発達障害の子の見えづらさに対応するには

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こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。

前回のブログでは、発達障害の子が持つ「見えづらさ」について、代表的なものをご説明しました。

第1回目の記事はこちら 発達障害の子が持つさまざまな見えづらさ
第3回目の記事はこちら 発達障害の子の見やすさを支える環境づくり

見えづらさの原因になっているのは、

視力の弱さ、
同時に複数のものを読み取れない、
視覚認知の力が弱い、

この3つでした。

今回は、その見えづらさをどのようにサポートすればよいかを考えてみましょう。

視力の弱さへのサポート

この場合、専用のメガネをかける等のサポートなしに、環境を整えることだけで見えにくさを改善するのは難しいと考えられます。
基本的には、専門家の下での治療を行っていることを前提に、家庭や教育現場での支援を行いましょう。

文字を大きく書く

最も基本的で簡単に行える支援です。
特に低学年のお子さんにとっては、視力に問題がなかったとしても見やすさにつながります。

手元で示す

最前列に座っても黒板が見えにくい場合は、自席で板書内容を確認できるようにすると良いでしょう。
学校では、先生が黒板に書いた内容がそのまま手元のパネルに表示されるICT機器を活用するのが理想的です。
家庭では、ノートと鉛筆の代わりにスケッチブックとマーカーを使うと見やすくなるでしょう。

同時に複数のものを読み取れない

目に入る情報を整理してあげるのが原則です。
たとえば、1行なら読めるが複数行になると読めなくなる場合は、

○文章を1行ずつ示す
○文章を1行ずつ網かけする
※網かけとは、こういうふうに 文字の上に色をかぶせることです。
○厚紙や定規などで今読んでいる行以外を隠す

などのサポートが考えられます。

また、1文字なら読めるが連続した文字になると読めなくなる場合は、

○分かち書きをする
※分かち書きとは/こういうふうに/意味の区切りごとに/空白や/斜線を/入れることです。
○絵カードなどを使って単語を素早く読み取り、それが表すものをイメージする練習をする

などのサポートが考えられます。
いずれも、お子さんの様子を丁寧に観察しながら、ご本人に合う働きかけを試行錯誤するのがとても大事です。
文章を隠す定規の質感ひとつ、網かけする色ひとつで、読みやすさがガラッと変わってしまうこともあるんですよ。

視覚認知の力が弱い

見えないのが文字なのか、数字なのか、情報の判別が難しいのかなど、お子さんの状況によって働きかけを工夫します。

文字を練習する

少なくともひらがなを全て読み取れる状態でないと、普通級の授業についていくことは困難が大きいと考えられます。
まずは文字を一つずつ習得するところから練習を始めましょう。
学習時には、すでに習得した文字を使った課題を行います。
たとえば、ひらがなの清音のみを習得した段階では、特殊音節を含む言葉は課題に使わないようにします。

その他

情報の判別が難しい場合のサポートについては、次回のブログで書いてみましょう。
見えづらさがあるお子さんに広く対応できる方法です。

次回は、「見えやすさ」「読みやすさ」を支える環境の整え方を書いてみます。
それでは、また!

第1回目の記事はこちら 発達障害の子が持つさまざまな見えづらさ

第3回目の記事はこちら 発達障害の子の見やすさを支える環境づくり

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