こんにちは、四谷学院の生田です。
・パチパチとまばたきを繰り返す
・鼻をフンフンと鳴らす
・肩をすくめる
こうしたクセはチックと言い、発達障害のあるお子さんの中にしばしば見られることがあります。
今日は、チックについて解説していきます。
チックとは
チックとは、自分の意思に関係なく、突発的に体が動いたり、声が出たりします。
一般的に男の子に見られることが多いとされています。
チックは、大きく運動性チックと音声チックの2つに分けることができます。
例:何度も首をひねる、鼻水が出ているわけでもないのに鼻をすする、過度にまばたきをする、肩をすくめる
例:咳払いをする、「あれ、あれ、あれ」など同じ言葉を繰り返す
また、それぞれ動作の持続時間により単純性チック、複雑性チックに分類されます。
トゥレット症候群(トゥレット障害)とは
チックの頻度が高く、症状が1年以上継続しており、運動性チックと音声(言語)チックの両方が見られる場合にはトゥレット症候群(トゥレット障害)と言います。
トゥレット症候群では、罵声や卑猥な言葉、不謹慎な言葉などを無意識に言ってしまう汚言症が見られることがあります。
チックのある子どもへの関わり方
単純性チックの場合、生活への支障はほぼなく、自然に落ち着くことが多いため、特別な治療は必要ありません。
一方、長期間にわたり複雑性チックが見られる場合には、子どもが何かしらストレスを感じている場合もあるため、一度医療機関で相談をすると安心でしょう。
また、園や学校で過度な負荷がかかっていないかにも留意しましょう。
子どもはやりたくてその行動をとっているわけではないため、「やめなさい!」と叱責することは望ましくありません。
周囲から指摘されて本人が気にすることもあるため、園や学校の先生を通じて周りの友達からも理解を得られるよう配慮してもらえるといいでしょう。
ストレスの原因と思われることがあれば、なるべくストレスを軽減させます。
トゥレット症候群の場合、人と目が合う度に首をひねるなど多発性の運動性チックと音声(言語)チックを併せ持っているため、子ども自身が自分の行動を苦痛に感じていることが多くあります。
また、中にはADHD(注意欠如・多動性障害)や強迫性障害を併発しているケースもあります。症状により子ども本人の社会適応が難しくなっている場合には、薬物療法での治療を検討できるといいでしょう。
もちろん、症状があっても社会適応をして問題なく生活を送ることができるケースもあるため、子どもの気持ちを尊重して対応していくようにしましょう。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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