こんにちは、四谷学院の生田です。
四谷学院の療育プログラム(55レッスン)の受講生の方から、こんな質問をいただきました。
一つひとつ指示しないと動けないし、ちょっと目を離すとボーっとしていたり、遊んでいたり……
自分で動けるようになるんでしょうか? (働くママさん)
イライラして、朝から子どもを怒鳴ってしまって、お母さんも自己嫌悪になってしまい、どうにかしたい!と思っていらっしゃるんです。
そこで今回は、朝の支度をスムーズにするための3つの方法についてお伝えします。
「朝のリスト」をつくろう
何から手を付けていいかわからなくてもぼーっとしてしまう。
思いついた順にやってしまい、途中でほかのことに気を取られてしまう。
やりたいことを優先していまう。
お子さんはそんな状態にあるかもしれません。もしも、一つひとつ指示すればできる、ということであれば、「朝のリスト」が有効かもしれません。
朝、やるべきしたくの手順のリストを作りましょう。そして、お子様の目につきやすい場所に掲示するとよいでしょう。
文字だけでなく写真やイラストなどを用いるとわかりやすいと思います。端的にお子様に伝わりやすい方法を色々試してみましょう。
お子様それぞれの特性にもよりますが、視覚支援によって改善が期待できるケースも多いんです。できた項目に○をつける、シールを貼るなどするとモチベーションを高めることができますね。
歯磨きや着替えなど、指示されなくても自分でできるようになることが、自立への第一歩ですね。
言葉がけを変化させていこう
確実にお子様に動いてほしくて、一つひとつ明確に指示を出していらっしゃるお家庭も多いと思います。
例えば、
「次は、くつ下をはいて」
という具体的な指示ですね。
この言葉かけを、少し変えていきましょう。
「次は、何をするの?」
お子様自身で行動を考えさせることがポイントです。
いきなりだと「わからない」と言われてしまうかもしれません。
「なんだっけ、靴下?手袋?」
という風に、言葉がけに徐々に変化させていくとよいでしょう。
また、ボタンやファスナーなど、発達特性などに由来するスキルの問題ではなく、「なぜか、いつもここまで来たら手が止まる」というタイミングがあるかもしれません。
このタイミングに声をかけるのがベスト!
なんだかわからないけど、止まっている・・・というタイミングを見つけて
「手が止まってるよ」
「次はどうする?」
とお子様自身の気づきを促すような声かけをするとよいでしょう。
時計やタイマーを活用しよう
発達障害をもつお子様、特に低年齢の場合には、時間の感覚がつかめていないためにテキパキ動くことが難しいという要因が考えられます。
そのような場合には、時計やタイマーを使って制限時間を提示するのも一案です。残り時間がどれくらいかわかりやすいものを使用するとよいでしょう。
「長い針が3のところに行くまでに、着替えてね」
「タイマーが鳴ったら、今度は歯みがきだよ」
「あと10秒!10.9・・・・」
ここでのポイントはただ急かすのではなく、楽しい雰囲気を保ったままプレッシャーをかけるということです。
大人の場合でも「早く早く!」と言われると焦って失敗してしまうこともありますね。実際には早くする必要はなく、「時間の感覚」をつかむために残り時間を知らせているので、ゲーム感覚で進めるとよいでしょう。
また、動き回ってしまって何をすべきか忘れ遊び出してしまう場合は、紐などで丸をつくって留まるべき場所を提示し、着替え終わるまではそこにいるように促すのもよいかもしれません。
タイルカーペットであれば「ここの赤いタイルの中で着替えてね」というように声を掛けます。
こうしたルールは、意外に面白がって、生真面目に守ってくれるお子様も多いのでぜひ取り入れてみてくださいね。
ほかにも、お子様によっては、目や耳からの刺激が多くて集中できないというケースもあるので、集中しやすいよう環境設定、環境調整を行ってみるとよいでしょう。
テレビがついていたら消す、家族が小さい声で話す、寝室で着替えまで完了させてからリビングに来る…などなど、家庭の状況に応じて工夫しましょう。
まとめ:朝のしたくをスムーズにさせるには
「朝の身支度」と一口に言っても、食事、歯磨き、着替えなどやるべきことはたくさんあります。
ちょっとでもうまくできた部分、スムーズにいった部分があれば、お子様を褒めてあげましょう。
お困りのことがあれば、お気軽にご相談くださいね。
55レッスンの内容について詳しくはホームページをご覧ください。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
コメント