教育現場での社会福祉士の仕事は?学校との連携不足で活躍できないってホント?リサーチしました!

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こんにちは!
当ブログで「社会福祉」分野を担当している、安井です。
前回の「社会福祉士のなり方」の記事は、もう読んでいただきましたか?

さて、「福祉」というと、高齢者の介護や身体障害者の介助、生活に困っている人々への生活保護など、行政の支援などをまず思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

もちろん、高齢者や障害者、低所得者などへの支援や介助も日本の「福祉」において大きな役割を占めていますが、近年社会の変化とともにそのニーズは多様化しています。中でも注目されているのが、「発達障害児教育」における「福祉専門職」の重要性です。

文部科学省が2022年に行った調査では、通常学級に在籍する小中学生のうち、8.8%もの子どもたちに学習面や行動面で著しい困難を示す発達障害の可能性があると発表されました。全国の公立小中学校で推計すると、なんと70万人を超えることどもたちが特別なサポートを必要していることになります。

そこで今回は「児童福祉」という分野にスポットを当て、「発達障害児支援における社会福祉士の役割」についてお話していきたいと思います。

動画はこちらをどうぞ!👇

児童福祉とは?

まずはじめに、「福祉」とは、生活上の困りごとを抱えている人に公的扶助による支援や介助を行うことです。

その中でも「児童福祉」の対象となるのは、18歳未満の全ての子どもです。「児童福祉」とは、専門的な知識や技術を使って、様々な現場で子どもの育ちへの支援、親への支援、親子関係への支援などを行うことです。

「児童福祉」の分野で活躍する専門職は、児童福祉司や児童指導員、スクールソーシャルワーカー、保育士、保健師など様々な職業があります。

「社会福祉士」と「児童福祉」の関係は?

社会福祉士の活躍の場は多岐にわたっており、児童福祉分野でも活躍することができます。また、同じ社会福祉士の資格を持っている人同士でも、働く施設によってその役割は大きく変わります。

児童福祉施設や児童養護施設などでは、「児童福祉司」や「児童指導員」として子育てに関する悩みや虐待などの問題に向き合ったり、教育機関で「スクールソーシャルワーカー」として児童や家族の相談に乗ったりします。

中でも、「児童発達支援」や「放課後等デイサービス」等で働く場合は、発達障害のあるお子さんたちと直接関わることになるため、発達障害に関する専門的な知識が必要となります。

スクールソーシャルワーカーとは?

社会福祉士の資格を持つ人が、小中学校などの学校現場で働く場合、スクールソーシャルワーカーとして子どもや学校に介入していくことが多いでしょう。

スクールソーシャルワーカーの役割は、子どもが抱える問題に対して、児童生徒へのカウンセリングや学校の先生方に対するアドバイス・サポートなどを行い、問題の解決を図っていく、というものです。

中には貧困や虐待、発達障害といった、さまざまな要因により不登校や非行などの問題を抱える子どももいます。そうした学校からは踏み込みにくい部分についても、福祉の視点から専門的なアプローチしていきます。

言い換えれば、スクールショーシャルワーカーは、学校に福祉の視点を取り入れて、先生や子ども、保護者に働きかけ、法律や制度を使って問題解決を図る職業とも言えるでしょう。

また、実際は社会福祉士以外にも、精神保健福祉士、臨床心理士いずれかの資格を持った人がスクールソーシャルワーカーとして活躍していることが多いです。

社会福祉士の発達障害者支援

児童福祉に関わる社会福祉士は、学校現場や放課後等デイサービス等だけでなく、発達障害者支援施策として各都道府県や自治体に設置された事業所で働くこともあります。

例えば、発達障害児(者)への支援を総合的に行うことを目的とした専門的機関「発達障害者支援センター」では、社会福祉士をはじめとして精神保健福祉士や臨床心理士、言語聴覚士といった資格を持つ人達が配置され、相談支援や就労支援などを行っています。

社会福祉士は、頼れる専門家!でも実は……

このように、福祉を学び様々な現場で働く福祉のエキスパートである「社会福祉士」ですが、実は次のような問題があるんです。

総務省が2020年行った「学校における専門スタッフ等の活用に関する調査」という調査では、学校現場において、スクールソーシャルワーカーなどの専門的職務との連携が不足しており、十分に活用できていないということがわかりました。

学校側も社会福祉士側もどちらも多忙な中で、活用方法の共有が学校内で十分にできていないことや継続的な支援の難しさといったことが、主な理由のようです。

また、「どんな時にスクールソーシャルワーカーを頼ったらいいかわからない」という声も上がっています。社会福祉士の相談対象は「虐待」や「子どもの貧困」だけでなく、「発達障害やその可能性のある子どもたち」にまで及んでいるということが、現状あまり浸透していないのかもしれません。

発達支援についての専門的な知識を必要とする保護者・先生方へ

さて、学校と社会福祉士とのスムーズな連携についてはこれから改善していくべき課題ではありますが、ご家庭や学校現場において、「そんなの待っていられない!」「今すぐにどうにかしたい!」と、お子さんのことで悩まれている方も多いのではないでしょうか。

困ったときにすぐに専門家の支援が受けられる世の中ではないからこそ、発達障害のあるお子さんに関わる上で、支援者自身が正しい知識を身に着けていくことが大切です。

とはいえ、発達障害のある子どもたちは、その障害特性ゆえに、たくさんの困りごとを抱えています。一人ひとりの個性による差も大きく、理由もそれぞれ異なるため、対応方法は多岐にわたります。そのため、一人で勉強して知識や引き出しを増やして実践していくのはハードルが高く感じられますし、何より「これでいいのかな?」と不安になりますよね。

そこで支えになってくれるのが「発達障害児支援士」という資格です。

四谷学院では、「発達障害児支援士」の資格を取得できる、発達障害児支援士資格認定講座を開講しています。この講座はオンラインで学ぶことができるため、仕事と両立しながら、家事や通勤の合間に動画教材を視聴し、認定試験の合格を目指すことが可能です。

講座を受講する中で、支援者として場当たり的な解決策を身につけるのではなく、どのような視点を身につけておくべきかを体系的に学べるようになりますよ。

詳しくはホームページをご覧ください。

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