こんにちは。四谷学院の療育通信講座ブログ担当necoです。
さて、このブログを読んでいるあなたに質問です。
自分の内面を表現する ことが苦手な人、いませんか。
あなた自身も苦手かもしれませんし、あなたの周囲にもそういう方がいらっしゃるかもしれませんね。
自己表現が苦手
ちょっとnecoの昔の話を・・・
necoも、小さい頃は本当に心の底から、自己表現が苦手でした。
超ネクラで、自分のペースを乱されることが苦手で、人に自分がどう見られているかを猛烈に気にしていたのでなるべく目立たないように、小さく小さくなって過ごしていました。明るくて元気いっぱいで、物怖じせずに自分から発信できる友達を見ると本当にうらやましくて、なんであの子にはあんなことができるんだろう? と愕然とするような思いでいたことをよく覚えています。
あの頃の私と同じような気持ちで過ごしているお子さんも、きっと少なくないんじゃないかな、、、 と思っています。
自信のない子が自分の気持ちを表現するには
人は誰でも、多かれ少なかれ、性格に幅があるものですが
発達障害のお子さんの中には、極端に人懐こかったり、極端に自分の殻に閉じこもったりする方がいらっしゃいます。積極的に人と関わりを持つことができるお子さんへの支援は比較的簡単です。でも、全く自己発信ができない、人と関わりを持つことを避けたがる、といったお子さんには、アプローチの糸口が見つけにくく、大人も支援に困ってしまうことがしばしば。
そこで今回は、自分の気持ちを説明することが極端に苦手なお子さんのための支援方法をご紹介します。
気持ちを引き出すYES-NO支援
今回ご紹介するのは、「YES-NO質問」を使った支援方法です。
「YES(はい)」と「NO(いいえ)」だけで回答できる質問を投げかけてお子さんの本当の気持ちに近づいていく試みです。
たとえば、お子さんが泣いていたとします。
この時、「どうしたの?」と質問してしまうと、答えるのはハードルが高い課題になります。
「○○君が僕の鉛筆を取った」などと、涙の理由を言葉で説明しなければならないからです。
そこで、以下のように問いかけてみましょう。
「具合が悪い?」 ⇒ (NO)
「お友達に嫌なことをされた?」 ⇒ (YES)
「叩かれた?」 ⇒ (NO)
「何か取られちゃった?」 ⇒ (YES)
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このような形で質問を進め、最終的には 「○○君に鉛筆を取られちゃったから泣いているんだね」 と、気持ちをまとめてあげましょう。
言葉で表現するのが苦手なお子さんには、首を振る、YES-NOカードを使うなど、ご本人が表現しやすい方法を工夫してあげると良いでしょう。
上の例でもご想像がつくかと思いますが、YES-NO質問でお子さんの気持ちを引き出すには、うまくその子の気持ちを掴めるような質問を工夫する必要があります。日頃からよくお子さんのご様子を確認して、想定される状況を把握しておくとスムーズです。
豊かな心の世界を信頼しよう
どんなに物静かで落ち着いているように見えるお子さんでも、どんなに感情を動かさないように見えるお子さんでも、じっと黙ってクラスについてくるお子さんでも、心の奥には豊かな内面世界が広がっています。
彼ら・彼女らは、ただ黙っているだけ、うまく表現できないだけで、何も思っていないわけではありません。
もしかしたら、表現したい気持ちがうまく心の扉を出られずに、扉の内側で足踏みしているのかもしれません。
私たち大人が、子どもたちの心の扉を開くために、ほんのちょっとしたお手伝いができれば嬉しいですね。
少しでも多くのお子さんが、安心して自己表現できるように。
あるいは、自己表現をしないという道も積極的に選択できるように。
55レッスンも、心から応援しています!(^ ^)
それでは、また。
55レッスンのD~G段階「生活・ソーシャルスキル」の科目では、プリント教材を
使いながら、段階的にコミュニケーションの仕方を学んでいきます。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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