こんにちは、四谷学院の生田です。
10月10日というと、以前の体育の日が思い浮かぶ方が多いかもしれませんが、最近では世界メンタルヘルスデーとして知られるようになってきました。
イベント当日は、東京タワーが銀色にライトアップされます。これはシルバーリボン運動にちなんだカラーなんです。
今回は、シルバーリボン運動、そして世界メンタルヘルスデーについてご紹介します。
目次
シルバーリボン運動
シルバーリボンとは、「脳や心に起因する疾患(障がい)およびメンタルヘルスへの理解を深め促進することを目的とした運動のシンボル」です。
こころが元気だと、心が軽くなったり、穏やかな気持ちになったり、やる気がみなぎってきたりします。
こころが健康な状態にあるということは、こうしたことを言います。
ですが、日常生活を送る中でストレスがかかると、気分が沈んだり、落ち込んだりしてしまうものです。
そして、過度なストレスがかかり続けると、こころの健康を保つことが難しくなってしまいます。
こころの不調は、周りから気付かれづらかったり相談しづらかったりするものですが、お互いの変化に気付ける、気軽に相談ができる、そんな人とのつながりが予防につながります。
元々、アメリカのカリフォルニア州に住む弁護士ジーン・リーシティ氏の息子さんが統合失調症になり、家族が偏見や差別に苦しむようになったことがきっかけでした。
そこで、リーシティ氏は、「Schizophrenia(統合失調症)に対して理解を示します」というメッセージを込めた銀色のリボン(シルバーリボン)を作り、それを協力者につけてもらうことで周囲への理解を広めようとしました。
そうして1993年に始まったシルバーリボン運動は、やがてアメリカ全体に広まるようになり、
「脳や心に起因する疾患(障がい)への理解を深めます」
という想いが込められた運動へと発展していきました。
その後、2002年に行われたアカデミー賞授賞式で統合失調症の主人公が苦節を経てノーベル賞を受賞するという作品「ビューティフル・マインド」が監督賞・作品賞に選ばれた際、ロン・ハワード監督がシルバーリボンを身に付けていたことを機にシルバーリボン運動は世界に広まるようになりました。
同年、日本では、リーシティ氏からの依頼を受けた現特定非営利活動法人シルバーリボンジャパン会長の栃久保氏が福島県でシルバーリボン運動をスタートしました。
2007年には、横浜にも事務局が設立し、今現在は福島県と横浜市の事務局が一緒に国内でのシルバーリボン運動を推し進めています。
シルバーリボン運動の公式サイトからは、シルバーリボン運動への個人としての賛同登録や公式啓発グッズの購入などができます。
▼シルバーリボン運動公式サイト
https://www.silverribbon.jp/
世界メンタルヘルスデー
1992年、世界精神保健連盟がメンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として、10月10日を「世界メンタルヘルスデー」と定めました。
その後、世界保健機関(WHO)も協賛し、「世界メンタルヘルスデー」は正式な国際デー(国際記念日)となりました。
2021年も「つながる、どこでも、だれにでも」というスローガンのもと、メンタルヘルスについての関心を高めるとともに、メンタルヘルスについて考えるきっかけとなるよう、各種イベントが企画されています。
向き合うと、変わりはじめる写真展
精神疾患・メンタルヘルスの啓発を目的とした写真展が行われます。
期間:10月8日(金)~10月10日(日)10:00~18:00
場所:東京タワー フットタウン 2F シルバーリボンジャパンブース
参加費:無料
東京タワー シルバーライトアップ
日本のランドマークである東京タワーをシルバーにライトアップすることで、シルバーリボン運動を推進するとともに、メンタルヘルスについて考え、
こころの健康に欠かせない“人とのつながり”を大切にするきっかけになるように、という思いが込められています。
日時:10月10日(土)
17:30~ YouTube Liveによるライブ配信(※)
17:45~ 点灯式
18:00~ ライトアップ
※視聴方法:世界メンタルヘルスデーJAPAN 2021(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/mental_health_day/)より
対談
スポーツ選手の方たちによる対談の様子がYouTubeで生配信されます。
日時:10月10日(土)15:00~16:00
視聴方法:世界メンタルヘルスデーJAPAN 2021(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/mental_health_day/)より
各種イベントなどの詳細や最新情報は、公式サイトでチェックしてくださいね。
▼世界メンタルヘルスデーJAPAN 2021
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/mental_health_day/
関連イベント
ほかにも世界メンタルヘルスデーに合わせた関連イベントが実施されます。
全国精神保健福祉普及運動期間
期間:10月11日(月)~10月17日(日)
詳細:精神保健福祉普及運動 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179322.html
地域社会における精神保健及び精神障害者についての理解を深め、精神障害の早期治療~社会復帰、そして自立と社会参加を促進する運動です。
各都道府県で、全国精神保健福祉普及運動期間を中心に、精神保健福祉について地域住民等に対して正しい知識の普及や理解の促進を目的に様々な取り組みが行われます。
第68回精神保健福祉全国大会
日時:10月15日(金)13:30~15:30
場所:埼玉県
開催形式:You Tube配信(※事前申込制)
詳細:第68回精神保健福祉全国大会について 埼玉県
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0705/seisin/68zenkokutaikai.html
心のつながりについて考えてみよう
「メンタルヘルスと聞いてもなかなかイメージがわかない」、「自分とは無縁に感じる」という方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、あまり深く考えすぎず、自分の周りの人達にあいさつをする、「最近どう?」と声をかけるなど何気ない会話をするなど、ちょっとした行動を起こしてみるが誰かのこころの健康を守ることにつながるかもしれません。
「自分を気にかけてくれている人がいる」ということが、こころの栄養になります。
「髪の毛を切ったのに誰にも気付いてもらえないな~」と思っていたら、「あれっ?髪、切った?」と気付いてもらえて嬉しかった、という経験のある方も多いのではないでしょうか。
世界メンタルヘルスデーをきっかけに、ぜひこころのつながりについて考えてみていただければと思います。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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