気持ちを切り替える力

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こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。

発達障害の子どもたちは、気持ちの切り替えが苦手なことが多いですね。
たとえば「トラブルが起きて、相手に謝る」という事例を考えてみましょう。
こんな様子を見せる子どもたちがいます。

・素直に謝れない

・自分勝手な理屈を言い、相手を非難する

・口では謝るが、すぐにまた同じことを繰り返す

・いつまでも暗い気持ちを引きずる

誰だって、いやなことがあれば気持ちが落ち込んだり、相手に反感を持ったりすることがあるものですね。
そのこと自体は決して悪いことではありません。

問題なのは、ネガティヴな気持ちを切り替えられないということです。

落ち込むことは悪いことではない

では、何が大切なのかというと、それは
「切り替える力、落ち込んでも回復する力」です。

大切なのは気持ちを切り替える力

切り替える力、落ち込んでも回復する力をレジリエンスと呼びます。
レジリエンスの大切さは、教育やビジネスの現場に浸透しつつあります。

子どもたちが冒頭に挙げたような態度をとる時、その背景には複雑な事情があるはずですから、子どもたちの感情や状況を丁寧に見つめて対応してあげたいものです。
その時、気持ちを切り替える力を高められるような働きかけを行うことは確実に前向きな影響を与えてくれますよ。

働きかけの例

たとえば、よくあるのは、子ども同士のトラブルに介入した大人が、(悪気なく)謝罪を強いることです。
トラブルがあったのだから謝らなくてはならない
というのは当然の発想ですし間違いなく正しいのですが、子どもたちの感情は、そう素直には動きません。

「今はまだ謝りたくない」
「謝られても許したくない」
と思うこともきっとあるはずです。

そんな子どもたちの心を無視して、大人が早く解決を図ろうとして無理に謝らせると、何となくその場は格好がつき、大人は安心できるかもしれませんが、子どもたちの心の中には満たされない思いがくすぶります。
これでは子どもたちのレジリエンスを育てることはできません。

大人が無理に謝らせても意味がない

謝らせることよりもずっとずっと大切なのは、子どもたちに自分の感情を見つめてもらうことです。

「今は謝りたくない・許したくない」という子どもたちには

☆自分の感情を見つめられたこと
☆素直に表現できたこと

を、しっかり認め、称えてあげましょう。

その上で、謝れる・許せる気持ちになったら大人に声をかけるように伝えておきます。
(同時に、トラブルの相手にも、お互いの感情をわかりやすく説明してあげる、大人が代わりに謝るなどして双方の心のケアを行いましょう。)

謝れない自分、許せない自分を受け入れる

謝れる・許せる気持ちになるにもコツがあります。
静かに落ち着いて考えることで自然と心の準備ができる子もいますし、その途中で大人の手助けが必要な子もいます。

たとえば、自分勝手な理屈を言って自分の正当性を主張するようなタイプの子には、状況を文字やイラストで整理して伝え、相手の事情や感情を教えてあげると良いでしょう。
また、気分が落ち込みすぎて冷静になれないタイプの子には、言葉よりも身体への働きかけが向いています。
小さな子なら抱っこやおんぶをしてあげる、大きな子なら腕や背中などを柔らかく触り、軽く圧をかけながら一定方向にさすってあげる、など、気持ちを鎮め穏やかにする働きかけを行いましょう。

気持ちを整えるための方法は人それぞれ

こうして、ご本人の心の中で、謝る・許す準備が整ったところで大人が立ち会って、当事者同士で謝る・許す機会を設けましょう。

 
こうしてきちんと自分の感情と向き合う体験を繰り返すと、口先だけで謝って本質を理解せず何度も同じことを繰り返す、といったことも減っていくと期待できます。

気持ちを切り替える力、落ち込んでも回復する力は子どもたちの人生を力強く支えてくれます。
働きかけの参考にしていただければ幸いです。

それでは、また。

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