ソーシャルスキルとライフスキルの違いとは?【ライフスキルについて解説】

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こんにちは、四谷学院の発達障害児支援士の発田です。

発達障害のある子どもの場合、ソーシャルスキルやコミュニケーションが課題とされることが多くあります。
私たちが自立した人間として日々を過ごしていくためには、ソーシャルスキルに加えて最も基本的な生きるためのスキルが必要です。
社会の中でスムーズに暮らしていくためのスキルを総称して、ライフスキルと呼びます。

ソーシャルスキルとライフスキルの違いとは、どんなものでしょうか?
この記事では、2つのスキルの違いと、発達障害のある子どもとご家族に向けて家庭でできるライフスキルトレーニングについて解説します。

発達障害児の「障害特性」

「発達障害」と一言でくくられますが、実際にはたくさんの種類がありますし、あらわれる特性も様々です。
言葉の発達の遅れや対人関係が苦手で、こだわりが強く集団行動に参加するのが難しいといった特性のある自閉症スペクトラム(ASD)、不注意・多動性・衝動性の3つの症状が特徴的な注意欠如多動性障害(ADHD)、全般的な知的発達に遅れはなく、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどのうち、特定の能力の習得や使用に著しい困難がある学習障害(LD)などがあります。

併発するものもあり、似たような症状が起こるために専門医でなければ判断はできません。また、年齢や環境により目立つ症状が違ってくるので、診断された時期により、診断名が異なることもあります。
また、同じ障害名だからと言って同じように特性が表れるわけでもなく、一人ひとりにあらわれる特性は多様と言えます。

発達障害は、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい障害です。発達障害の詳しい原因はまだよくわかっていませんが、先天的、つまり生まれつきの脳機能障害であるとされています。親の育て方や愛情不足などという後天的な要因ではありません。
小さい頃から、その症状が色々な形であらわれます。早い時期から周囲の理解が得られることで、能力を伸ばしていくことができます。そのためには、お子様の発達段階に合わせた療育といった必要な支援、そして環境の調整が行われることが大切です。

ライフスキルとは?

それでは、ライフスキルとはどんなものでしょうか?

日常生活に生じるさまざまな問題や要求に対して、より建設的かつ効果的に対処するために必要な能力WHO(世界保健機関)

さらに、具体的なスキルとしては、以下の10個が挙げられています。

意志決定/問題解決/創造的思考/批判的思考/効果的コミュニケーション/対人関係/自己意識/共感性/情動への対処/ストレス対処

ここでそれぞれについて細かくは解説しませんが、これらのライフスキルを育てていくことで、くらしていく中で困った時に自分で考えて対処したり、周りの人と協力して問題を乗り越えたり、自分らしく生きるために、相手に自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちを感じたりしていきます。

たとえば部屋を片付けるといった、実務的なスキルを身に付けて毎日を滞りなく生活でき、そして豊かな生活経験を重ねられるように、ライフスキルを高めていくことは、子どもたちのQOL(生活の質)を高めるために欠かすことができません。

身に付けていくべきライフスキルとは?

子どもたちは、日々の生活の中でライフスキルを身に付けながら成長していきますが、発達障害のあるお子さんにとって自然な習得が難しいスキルもあります。
たとえば「うがいの仕方」や「質問の仕方」など、多くのお子さんが日々の中で自然と身に付けていくスキルであっても、丁寧に繰り返し説明しないと身に付けにくいケースも見受けられます。
もちろん、障害の有無にかかわらず、お子さんによって得意不得意はあります。

だから、
トレーニングが必要となるスキルやトレーニングの仕方、アプローチ方法は、一人ひとり異なるのです。
「発達障害」というひとくくりにせず、それぞれのお子さんに適したトレーニングを見つけていくことも大切なことです。

ソーシャルスキルとの違い

ソーシャルスキルとは、社会的ルールや場面に応じた会話・行動ができる能力を言います。ソーシャルスキルを身に付けることで、私たちは社会の中で自立し、主体的に人と関わりながら生活していくことができます。発達障害のある子どもの場合、このソーシャルスキルが課題とされることが多くあります。人と関わっていくことは、生活していく上でとても大切なことです。

しかし、人と関わることはできるけれど、ゴミを片づけたりきれいに掃除したりできなければ、きっと「生活の質が高い」とは言えないのではないでしょうか?
四谷学院のライフスキルトトレーニングの講座では、ソーシャルスキルを含めて、自分の力で暮らしていくためのライフスキルについて扱っていきます。

ただし、すべてが一人でできることがゴールではありません。そのお子さんごとに大切になるライフスキルはそれぞれです。
たとえば、野菜を切って煮るなどの調理ができなくても、お湯を沸かすことができる、電子レンジが使える、あるいは誰かに協力を得ることができる、といったお子さんができる範囲での必要なスキルを学んでいただけるようにしています。

家庭でできるライフスキルトレーニング

学校や療育施設で行うことができるトレーニングと、ご家庭でできるトレーニングは全く同じではありません。療育の専門家によって行うことのできるトレーニングもあれば、ご家庭だからこそ取り組めるトレーニングもあるでしょう。

なによりも、お子さんが一番安心して過ごせるのがご家庭であり、一番信頼しているのが家族です。
家族で取り組むライフスキルトレーニングは、お子様だけでなくご家族が楽しく穏やかに過ごすためのものでもあります。
保護者様が正しい知識をもって、お子様の特性への理解を深めていくことで、過剰な心配や不安から自由になることができるでしょう。そして、家庭で負担の少ないトレーニングを実践していただければ、取り組みやすく、継続しやすいので、成果も期待できます。

お子さんが「家」という安心できる場所で、保護者とのふれあいを通してライフスキルを身につけていくこと、お子さんも保護者様も、よりよい時間を過ごすことができることを四谷学院は一番大切にしています。

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