不登校の前兆?登校渋りの対応でやってはいけない3つの対応【自閉症・発達障害】

※この記事は約5分で読めます。

ある日突然、「学校に行きたくない」とお子さんに言われたら。

あなたはどんな風に子どもに声をかけますか?
一瞬、ドキッとする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

昨今、不登校の子どもの割合が増えてきている中で、「自分の子どもとどう関わればいいのか分からない」といった悩みを持つ保護者の方は少なくありません。

特に発達障害のあるお子さんは、その障害特性ゆえに、「学校」という集団生活の場で不安やストレスを感じやすい傾向があるため、他人事でないと感じる方も少なくないかと思います。

「登校渋りへの対応」を考える時、「何をしてあげるか」はもちろん大切ですが、同じくらい「何をしないか」という選択も大切です。

そこで今回の記事では、子どもに登校渋りが見られたときに保護者がやってはいけない3つの対応をお話していきます。動画はこちらをどうぞ!👇

その1.行きたくない理由を追求する

子どもに「学校に行きたくない」と言われた時、保護者としては「どうして行きたくないの?」とその理由を追求したくなるかもしれません。

しかし、学校に行きたくない理由をうまく言語化できる子どもばかりではありませんし、なかには大人に打ち明けたくないこともあるでしょう。

また、いろいろな理由が折り重なっているがゆえに、子ども自身が行きたくない理由を明確に分かっておらず、相対的に家にいる方が楽、という理由から登校を渋る場合もあります。

そうした時に「どうして行きたくないの?」としつこく訊いたり、「お友だちとの間でいやなことがあった?」と保護者が一方的に理由を推測したりするのは、子どもにとって大きなストレスになるものです。

そのため、まずは保護者の方がしっかりと話を聞く姿勢を示し、不安な気持ちを打ち明けやすくなるような雰囲気を作ることが大切であると言えます。

安心できる人や安全な場所があることで、「ちょっとがんばって行ってみようかな」といった気持ちも生じやすくなるかもしれませんね。

その2.学校に行くことを約束させる

一度休んでしまったら、このままずるずる行けなくなるのでは……

こうした不安から、保護者としては譲歩のつもりで「今日はお家で休む代わりに、明日は学校に行こうね」とお子さんに伝えることもあるかもしれません。

しかし、登校渋りが見られるお子さんにとって「学校へ行く」というハードルはとても高いものです。そんな中で学校に行く約束をさせるのは、本人にとって大きなプレッシャーになることが予想されます。

何より実際に行けなかったとき、「今日も約束を守れなかった」という失敗体験として蓄積されてしまいますし、保護者に対しても「がっかりさせてしまった」と後ろめたい気持ちを持ってしまうかもしれません。そうすると、ますます「学校に行く」という選択からは遠ざかってしまいますよね。

こうした理由からも、学校へ行くか行かないかは、「子ども自身で決めてもらう」ことが大切になります。自分で選べる、決められる、ということは、1つの安心感へと繋がるからです。

安心感があることで、学校への拒否感が和らぎ、結果として無理なく登校できるようになるケースもありますから、保護者としては期待をかけすぎないことを意識し、お子さんの選択を尊重してあげられるとよいでしょう。

その3.学校に行くことをゴールにする

最後のNG対応は「学校に行くことをゴールにする」ということです。

登校渋りがみられるお子さんに対して、学校に行くことをゴールにしてしまうと、毎朝の選択が「行く/行かない」の二択になってしまいます。そうすると、お子さんも、そしてご家族も苦しくなってしまいますよね。

学校に行くことにこだわればこだわるほど、お子さんは辛い状況に追い込まれてしまいます。

そこで重要なのは、大人が選択肢を広げてあげること。たとえば

・学校の図書室で勉強をする
・特定の授業のみ受ける
・途中で保健室に移ってもいい

など、「学校に行く」と一口に言っても、その先にはいくつもの選択肢が考えられます。最近は、オンラインの授業なども広まってきましたよね。

選択肢があると、お子さんも「これならできそう」というものを見つけやすくなり、心の負担も軽くなることかと思います。

もちろん、現実的に可能な範囲での選択肢となるので、学校の先生ともよく相談をして子どもが受け入れやすい選択肢を複数用意してあげられるといいでしょう。

まとめ:「学校に行きたくない」と言われたら

ここまで、お子さんの登校渋りが見られた時に、やってはいけない3つの対応についてお話してきました。

お子さんの登校渋りは、保護者にとっては突然のことのように感じられるかもしれませんが、本人からすると、いろいろな葛藤をした上での精一杯のSOSである可能性もあります。

そうした場面でしっかり子どもと向き合えるようになるためにも、ぜひ今回の動画の内容を心に留めておいてもらえると嬉しいです。

保護者はいつでもお子さんの一番の味方であることを示しながら、本人の意思や気持ちを尊重した行動を促せるといいですね。

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