「発達障害のある友達」との関わり方を子どもに教えていくには

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こんにちは、55レッスンの生田です。

2012年の文部科学省の調査では、公立小中学校の通常の学級にいる「学習面又は行動面で著しい困難を示す児童生徒」の割合は約6.5%とされています。
1クラス40人であれば、クラスに2~3人は発達障害の可能性のあるお子さん、何らかの支援を必要としているお子さんがいることになります。

クラスに発達障害かもしれない子がいたら

保護者の方であれば、授業参観に行ったり、お子さまからの話を聞いたりしていると、
「あの子、もしかしたら発達障害かも?」
と思うことがあるかもしれません。
それがちょっとやんちゃな子だったりすると、
「うちの子、大丈夫かな」
と心配になってしまうかもしれませんね。

もしかしたら、お子さまから
「朝、歩いてるところを抜かしたら、急にドンって押された」
といった相談を受けたりするかもしれません。
だからと言って「一緒に遊んじゃダメ」と言うのも違う気がしますよね。

一人ひとりの個性を尊重する

発達障害のある子どもの場合、頭ではダメとわかっていてもつい体が動いてしまうなど、本人が努力をしてもうまくいかないことがあります。
そのため、子どもやその保護者を責めても、問題は解決できません。

ちょっと行動が目立つ子どもがいると、保護者のネットワークではその子の気になる情報ばかりが広がっていきます。
つまり、「ちょっと問題があるよね」「ちょっと気を付けなきゃいけない子だよね」といった感じです。

しかし・・・
不適切な行動を起こしてしまうのには、その子なりの理由があります。

行動の理由

たとえば、感覚の過敏さや認知の偏りから、ちょっとぶつかってしまったのを叩かれたと勘違いしてしまう、といったことがあります。
「なんでそんなことするの!」
と叱っても、本人としては
「悪いことをしたつもりはないのに、また怒られた・・・」
となってしまいます。
自分はダメだ、自己肯定感が下がる一方で、どうせ努力しても仕方がない、とまで感じてしまう可能性もあります。

その子自身が本当は支援を必要としている子どもかもしれないのです。

「当たり前」は難しい

学校生活の中では、他の子ども達に埋もれて「当たり前」とみなされることであっても、その子にとっては相当の努力を伴うことである場合もあります。

・授業中、席に座ってじっとしていられる
・先生やお友達に元気にあいさつができている
・教科書を忘れた友達に見せてあげる
・なくしたものを一緒に探してあげる
・ニコニコして友達の話を聞いている
・給食を残さず食べる
・休まず学校に通っている
など

こうした“いいところ”の情報を積極的にキャッチしていけると良いでしょう。
できないことが目立つ子どもでも、良いところは必ずあります。

では、お子さまにはどう伝えるか?
たとえば・・・

「○○君はあなたにぶつかられたって勘違いしちゃったのかもね」
「『急いでたから抜かしただけだよ。なんで押したの?』って聞いてみるといいかもね」
と、相手の事情に寄り添うような言葉かけをするよう伝えます。

困った時は、先生に相談を

もちろん発達障害があるからと言って、乱暴をしていいことにはなりません。していいこと・ダメなことは、はっきりしないといけません。
ですが、子ども同士や保護者間では、解決がスムーズにいかないこともあります。

こうした時は、初めから担任の先生に相談をしましょう。
第三者に入ってもらい、事実関係を整理することで問題点が見えてきます。相手側の子どもに働きかけてもらうとともに、どう接すればトラブルが起きにくくなるか模索していきましょう。

お子さまにも、
「学校で困ったことがあったら、先生に相談するんだよ」
「手を出されたから攻撃し返すんじゃなくて、自分を守ることを考えるんだよ」
と、何かあったら大人に助けを求めることを教えておきましょう。

共生社会はここから始まる

インクルーシブ教育が進む中、クラスには様々な個性を持った子ども達がいます。
中には、「変わった子だな」とあなたが感じる子どももいるかもしれません。その個性を排除するのではなく、肯定的に受け入れる方法を考えていくことにこそ、インクルーシブ教育の価値があるのではないでしょうか。

インクルーシブ教育は、誰もが自分らしく生きられる“共生社会”の基盤となります。そんな環境で過ごす子ども達に、大人が負の価値観を与えるのは望ましくありません。子どもの身や心は守りつつ、子どもが明るい未来につながる価値観を形成していけるよう、見守っていきましょう。

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