児童発達支援事業とは?【発達障害のお子さまへの発達支援】

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こんにちは、55レッスンの生田です。
児童発達支援を行う事業についてご存じでしょうか?

今日は、児童発達支援事業とはどんなものなのか、また、どういったことをするのか、詳しく見ていきたいと思います。

児童発達支援事業とは

児童発達支援事業とは、未就学の障害のあるお子さんやその可能性があるお子さんを対象として、日常生活のスキルのトレーニングや、集団生活への適応訓練などを行うことを言います。児童発達センターや、児童発達支援事業所とった場所で行われます。

また、これらの施設ではお子さん本人への支援はもちろんですが、家庭への支援も行っています。

児童発達支援センター

障害のあるお子さんとその家族への支援を行うことに加え、地域の支援体制の中核となり、他の療育施設や障害児が通う保育園などへのアドバイスも行っています。
また、福祉型と医療型に分かれ、発達障害や知的障害だけでなく、肢体不自由・難聴・重度心身障害などの障害に総合的に対応できる施設が多いのが特徴です。

児童発達支援事業所

障害のあるお子さんとその家族への支援を専門に行い、身近な療育の場として機能しています。

どうすれば児童発達支援を受けられるの?

児童発達支援を利用するためには、お住まいの市区町村での手続きが必要になります。
手続きの流れは、各自治体ごとによって異なりますが、ここでは、大まかな流れをご説明します。

こちらは、あくまで一般的な流れです。手続きには、だいたい1~2か月かかる場合が多いようです。
詳しくは、お住まいの市区町村の担当窓口までお問い合わせください。

児童発達支援 利用の流れ

(1)相談・申請

お住まいの市区町村の担当窓口に相談・申請します

(2)障害児支援利用計画案の作成依頼

障害児相談支援事業所に「障害児支援利用計画案」の作成を依頼します
「障害児支援利用計画案」の名称は各自治体によって異なる場合があります)の作成を依頼します。
障害児支援利用計画案もしくはセルフプランができたら、自治体の担当窓口に提出します。

障害児相談支援事業所は、サービスの利用についての相談や障害児支援利用計画案の作成の依頼ができる事業所です。
「障害児支援利用計画案」の作成にあたっては、料金は発生しません。保護者自身がセルフプランとして作成することも可能です。

(3)調査

調査員が、訪問または面談などで、サービス利用の条件を満たしているか調査をします。

(4)証書等の発行

自治体にて、サービスの支給が決定されると、「受給者証」や「支給決定通知書」をもらうことができます。

(5)通所開始

支給された「受給者証」等を、通所予定の児童発達支援事業所に提示し、契約を結び、通所を開始します。

利用料はどれくらいかかるの?

2019年10月1日より、3歳から5歳までの障害のある子どもたちの児童発達支援等の利用者負担が無償化されました。
対象期間は、満3歳になって初めての4月1日から3年間となっています。これに当てはまらない0~2歳のお子さんの場合は、利用料が必要になります。その場合の利用料は1割負担となり、だいたい1回あたり700~1200円程度のところが多いようです。

ひと月ごとに施設を何回利用できるかは、受給者証の発行時に決められますが、たくさん通う場合でも、利用料は月ごとに上限があります。この上限額は保護者の世帯年収によって異なります。

・生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯…0円
・年収が概ね890万円未満の市町村民税課税世帯…4,600円/月
・年収が概ね890円円以上の市町村民税課税…37,200円/月

これに加え、通所中に昼食やおやつをとる場合は、それぞれに料金が発生する場合があります。料金は施設によって異なりますが1日当たり数百円程度の場合が多いようです。

児童発達支援ではどんなことをするの?

障害をお持ちのお子さんもそうでないお子さんも、乳幼児期はたくさんのことを吸収し成長していく時期です。この時期の経験は、その後の心身の発達においても極めて重要だといわれています。
そのため、児童発達支援では様々な支援を行い、子どもたちの発達を促していきます。

(1)生活スキルの支援

睡眠・食事・排泄などの日常生活で必要なスキルを身につけられるよう、支援を行います。
支援員やスタッフと一緒に、食事をしたり、衣服の着脱の練習をしたりします。1歳半~2歳のお子さんには、トイレトレーニングを行う場合もあります。

(2)運動能力や感覚能力の向上

運動能力や、視覚・聴覚・触覚等の感覚能力のトレーニングを行います。
体操や制作活動のほか、様々な遊びを通して行うことが多いようです。

(3)言語や社会性を養う

周囲との関わりを通して、言語や、社会性を身につけていきます。
発語が出にくいお子さんは絵カードや指差し、身振り手振りを用いて意思伝達を促すなど、一人ひとりの特性に合わせた支援を行います。

また、ごっこ遊びを通して他者への関心を持てるようにしたり、ルールを守れるようにしたりします。さらに、自分の気持ちや情緒の調整もできるように促します。

(4)家庭への支援

お子さん本人への支援だけではなく、家族が安心して子育てを行うことができるよう、家庭への支援を行います。
家でお子さんと過ごす際のアドバイスや、ペアレントトレーニングを行う場合もあります。

以上は、厚生労働省が定めたガイドラインに基づく、児童発達支援の基本的な役割に沿って活動内容を紹介したものです。
児童発達支援を行っている事業所は全国で4,000以上あり、それぞれのセンターや事業所が内容を工夫してサービスを行っています。
直接問い合わせたり、見学するなどして、お子さまに合った施設を見つけるとよいでしょう。

児童発達支援での1日の過ごし方は?

児童発達支援での、大まかな1日の流れをご紹介します。スケジュールは一例です。

9:30~ 順次通所
10:00~ 体調チェック・おむつ交換など
11:00~ 個別支援・歌・体操など
11:30~ 昼食
13:00~ 自由時間・午睡など
14:00~ おやつ
14:30~ 帰宅

事業所ごとはもちろん、季節によってもスケジュールや活動内容は異なります。
また、児童発達支援事業所の中には、保護者に代わって送迎を行ってくれるところも多くありますので、送迎希望の方は各事業所に確認するとよいでしょう。
おやつや昼食についても、デイサービス側が支給してくれるところもあれば、ご自宅からお弁当などを持参する必要があるところもあります。こちらも、事前に問い合わせておくとよいでしょう。

児童発達支援事業とは?どんな施設?何をするの?-まとめ-

今回は、児童発達支援事業についてご紹介してきました。
児童発達支援事業は、通うまでに必要なステップがいくつかあり、時間や手間はかかりますが、通い始めると専門のスタッフによるお子さん一人ひとりに合わせた支援を受けることができます。また、保護者の方も、気軽に子育てについて相談できる環境ができることで、家庭での子育てがしやすくなるなどのメリットもあります。

一方で、通いたくても空きがないというケースや、新しい環境になかなか馴染めないというケースもあります。

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<この記事の参考資料>
障害児通所支援について 市川市公式Webサイト
大田区ホームページ 障害児通所支援
障害児通所支援について 川越市(公開終了)
https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kenkofukushi/fukushikaigo/shogaifukushi/shogaijitsusho.html
障害児通所支援(児童福祉法) 町田市ホームページ
就学前障害児の発達支援の無償化について

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