こんにちは、四谷学院の生田です。
発達検査をするとその結果によっては、
「ワーキングメモリが弱いですね」
「ワーキングメモリを伸ばしていきましょう」
というコメントをもらうことがあるかもしれません。
この記事では、武蔵野東学園の先生よりお答えいただいた「ワーキングメモリの基礎知識と、伸ばし方のアドバイス」をご紹介します。
武蔵野東学園は、55レッスンの教材編集にご協力くださっています。
https://yotsuyagakuin-ryoiku.com/blogs/musashinohigashigakuen/
ワーキングメモリとは
ワーキングメモリとは、日本語で言うと作業記憶です。
見たこと・聞いたことを情報として一時的に記憶にとどめ、推理・思考する能力のことを指します。
会話や読み書き、計算などの基礎となる、日常生活や学習を支える重要な能力です。
情報を一時的にとどめておくための記憶の器、つまり「ワーキングメモリの大きさ」は人それぞれです。
ワーキングメモリを伸ばすこととは、この器を大きくしていくことと言えます。
ワーキングメモリを伸ばす
繰り返し遊び
たとえば、親が言ういくつかの果物の名前を憶えて、数秒後に繰り返して答えるという課題を行うとします。
何回か繰り返せば、子どもがいくつまでなら覚えられるのか見当がついてくるはずです。上記の例のように、3つまで確実に覚えられるなら、4つを覚えられるようになるのが目標です。
少しずつ覚えられる数を増やしていきましょう。
そのほかのトレーニング
神経衰弱、しりとりといったあそびや、計算練習などもワーキングメモリを鍛えることができます。
子どもの認知の進み具合に応じて、こうした活動も取り入れていきましょう。
生活でできるトレーニング
生活の中に「伝言」を取り入れてみるのもよいでしょう。
たとえば
「お父さんに『ご飯ですよ』と言ってきて」
などの伝言を頼みます。
できるようになったら、
「お父さんにご飯は何時に食べるか聞いてきて」
というように、言葉の数を増やしたり、徐々に複雑にしたりしていくとよいでしょう。
うまくできたら、
「ありがとう!」「すごいね!」
としっかり褒めましょう。
ワーキングメモリの弱さへの配慮
ワーキングメモリを鍛えることと並行して、ワーキングメモリの弱さへの配慮も重要です。日常の言葉での指示は短く簡潔に出してあげましょう。
指示が長すぎると把握しきれず、混乱したり、失敗したりしてしまいます。そのことで、自信をなくしてしまうということも考えられます。
ゲームや普段の生活のなかでトレーニングを取り入れる過程で、能力だけでなく、自信も伸ばしていきましょう。
家庭でできる療育
四谷学院の療育講座「55レッスン」は、ご家庭で取り組める療育プログラムです。
ワーキングメモリのトレーニングも含まれていますので、ご自宅にいながらお子様のペースで取り組んでいただけます。
迷うことや困ったことがあれば、メールでご相談ください。専任の担任の先生から、すぐに役立つアドバイスが届きますよ。
たとえば、指示されたものの名前の絵カードを選ぶ(1枚~複数枚)、絵カードで神経衰弱をする、プリントのイラストを見て各場面に適切な伝言の仕方を学ぶなどの課題も収録されています。
55レッスンについて、くわしくはホームページをご覧ください。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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