負けても泣かない!遊びでパニックになるお子さまへの効果的なアプローチ

※この記事は約4分で読めます。

こんにちは!
四谷学院の発達障害児支援士、発田(はった)です。

「ゲームで負けたり、鬼ごっこで捕まったりすると、泣き叫んでパニックになってしまう」

発達支援の現場やご家庭で、このようなお悩みを抱える方は少なくありません。本記事では、「負け」や「失敗」を受け入れるのが苦手なお子さまへの具体的な対応方法について、発達支援の理論に基づいた実践的なケーススタディをご紹介します。大人の行動を少し変えるだけで、お子さまが感情をコントロールしやすくなることも多いんです。ぜひ、試してみてくださいね。

よくあるお悩みQ&A

Q. 鬼ごっこで捕まるなど、遊びの中で「負け」を経験すると激しく泣き叫んでしまいます。どう対応すればよいでしょうか?
A. 「負ける」「捕まる」など、思い通りにならない状況での感情のコントロールが苦手なお子さまには「負けたときにどう振る舞えばよいか」という具体的なモデルを大人が先に見せてあげることが効果的です。言葉で「泣かないの!」と注意するのではなく、大人が自ら失敗して見せ、前向きに切り替える姿を見せることで、お子さまは適切な対処法を具体的に学ぶことができます。

ここで、四谷学院の「発達障害児支援士資格認定講座」を受講されたR.N様のケーススタディ(体験談)をご紹介します。

【実践事例】受講生 R.N様の体験談
鬼ごっこで捕まると泣き叫んで嫌がることが予想できたため、私が先に捕まって(失敗して)見せました。その際、ポジティブに気持ちを切り替えられるセリフを工夫して言って見せたところ、その子は自分が捕まっても泣かずにいられました。

※本エピソードは受講生個人の体験に基づくものであり、すべてのお子さまに同様の効果が見られるとは限りません。

【解説】なぜこの対応が効果的だったの?

R.N様の対応について、発達支援の観点から、ポイントを2つに分けて解説します。

1.「見通し」が持てたことで、捕まる恐怖が安心に変わった

鬼ごっこで捕まってパニックになってしまうお子さまは、単に「負けて悔しい」という気持ちだけでなく、「捕まった後、自分がどうなってしまうのだろう」という先の見えない不安や恐怖を強く抱えていることがよくあります。

今回、R.N様はあえて先に捕まる姿を見せ、「あーあ、捕まっちゃった!よーし、次は鬼だ、追いかけるぞ!」のように明るく振る舞い、そのまま遊びを続ける様子を実際に見せました。これを見たお子さまは、「捕まっても何も怖いことは起きないんだ」「ただ鬼の役割を交代するだけなんだ」と明確に理解できたのだと推察されます。

この「次に何が起こるかが分かる」という安心感、つまり「見通し」を持てたことが、パニックを起こすことなく落ち着いて遊びを続けられた大きな理由だと考えられます。

2.「モデリング(観察学習)」によって、具体的な行動を学習できた

子どもにルールや負けたときの態度を教える際、「捕まっても泣かないでね」「次はあなたが鬼になるんだよ」と言葉だけで説明しても、頭の中で処理しきれずうまく伝わらないことが多々あります。今回非常に効果的だったのが、他者の行動を見て学ぶ「モデリング(観察学習)」というアプローチです。

R.N様の様子を観察したことで、お子さまは「鬼ごっこの全体の流れ」や「捕まったときにどう振る舞えばいいのか」を、視覚と聴覚から同時に、そして具体的に学ぶことができました。その結果、お子さまはどうしていいか分からず泣いて暴れる代わりに、「大人と同じようにセリフを言って、自分が鬼になればいいんだ」とスムーズに学習でき、行動の改善につながったのだと考えられます。

まとめ

遊びの中で「負け」や「失敗」を受け入れる経験は、子どもが社会のルールを学び、自身の「感情を調整する力」を育むための非常に重要なステップです。

パニックを起こしてしまうお子さまは、決して単なるわがままで怒っているわけではありません。「負けた後、自分がどうなってしまうのか」という不安や、「あふれる悔しさをどう処理し、どう行動すればいいのか」という具体的な対処法を知らないために混乱しているケースがほとんどです。

大人が「失敗しても怖いことは起きない」「こうやって気持ちを切り替えれば、すぐに楽しく遊び直せる」という具体的なモデルを体現することで、適切な振る舞い方を自然に吸収しやすくなります。「大人が率先して行動で見せるサポート」、よろしければぜひ日々の遊びの中に取り入れてみてくださいね。

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