店の方に挨拶し、お子さんの近況報告をして

お店の方々と顔馴染みになり、お店の方々にもお子さんとお馴染みになっていただきましょう。

この小さな一歩一歩が、地域で生きるお子さんの生活基盤をつくってくれます。
 

他者からの買い物依頼にも応えられるように練習しよう

ライフスキルとしての買い物では、

最初は自分の好きなものを買うところからスタートし、

徐々に家族からの買い物依頼に対応できるように練習していけると理想的です。
 
自分の好きなものを買うついでに他のものを買うなどして、

買い物の種類を増やしていくとよいでしょう。

お店の写真つきのチラシに丸をつける、

お店の陳列棚の写真を撮る(事前にお店側に許可を得ましょう)、

など、視覚的な商品メモを作るとわかりやすいでしょう。
 

 

デジタル機器も活用しよう

発語がない方、他人に声をかけることが難しい方などには

スマホやタブレットを持ち歩いて

「○○をください」と文字や写真で店員に提示する方法も効果的です。
 

 
買いたいものを写真で示されれば店員にはすぐに意図は伝わります。

人間関係が構築できていれば、こちらからお財布を渡して、

必要なお金を取ってもらうこともできるでしょう。
 
一言も話せなくても、お金の価値がわからなくても、

たとえばスマホが1台あるだけで、ほしいものを買って帰ってこられる。

ライフスキルとしての買い物とは、こういう姿のことだろうと思っています。
 

 
ライフスキルとしての買い物ができるようになると、

自分一人で行動できる誇りや喜び、達成感を味わい、

生活に意欲的になる方は少なくありません。
 
自発的に硬貨の種類分けを始めたり、おつりの間違いに気付いたり、

手持ちの金額であとどのくらい買えるかが何となく分かったりと、

お金についての学びが自然と深まっていくことも。
 
そこから金銭理解が可能になれば、大人になってから、

レストランで食事をする、映画やコンサートを楽しむ、スポーツを観戦するなど

余暇活動を広げていくことも期待できます。

お金の価値が理解できれば、働いて賃金を得る就労意欲にもつながります。
 

 
こんなふうに、「まずは買い物をしてみる」ことからお金の学習を始めるのも、

楽しく学びを深めるためには効果的な方法の一つだと思います。

ライフスキルとしての買い物活動を、ぜひお子さんとご一緒に楽しんでみてくださいね!
 
それでは、また。
 

 
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