夏休みなどの長いお休みには、久しぶりにお孫様が遊びに来て、一緒に過ごされるおじい様・おばあ様も多いのではないでしょうか。お孫様の顔を見れるのは、とても嬉しいものですよね。
その一方で、お孫様と接する中で
「娘がこのくらいの時は、もうしゃべってた気がする」
「上の子の時となにか違うな」
という風に、「あれ?」と感じるものの、なんとご両親に伝えたらいいのか悩まされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、お孫様に気になる様子があったとき、祖父母の方ができることについて解説していきます。
もちろん、対応法には正解があるわけではありません。あくまでも「こういう方法もあるんだな」という風に、1つの参考にしていただけると嬉しいです。
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やってはいけないことはある?
お孫様について、少しでも気になる様子があったら、ご両親にいろいろと質問をしたくなりますよね。
でも、だからといって
「まだハイハイできないのね」
「言葉は出るようになってきた?」
などとむやみに気になったことを指摘するのは禁物です。
というのも、前提として、子どもの発達のスピードは、一人ひとり異なるものだからです。
ハイハイせずにいきなり歩き始めた、というケースもありますし、言葉がなかなか出ないな、と思っていたら、ある日突然、「ママ だっこ」というように二語文を話し出したというお子さんもいます。
そのため、気になる様子があるからといって、必ずしも発達に問題がある、というわけではありません。
また、ただでさえ発達が気がかりなお子様を持つお母様・お父様は、育児に苦労されていることが予想されますから、おじい様やおばあ様に指摘される前から同じことを思い悩んでいる可能性もあります。
そうした状況で気にしていたことをズバリ言われると、責任を感じたり、傷ついてしまったりするかもしれないですよね。
その結果、ご両親との関係が悪化したり、せっかくの「気づき」を聞き入れてもらえなくなったりするのは、お孫様にとっても、ご両親にとってもよくないことです。
こうした理由から、お孫様やご両親に対して「何かしてあげたい」と思ったら、まずはすこし立ち止まって、「何をしないか」を意識してみていただくのも大切なことかと思います。
両親にどう伝える?
もちろん、お孫さんについて気になる様子があったら、「何もしないのがいい」というわけではありません。
大切なのは、ご両親が受け入れやすい形でお孫さんの気になる様子を伝えることです。
ご両親の多くは「子どものことは親である私たちが一番よくわかっている」というプライドがあることかと思います。そのため、気になることを伝えるときには、親としての自尊心を傷つけないような話の進め方が重要になります。
まずはお母様・お父様が子育てをがんばっていることを労い、その上で、お孫様の成長について気付いたことを共有できるといいでしょう。
このときのポイントは、「できていないこと」ではなく「できるようになったこと」を伝えることです。
そして最後に、子育てで困っていることがあれば、気軽に相談してほしい旨を伝えられれば十分でしょう。
話を進める中で、もしかするとお母様・お父様の方から不安や心配事を打ち明けられたり、相談されたりするかもしれませんね。お孫さんについて、気になっていたことを伝えるのはこの段階です。
「そういえば、向いのホームの電車に乗れないってわかったとき、Aちゃんが急に怒っちゃって…」
という風に、お孫様のエピソードを交えて話せると、こちらの話を受け入れてもらいやすいかと思います。
一方で、思うようなご両親の反応がない場合もあるでしょう。そうしたときも、がっかりする必要はありません。
ご両親にとっては「もしものとき、話を聞いてくれる存在がいる」ということが分かるだけで、十分に心強いものだからです。今はそのタイミングでないというだけで、時間が経ってから相談されることもあるかもしれません。
ですから、祖父母として、いつでもお孫様、そしてご両親の味方であると伝えること、そのこと自体に大きな意味があると言えるでしょう。
祖父母の方ができること
ここまで、お孫様に気になる様子があったとき「やってはいけないこと」や「ご両親への共有の仕方」についてお話してきました。
繰り返しになりますが、子どもの成長のペースは一人ひとり異なります。そして、どの子も、毎日少しずつ成長しています。
そのため、おじい様、おばあ様には、ぜひお孫様の「できていること」に目を向けて、お孫様を褒めたり、ご両親に伝えたりすることを心がけてほしいと思います。
というのも、発達障害のある子どもたちの多くは、その障害特性ゆえに、褒められるより叱責される機会が多くなってしまう傾向があるからです。
ご両親も「いろいろなことができるようになってほしい」という想いから、無意識に「できないこ」とに目が向きやすくなっていることがあります。
だからこそ、祖父母という立場からお孫様のイイトコ探しを手伝ってあげましょう。
久しぶりに会うおじい様・おばあ様から褒められることで、お孫様は自己肯定感を高めることができますし、ご両親も「確かに、こんなことができるようになったな」と「できること」に目を向けやすくなっていきます。
子育ては、長い長い道のりです。
「できないこと」に追われる育児は、とても辛いものです。
同じ時間を過ごすなら、「できること」を大切にして、笑顔で楽しくいられた方がいいですよね。
ですから、「祖父母としてできることは何か?」と深く考えすぎず、「小さなことでも褒める」ということからやってみてはいかがでしょうか。
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指導の目的や手順、うまくいかないときの対応方法などをわかりやすくまとめた「指導書」がついているので、どなたでも、安心して始めていただくことができますよ。
もちろん、祖父母の方がお孫様と一緒に取り組んでいただくこともできます。詳しくはホームページをご覧くださいね。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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