自閉症児支援から学ぶ「不安」との向き合い方

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こんにちは、55レッスンの生田です。

お元気ですか?今日は、1回でもにっこり笑いましたか?

今、日本は、大変なさなかにあります。
「医療」「教育」のサービスの提供が難しくなりつつあります。
そんな中、55レッスンの「療育」という立場から、皆さんに伝えられることを考えてみました。

不安に飲み込まれそうになる中で、まっすぐに立っていられるように、少しでも力になれればと思います。

療育とは何か?

あなたは「療育」という言葉について、どんなイメージをお持ちですか?

ざっくり説明するならば・・・「療育」とは「治療・医療」と「教育」という2つの側面から発達を促すためのアプローチをしていくことです。

「医療」は、私達の健康や命を支えてくれる、言わば私たちの生活にとってなくてはならないものです。
「教育」はより豊かに生きるためのものです。

健康的な体があるからといって、幸せな生活を送れるとは限りません。
人は、生きている中で「もっとこうなりたい」という願望を抱きます。そうした自己実現欲求を満たすために、学ぶことが必要になってくるのです。

私たちは、10年以上にわたり通信講座という形で自閉症・発達障害のあるお子様の療育に取り組んでまいりました。

その中で、学び得たことはきっと今多くの人に役立つことなのではないか?ささやかながら、そんな思いで今伝えられることを書かせていただきます。

 

先行き不安との向き合い方

自閉症スペクトラムの特性として、先のことを想像することが難しいということがあります。そのため、見通しが持てずに「これからどうなってしまうんだろう」「何が起きるんだろう」という不安が強く出る傾向にあります。そして不安は、様々な問題行動につながります。
たとえば、同じことを何度も聞く、急な予定変更でパニックになるといったことがあります。先が見えないことへの不安を、“先行き不安”と呼んだりします。

“先行き不安”、まさに今日本の人々が抱えている感情ではないでしょうか。この状況がいつ落ち着くのか、現段階ではまだ誰にもわかりません。

そんな中で不安とうまく付き合っていくには、工夫が必要です。

ルーティン化しよう

まずできることとして、明日からこの先1週間の予定をルーティン化することです。

職場へ出かけていってお仕事をされている方は、テレワークになった場合、お休みになった場合のパターンも作成しておくと安心でしょう。
食事や睡眠、入浴、家でできる運動などなるべく決まった時間に設定します。休校中のお子さんの場合も同様です。

落ち着く時間を作ろう

そして、1日の終わりに「振り返り」を行うことをおすすめします。できるだけ「よかったこと」を見つけましょう。そして、いつも通りの1日を過ごせたことに感謝するとともに、明日の予定を確認します。
“不安”は、伝染します。特に子どもたちはとても敏感です。まずは、おとなが落ち着いて過ごせる方法を見つけていきましょう。そうすることで、子どもの安心感へとつながっていくはずです。

伝える時は、肯定表現で

自閉症スペクトラムの場合、「外に出てはいけない」のように、「~しちゃダメ」「~してはいけない」といった禁止・否定の表現は伝わりづらいとされています。
なぜなら、叱られただけでは「何をすればいいのか」がわからないからです。

そのため、指示をする時は、「~をしてください」「~するといいよ」というように、具体的かつ肯定的に伝えることが大切です。叱るときも、「ここに来てください」「話を聞いてください」など、一旦区切りをつけて、子どもが話を聞ける体勢を整えてあげましょう。

子どもがわかる言葉を使おう

また、子ども本人がわかるように伝えるというのも気を付けたいポイントです。
別の言葉で言い替えたり、ゆっくり話したり、あるいは言葉ではなくて、モノを見せながら説明する方がスムーズかもしれませんね。一旦集中させて、落ち着いた環境を作ってあげることも大切です。

最後に、「これからどうする?」と、話の内容を理解できているか確認してあげてもいいでしょう。
そうすることで、「そうだね、よくわかっているね。次はできるね。」と最後は前向きに終えることができます。

自分にも肯定表現を

これは、私たちが今置かれた状況でも心がけたいことです。自分の行動を決めるのは、最終的に自分自身です。
「○○がダメ」「あれもできない」ではなくて、「それなら、私はこう過ごそう」と、何ができるか?何がしたいか?に目を向けるようにしましょう。

自粛ムードが漂う中、活動が制限されて息苦しく感じるかもしれません。そんな中でも、やれることはあるハズ。気持ちの持ち方で見える世界も変わります。お子さんやご家族との間でもぜひ共有してみてくださいね。

でも・・・なかなか、気持ちが切り替えにくいということもあると思います!そんなときには、心の中で考えるだけでなく、ノートに書き出してみるのも良いでしょう。SNSでは、「#STAYHOME」が広まっていますが、「#STAYHOMEANDI…」の部分を大切にしてみてはいかがでしょうか。

今、自分にできること

四谷学院では、家庭での療育プログラムを提供しています。

学校でうまく過ごせない、療育センターになかなかいけない、でも何か家でしてあげたい…
そんな中から知恵を絞って生まれたのが「55レッスン」なんです。

「やってみたい」「おもしろそうだ」「もっとやりたい」
こうした前向きな気持ちを大切にして、それに応えていくのが四谷学院の使命だと思っています。

先日の記事「発達障害のお子様 休校中の過ごし方55選」は、たくさんの方に読んでいただきました。
55のアイデアがありますので、きっといくつかチャレンジしたいものや、意外なものが含まれていると思います。ぜひチェックしてみてくださいね。

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