こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。
前回の記事では、運動会について、わたくしの暗い思い出(笑)を語らせていただきました。
運動会についてあんまり暗く書きすぎたなあと反省しましたので、今回は、運動会の楽しい側面から記事を書いてみます。
運動会での子供たちの楽しみと言えば、お弁当ですよね!(独断と偏見により決定)
その楽しいお弁当タイムを、もっと楽しく味わうためには、お子さんにもお弁当作りに参加してもらうのがお勧めです。
そこで、大人にも子供にもラクチンで、楽しく一緒にお弁当作りができる工夫をご紹介しましょう。
お弁当作り≠調理の手伝い??
お弁当作りと言っても、調理を手伝ってもらうわけではありません。
でも、この工夫は、
☆大人の負担が少ない
☆子供も積極的にお弁当作りに参加できる
☆見た目もかわいらしくなる
☆食べやすい
☆洗い物が減る
という、一挙五得(なんて言葉はありませんが)の活動です。
親子でお弁当作り
○ 小さめの紙コップ(容器の中に納まる高さ・サイズ)
○ お好みのシール、色鉛筆、マーカー等
容器+紙コップが弁当箱に
深めの容器をお弁当箱として使うのですが、食材は容器に直接入れるのではなく、紙コップの中に入れるのがミソです。
食材を一口サイズに切って爪楊枝やピックを挿し、一人分を紙コップに入れるようにします。
たとえばお父さん・お母さん・お子さんの3人で召し上がるなら、紙コップは3の倍数ぶん用意します。
その紙コップを容器に並べてお弁当とするわけです。
紙コップの飾りつけ
紙コップは、お子さんに好きなように装飾してもらいましょう。
シールを貼る、色を塗る、絵を描くなど、お子さんの発達段階に合わせた活動を行います。
最終的に食品を入れることを考えて、油性ペンや糊がベタベタと付着するような装飾は避けたほうが良いでしょう。
この紙コップを運動会のお弁当に使うことを伝え、お弁当を一緒に作り上げる楽しさを共有します。
可能ならば調理に参加してもらうほうが深い体験ができるのは間違いないのですが、保護者にとってなかなかその余裕が持てない時があると思います。
紙コップ装飾ならば、事前に時間をかけて作業できるので、大人も子供も落ち着いて活動に参加できます。
食べる時の働きかけ
お弁当を食べる時には紙コップごと取り出して食べます。
紙コップごとなので取り分けやすく、小皿などを用意する必要もありません。
口元まで紙コップを持っていけて、爪楊枝で食べられるので、手先の動きに苦手さがあるお子さんでも食べやすいでしょう。うっかりこぼしてしまうことも減らせると思います。
爪楊枝が苦手なお子さんには、大きめのフォーク等を用意してあげると良いでしょう。
「きれいにシールが貼れたね、かわいいね」
「この絵は何の絵?」
「○○ちゃんが作ってくれた紙コップで食べるとおいしいね」
などなど、お子さんの紙コップ装飾についてたくさんお話をしてあげてください。
自分の作業がお弁当作りにつながっていることを実感してもらい、大人に喜ばれた体験として蓄積できるように働きかけましょう。
食後の作業もお手伝いに
紙コップのおかげで容器はほとんど汚れませんので、大人の片付けの負担が減らせます。
食べ終えた紙コップを重ねる、まとめてゴミ箱に入れる、といった作業をお子さんに手伝ってもらうこともできるでしょう。
お手伝いの本質
今回はお弁当作りの一環として紙コップを装飾する例をお伝えしました。
これは、物事を便利にしつつ、大人の作業に無理なく子供が参加できることを目指した考え方です。
子供たちを健やかに育むためには、多くの体験をし、多くの感情を味わってもらうことが大切です。
同時に、子供を養育する大人たちが無理をしすぎないことも、同じくらい大切です。
誰かが無理をしている育児・療育は長続きしないからです。
この二つの「大切」を同時に叶える一つの手段が、「お手伝い」だとわたしは考えています。
「今、大人がしているこの作業を、この子に手伝ってもらうとしたら、どんな方法ならば無理なくできるだろうか?」
「この子が手伝うことによって、わたし(大人自身)の作業もラクになるだろうか?」
この視点で、日常生活のいろいろな場面を見直してみませんか。
弁当箱に紙コップを入れるのと同じくらい単純な方法で、ご家族にとって物事がもっと楽しくシンプルになるヒントがきっと見つかると思います。
そしてぜひお子さんに、お手伝いによって家族に喜ばれた、家族の役に立った、という実感をたくさん味わわせてあげていただきたいなと思います。
自分の周囲の出来事に、自分が主体的に関わって、影響を与えていることが実感できればできるほど、お子さんの人生は豊かになっていくでしょう。
あなたとご家族の毎日に、今日も明日も明るい風が吹きますように。
それでは、また!
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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