小学校に入学してランドセルを背負うようになると、ほんの少し前までは小さかった子どもたちも急に大人びて見えますよね。
一方で、「もう小学生なのに……」と思うような言動や振る舞いが見られて、不安を感じられている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
特に小学校に上がったばかりの時期によく聞かれるのが、お子さんの心の発達にまつわることと、集中力の続かなさについて。
今回の記事では、この2つの問題への向き合い方について解説していきます。
自己中心性を否定しない
小学1年生になったばかりの子どもたちは、まだまだ相手の視点に立って物事を考えるのがむずかしいと言われています。
ほかの人が話していている途中で割りこんだり、遊びのルールを守れなかったり、そのせいでクラスメイトとトラブルになったり……
そうした様子を見て、おもわず「ほかの人の気持ちを考えて」「まわりを見て!」と言いたくなることもあるかもしれません。
でも、それはお子さんにとって『無理なことを要求している』可能性も。
心の発達は、身体の発達と違って目に見えないので、大人は「これくらいは分かるだろう」と思ってしまいやすいものです。
しかし、まだその発達段階に至っていない子どもからすると、「なぜ叱られているのか分からない」ということになります。
これでは「叱られた」という負の感情だけが蓄積されてしまうことになりますよね。
なので、もしもお子さんに自己中心的な言動や振る舞いが見られたら、そのことを否定するのではなく
「自分がされたら、どう思う?」
「お母さんだったら悲しい気持ちになるかな」
といった風に、お子さん自身で考える機会にできるとよいかと思います。
こうした体験の積み重ねが、周りの人に合わせたり、相手の気持ちを汲み取ったりといった社会性に繋がっていきますから、大人は焦らずにお子さんの成長を見守っていけるといいですね。
集中はできなくて当たり前?
小学校に入って始まる「授業」。
多くの小学校では、45分授業が行われています。
保護者の方の中には
「うちの子、そんなに長い時間、本当に集中できるかしら」
「家では全然集中できないけど……」
と不安に思われている方もいらっしゃるかもしれません。
結論から述べると……
小学1年生のお子さんが、45分間ずっと集中することは、ほぼ不可能に近いです。
せいぜい10分~15分が精一杯、というところでしょうか。(学校の授業も、このところを踏まえた上で進められているかと思います。)
ということは、です。
たとえばご家庭で「宿題が終わるまで遊べません」というルールがあったとしたら。
宿題の量によっては、集中力が切れた状態で、ダラダラと机に向かう……ということになりかねませんよね。これでは、いつまでたっても宿題は終わりません。
それよりも、「この問題が終わったら、1回休憩しようか」という風に、こまめにリフレッシュの時間を設ける方が、テキパキと課題に取り組めるようになると思いませんか?
「無理にやらせる」方法は、何事においても良い結果はもたらしません。
机の上に気がまぎれるものは置いていないか?
1回の課題の量は適切か?
課題のレベルは子どもに合っているか?
こんな風に、子どもの立場に立って考えることで、おのずと本人にとって集中しやすい環境が分かるようになるかと思います。
大切なのは「できないことを叱る」のではなく、「できるやり方を考える」こと。
このことを、大人は常に意識しておけるといいですね。
発達には個人差がある
いかがでしたか?
もしも、お子さんに対して「もう小学生になったのに」と思うことがあったら、一旦立ち止まって「本当に今できないといけないことなのか」と考えてみていただければと思います。
特に自閉症スペクトラムやADHDなど、発達障害の診断を受けている、またはその傾向のあるお子さんの場合、より一層の心配りが必要です。
その上で、お子さんの発達段階を踏まえながら、日常生活・学校生活で困らないようなサポートができるといいでしょう。
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このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
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