こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。
わたくしnecoの息子は、科学の実験教室に通っています。
教室には3台のテーブルがあり、1台につき3~4人の児童と、1~2人の先生がつきます。
元気いっぱいで賑やかな男の子たちを集めた机には経験豊富な先生が2人つき、大人しい女の子が多い机には若い先生が1人つき、といった具合に、人柄をなかなかよく見極めた配置になっています。
(ちなみにnecoの息子は、大声で騒ぐことはしませんが、自分の話したいことをトコトンまでしゃべってしまうタイプなので、先生のすぐ傍に席が設置されました。^^;)
教室はガラス張りになっていて、中の様子がよく見えます。
(先生たち、こんな状態でよく緊張せずに授業ができるなあと思います。プロですねえ。)
子供たちの実験が終わるまで、保護者は外の廊下で待機しています。
ある日の教室運営
さて、ある日の教室運営で、ちょっと気になったことがありました。
それは、賑やか組の机に編入されている、一人の男の子の態度についてです。
先生が「○○についてわかる人、いるかな?」「○○はどうなっているかな?」などとクラス全体に問いかけると、その男の子は必ず、廊下まで響き渡るような大声で、真っ先に答えます。
彼はしっかりした知識を持っているようで、その答えはほぼ100%正解です。
ところが先生の立場からすると、正解が出たらそれでいいという訳にはいきませんね。
一人の意見だけで授業を回すわけにはいかないし、他の子にも回答のチャンスを与えたいはずです。
でも、いつでもその男の子が真っ先に答えてしまうので、他の子は答える気をなくすか、答えがすでに耳に入ってしまっているので答える意義がなくなるか、どちらかの状況に陥っているように見えます。
先生、困る・・・
先生たちも内心ではこの状況に困っているようでした。
男の子の発言をそれとなく無視して、他の子に発言を促します。
男の子にしてみれば、これで満足できるはずがありません。
先生になんとか振り向いてもらおうとして、ますます大声で答えを叫び立てるのです。
このような状況は、決して珍しいものではありません。
保育園や幼稚園、学校、お稽古事など、子供たちの集団行動の場面ではしばしば見られます。
多くの先生方は、大声で答える子を軽く無視する、たしなめる、意図的に他の子に発言を促す、といった方法で、それとなく場面に求められている行動を伝えることが多いように思います。
ところで、発達障害の子供たちには、このような暗黙の指示は全く意味がないことはご存知の通りです。(^ ^)
定型発達の子供たちであっても、先生が無言のうちに伝えていることの意味を正確に受け取るには、かなりの時間がかかるでしょう。
三方得の方法?!
こういう時にはもっと良い方法があります!
真っ先に発言したい子の意欲も満足させ、先生も授業運営にイライラせず、他の子にも考えるチャンスを与える、三方得の方法です(*^^*)
それは、「逆メガホン作戦」!
メガホンの大きな口から子供が小声で発言し、大人はメガホンの小さな口を耳に当てて聞き取ります。
たったこれだけです。
回答者の発言内容はクラスに聞こえないので、クラスのメンバーが考える邪魔をしません。
真っ先に答えたい子、こだわりの強い子、一番や勝ち負けにこだわる子など、特性のある子も満足しやすい方法です。
メガホンというモノの存在感が楽しさを呼び、普段なかなか発言できない子にも意欲を持ってもらいやすくなります。
人前で発言するのが苦手な子、間違いを恐れる子など、不安の強い子にも効果的です。
折りがあれば、息子の先生にもお伝えしてみようと思っているところです。(*^^*)
あなたやあなたのご家族の支援のご参考になれば幸いです。
それでは、また!
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このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
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