新学期に向けて何かと慌ただしいこの時期。
受け持つクラスに特別なサポートが必要な子や、よくトラブルを起こす子がいると分かって「うまくやれるだろうか?」と不安を感じている先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
スムーズなクラス運営において大切なのは、ずばり、事前準備です。
事前に準備をしっかりしておくことで、お子さんのトラブルの9割は未然に防ぐことができると言われています。
そこで今回は、新学期に向けて、事前にどんな準備ができるかについてお話していきます。子ども達と、そして先生自身が安心して4月からの新学期をスタートできるように、この記事を参考にしていただけると嬉しいです。
子どもの状況や課題を把握する
新学期が始まる前にまずやっておきたいのは、子どもたちの状況や課題を正しく把握することです。そのためにも、子どもたちの課題や特性については、前任の先生から丁寧に引継ぎをしてもらいましょう。
たとえば、授業中に歩き回る子がいたとしたら、どのような場面で歩き回るのかを詳しく聞き取ります。集中力が切れた時なのか、何をすればいいか分からなくなった時なのか、その理由は様々に考えられますよね。
大切なのは、そうした子ども達一人ひとりの現状を正しく把握し、トラブルが起こらないようなクラスづくりを考えることです。そのためにも「どの子が」「いつ」「どこで」「どんな行動をするのか」を知っておく必要があるんですよね。
場合によっては事前に保護者に連絡して、お子さんの特性や、得意・不得意について聞き取っておけるといいでしょう。
子どもが過ごしやすい環境を整える
お子さんの状況や課題を確認できたら、次は、具体的なクラスづくりの方法を考えます。ここでは2つの例を取り上げます。
気が散りやすく、授業中に立ち歩いてしまうお子さんがいる場合
- 窓側から離れた席にする
- 教室内の掲示物を必要最低限にする
- 授業が始まったら、机の上に出すものをクラス全体にアナウンスする
- 授業中は、声に抑揚をつける、身振り手振りを交える
視覚情報をなるべく減らしたり、メリハリをもたせたりして、集中しやすい環境を整える
指示された通りに動けないお子さんの場合
- 授業の進行をはじめに説明し、黒板に書いておく
- 課題に取り組ませる際には個別にも指示だしする
- 板書中に話さない
- 板書する箇所はマグネットで印をつける
見通しをもたせたり、やるべきことを明確にしたりして、無理なく授業に参加しやすくする
個別の配慮はなぜ大切なのか
これらの工夫は、一見、特定の子どもだけに効果があるように思えるかもしれません。しかし、実はその多くは、ほかの子どもたちにとっても良い影響をもたらすことがあります。
たとえば、教室のあちこちに掲示物が貼られているよりも、決められた場所に最低限の掲示物が貼られている方が注目しやすいというのは、どの子にとっても同じですよね。
このように、配慮が必要な子に合わせて環境を整えた結果、スムーズなクラス運営に繋がるケースは珍しくないものです。そのため担任としては、一人ひとりに寄り添いながら、集団の中で子どもたちの可能性を伸ばせるような教室の整備や授業の進め方を考えられるといいでしょう。
スムーズなクラス運営の秘訣
ここまで、新学期に向けての準備の進め方やクラスづくりにおいて大切な考え方についてお話してきました。
・子ども達の状況を正しく把握すること
・子ども達が過ごしやすい環境を整えること
指導者として、この2つは常に心がけておきたいものです。
一方で、実際に現場で働かれている園や学校の先生からすると「一人ひとりに寄り添いながら滞りなくクラス運営をする」というのは、なかなかハードルの高い課題と思われるかもしれません。
子どもの行動の理由をどうやって明らかにすればいいのか、教室内の環境をどのように整備すればいいのか、全体への指示の出し方、保護者への伝え方……。
とにかく考えることがたくさんありますから、クラス運営をするだけで手いっぱい、ということもあるかと思います。
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このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
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