こんにちは、55レッスンの生田です。
すっかり春の訪れを感じさせる季節になりました。
新学期を迎えたばかり、というご家庭も多いかと思います。
そんな中
「うちの子、ちゃんと授業に集中できるかな?」
と心配されている保護者の方もいらっしゃるかもしれませんね。
発達障害のあるお子さんのなかには、気が散りやすかったり、じっとしたりするのが苦手な子もいます。
そうした場合に学校と連携して情報共有することはとても大切ですが、一方で、教室の中での支援とは別に「家でも子どものためにできることをしてあげたい」という声もよく耳にします。
そこで今回は、ご家庭でできる集中力の高め方についてポイントをまとめてご紹介しています。
合わせてこちらの記事もご覧ください!
https://yotsuyagakuin-ryoiku.com/blogs/gakkou-gokko/
目次
やることリストをつくろう
発達障害のあるお子さんの多くは、先の見通しが立たないことが苦手です。
そのため、その場でやることを伝えられてもうまく処理できない場合があります。
そうした時に大切なのが、事前準備です。
「どの順番で」やるのか
この2点を事前に伝えておくだけでも、見通しを立てられ、課題に集中しやすくなります。お子様の発達段階を考慮しつつ、教科や単元によってはお子さん自身に課題の内容を決めてもらうと、より自主的に取り組めるようになることが期待されます。
また、発達障害のあるお子さんは、耳で聞くよりも目で見る方が理解しやすい傾向があります。そのため「やることリスト」を作ったら、常に目に見える場所に貼っておいて、ひとつクリアできるごとにたくさんほめてあげられるといいですね。
スモールステップで進めよう
さて、やることリストを作っては見たけれど、「なかなか集中時間が続かない……」という場合もあるかもしれません。もしかしたら、やることの区切りが「大きすぎる」のかもしれませんね。
そんなときはスモールステップで計画を立てるということを意識してみましょう。
どのくらいで区切るか?
まずはお子さんの集中できる時間を記録して、現状を把握します。
たとえば10分間は集中できる、ということであれば、10分以内で取り組める課題を出します。そうすることで、無理なく課題をやり遂げられますし、「できた!」という達成感も得られますよね。
課題を達成したら、「やることリスト」にシールを貼るなど、お子さんのモチベーションを保てるごほうびをあげましょう。(もちろん、たくさんほめることも忘れずに!)
この方法でうまくいったら、15分、20分と、徐々に課題の時間を延ばしていきます。
集中力が途切れてしまった時は?
一方で、取り組み中に集中力が切れてしまった場合には、もう少し区切りを短くしたり、ごほうびを変えてみたりと、お子さんの様子に合わせてスケジュールを調節してみます。
また、最低限の声かけ以外”反応しない”ことも大切です。
課題をやめて歩き回るたびに注意をした結果、「課題を放りだしたらかまってもらえるんだ」とお子さんが学習してしまうこともあるからです。
このように「望ましい行動を増やし、不適切な行動を減らす」という支援法はABA(応用行動分析)と呼ばれています。
ABAについては以下のブログで詳しく紹介しています。
落ち着ける環境を作ろう
となりの席のお友達が動いたり、窓の外の様子が気になったり……。
とにかく色々なことが気になって、授業に集中できないお子さんもいます。
周りの刺激に反応してしまう場合は、換気扇の音を小さくしたり、カーテンを半分閉めたりして、まずは外からの刺激を調節しましょう。「どういう環境であれば落ち着いて勉強できるか」を把握することができれば、学校との連携も取りやすくなりますよね。
また、周りの刺激を受け取りやすいお子さんの場合、外での運動が効果的なこともあります。意外に感じるかもしれませんが、全身を使った運動は、お子さん自身で適切に“体に入る刺激”を調整する練習にもなります。
たとえば、ブランコや鉄棒などの遊具は「揺れる感覚」、滑り台は「スピード感覚」、トランポリンは「バランス感覚」などの感覚を体験することができます。
「この場面ではこういう感覚が必要なんだな」という学びを得ていくなかで、次第にご家庭や教室の中でも、必要な刺激とそうでない刺激を判別し、目の前の課題に集中できるようになることが期待されます。
集中力を高める方法は、机に向かって勉強することだけではありません。無理のない範囲で、楽しみながら、いろいろな場面に対応できる力を身につけていけるといいですね。
【祝入学】授業中じっとしていられるか心配。家庭でできる取り組みは?~まとめ~
ここまで、お子さんの集中力を高めるためにご家庭でできる支援についてご紹介してきました。
ついつい忘れてしまうこともありますが、勉強する上で大切なのは、「じっとすること」ではなく「学ぶこと」です。
うまくできたら「じっとできて偉いね!」ではなく、「ここまでできるようになったんだ!すごいね」など、課題の内容に目を向けてあげてほしいと思います。
また、ご紹介したご家庭での取り組みを通して、「見通しを立てるとうまくいく」「20分間は集中できる」「換気扇の音が苦手」など、お子さんの状況を事前に把握しておけると、学校との情報共有がスムーズになります。
お子さまが就学後、たくさんのことを学び、健やかに成長できるように、今のうちからできることを少しずつ増やしていけるといいですね。
四谷学院の55レッスンでは、スモールステップで、お子さまの「できる」を増やします。お子さまの学力、得意不得意を把握するのにもぴったりのシステムです。
もしも苦手な分野があっても、一人ひとりに担任の先生がつくため、お子さまに合った指導を受けられます。
詳しくはホームページをご覧ください。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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