児童精神科とは?初診の流れはやかかる費用はどのくらい?割引は受けられる?

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「もしかして、うちの子って発達障害?」

と思ったとき、この問いの次に浮かぶのが「誰に聞けばいいんだろう?」「どこに行けば教えてくれるんだろう?」という疑問ではないでしょうか。

発達障害の診断をくだせるのは、医師のみです。そのため、確かな診断や助言を受けたいと思ったら、医療機関を受診することになるでしょう。

発達障害の診断や助言を得られる専門の診療科としては「児童精神科」が挙げられます。

“精神科”ときくと、なかには
「深刻な問題を抱えていないと受診できないのでは」
「子どもが拒絶したらどうしよう」
「診察ではどんなことをするのだろう」
と、抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回の記事では、そんな「児童精神科」について詳しく解説しています。

お子さんが困りごとを抱えているとき、相談先の選択肢を広げられるようになるためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

動画はこちらをどうぞ!👇

どんな場所?

児童精神科は、一言でいうと「心のトラブルを抱えている子どもが受診する場所」です。

心のトラブル、というと、虐待や不登校、非行といったイメージをもちやすいかもしれませんが、発達に関する悩み抱えている子どもも対象です。

児童精神科は、そうしたお子さんに対して診察をし、具体的な支援の方針を立てたり、事態が悪化しないように予防したりする場所と言えます。

発達障害の診断自体は、小児科や小児神経科でも行えますが、専門的な療育指導を受けたいとなった場合や、何らかの二次障害などが見られる場合には、児童精神科を受診することをおススメします。

初診の流れは?

発達に悩みを抱えているお子さんの場合、初診では、まず保護者の方に対して丁寧にヒアリングを行います。

保護者へのヒアリングの例
・出生歴(出生時に未熟児や低体重児でなかったか)
・発育歴(身体の成長)
・既往歴(これまでにかかった病気)
・ご家庭でのお子さんの様子
・園や学校での様子(生活態度・成績) など

当日は、こうした聞き取りに備えて、母子健康手帳や保育園、幼稚園の連絡帳、学校に通っている場合は通知表や授業中にとっているノートなどを持参しておけると、スムーズに問診に答えやすくなるでしょう。可能であれば、事前に担任の先生からもお子さんの様子について尋ねておけるとよいかと思います。

また、面談は基本的に本人とも実施しますが、1対1でのやり取りが難しいお子さんの場合、保護者の方への聞き取りや、お子さんへの行動観察がメインになることもあります。

さて、これらの診察を通して「発達障害の可能性がある」と判断された場合は、子どもの心身の発達の度合いを調べる「発達検査」が実施されます。発達検査の詳細は、こちらの記事をご覧くださいね。

知能検査・発達検査とは?検査を受ける目的や検査結果の活かし方など
「発達が気になる子がいた場合、保護者に知能検査や発達検査をどう勧めるか迷う」 園や学校の先生から、こ...

発達障害の診断は、こうした面談や行動観察、心理検査のもと、国際的な診断基準であるDSM-5もしくはICD-10と照らし合わせて、総合的に判断されるものになります。

なかには、一度の診察で結果がでずに「しばらく様子を見ましょう」と言われることもあるでしょう。特に、発達障害以外の障害との鑑別や合併症の判断が難しい場合、診断には時間がかかりやすくなります。

診断されても、されなくても

児童精神科での診察は「発達障害の有無を判断しておわり」ではありません。

最終的には、検査結果に応じて、今後どのようにしていくといいのか、お子さんの困りごとに合わせて本人や保護者の方と一緒に療育の方略を立てていくことになります。

診断基準のボーダーラインにいるなどの理由ではっきりとした診断名がつけられないお子さんも、日常生活に支障がある場合は適切な支援が必要になるでしょう。

このとき、もしも診断結果や診察の内容に不安や疑問があれば、そのままにせず、率直に医師に尋ねてみてくださいね。

お子さんへの今後の支援や治療のためにも「保護者の方が納得できるかどうか」というのはとても重要なことだからです。

目安の費用は?

通院でかかる費用や検査は、基本的には全国一律で健康保険が適用されます。

初診で払う費用の目安は2500円~5000円程度のところが多いようです。

なかには「もしも通院、となったら、医療費の負担が結構大変かも……」といった不安を持たれる保護者の方もいらっしゃるかもしれませんね。

そうした方にぜひ知っておいてほしいのが、自立支援医療(精神通院医療)制度です。

自立支援医療制度とは、おもに精神疾患のある人で、通院が継続的に必要となる人の医療費を公費で一部負担してくれる制度です。

発達障害のある方も、通院が必要となる場合、一定の要件を満たすと申請をすることができます。この制度への申請が通ると、「自立支援医療受給者証」が交付され、医療保険で3割の医療費を負担しているところが、1割まで軽減されます。 ※2023年8月現在の情報です。
※所得に応じて1月当たりの負担上限額が設定されます。

厚生労働省のホームページに詳細がまとめられていますので、気になる方は、ぜひ一度ご確認いただければと思います。

相談先の選択肢を増やすために

今回の記事では「児童精神科」について詳しくご紹介してきました。
はじめての場所や慣れていない場所に行くのは、誰でも不安を感じるものです。

だからこそ、「どんな場所で何をするのか」を把握することで、保護者の方も安心して相談先の1つとして考えらえますし、お子さん自身にも、受診するメリットを前向きに伝えることができますよね。

この記事が、そんな「知る」きっかけとなれると嬉しいです。

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