日常生活を支えるワーキングメモリとは?力を伸ばすには?

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こんにちは、四谷学院の生田です。

発達検査をするとその結果によっては、
「ワーキングメモリが弱いですね」
「ワーキングメモリを伸ばしていきましょう」

というコメントをもらうことがあるかもしれません。

この記事では、「ワーキングメモリの基礎知識と、伸ばし方のアドバイス」をご紹介します。

ワーキングメモリとは

ワーキングメモリとは、日本語で言うと作業記憶です。
見たこと・聞いたことを情報として一時的に記憶にとどめ、推理・思考する能力のことを指します。
会話や読み書き、計算などの基礎となる、日常生活や学習を支える重要な能力です。

情報を一時的にとどめておくための記憶の器、つまり「ワーキングメモリの大きさ」は人それぞれです。

ワーキングメモリを伸ばすこととは、この器を大きくしていくことと言えます。

ワーキングメモリを伸ばす

ここからは、ワーキングメモリを伸ばすためのアプローチについてご紹介していきます。

繰り返し遊び

たとえば、親が言ういくつかの果物の名前を憶えて、数秒後に繰り返して答えるという課題を行うとします。

くり返してね。りんご
りんご
りんご いちご
りんご いちご
りんご いちご みかん
りんご いちご みかん
りんご いちご みかん バナナ
りんご いちご みかん ・・・

何回か繰り返せば、子どもがいくつまでなら覚えられるのか見当がついてくるはずです。上記の例のように、3つまで確実に覚えられるなら、4つを覚えられるようになるのが目標です。

そのほかのトレーニング

神経衰弱、しりとりといったあそびや、計算練習などもワーキングメモリを鍛えることができます。子どもの認知の進み具合に応じて、こうした活動も取り入れていきましょう。

生活でできるトレーニング

生活の中に「伝言」を取り入れてみるのもよいでしょう。
たとえば「お父さんに『ご飯ですよ』と言ってきて」などの伝言を頼みます。できるようになったら、「お父さんにご飯は何時に食べるか聞いてきて」というように、言葉の数を増やしたり、徐々に複雑にしたりしていくとよいでしょう。

うまくできたら、「ありがとう!」「すごいね!」としっかり褒めましょう。

ワーキングメモリの弱さへの配慮

ワーキングメモリを鍛えることと並行して、ワーキングメモリの弱さへの配慮も重要です。日常の言葉での指示は短く簡潔に出してあげましょう。

指示が長すぎると把握しきれず、混乱したり、失敗したりしてしまいます。そのことで、自信をなくしてしまうということも考えられます。

ゲームや普段の生活のなかでトレーニングを取り入れる過程で、能力だけでなく、自信も伸ばしていきましょう。

家庭でできる療育

四谷学院の療育講座「55レッスン」は、ご家庭で取り組める療育プログラムです。

ワーキングメモリのトレーニングも含まれていますので、ご自宅にいながらお子様のペースで取り組んでいただけます。
迷うことや困ったことがあれば、メールでご相談ください。専任の担任の先生から、すぐに役立つアドバイスが届きますよ。

たとえば、指示されたものの名前の絵カードを選ぶ(1枚~複数枚)、絵カードで神経衰弱をする、プリントのイラストを見て各場面に適切な伝言の仕方を学ぶなどの課題も収録されています。

55レッスンについて、くわしくはホームページをご覧ください。

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