こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。
以前、別の記事で、小学校1年生になったばかりの子供たちの心身の一般的な特性をご紹介しました。
今回の記事では、「この先」をご紹介します。
小学校1年生の子供たちがここからどのように発達していくか、一般的な様子をご一緒に見てまいりましょう。
目次
小学校低学年の子供の一般的な発達
子供たちの心身の成長・発達には、個人差はあるものの、多くの子供たちに共通して見られる特徴があります。
今回の記事で「一般的な」と表現しているものがそれです。
子供たちにとって、心身の成長・発達とは、階段を一段ずつ上っていくようなものです。
どの一段にもそれぞれの特別な意味があり、全てが必要なステップです。
一段飛ばし・二段飛ばしで発達の階段を上ることは不可能ですし、もしも無理に一段飛ばしをしようとすれば、大変な困難と苦痛を伴うでしょう。
大切なのは、「その他大勢・大多数の子供たち」と同じ段にいることではなく、自分自身の成長・発達にとって今まさに必要な段をしっかりと踏みしめ、自分の足で次のステップに上ることです。
今回の記事でご紹介しているのは、あくまでも一般的な事例です。
当てはまらない場合は、お子さんのご様子をよく見つめて、お子さんに合う働きかけを優先してあげてくださいね。
好奇心が強くなり、色々なことを覚えていく
小学校低学年~中学年くらいの子供たちは、優れた記憶力を持っています。
この時期に学んだこと、身に付けたことは、その子の人生の大切な財産になるでしょう。
自分自身の新しい可能性を知り、世界を切り開く糧とするために、ぜひ様々なことにチャレンジしてもらいたいものです。
大人も積極的にサポートしてあげられると理想的ですね。
自分の感情をコントロールできるようになっていく
何かがうまくいかないとすぐにかんしゃくを起こして大声を出す、泣く、周囲の人や物に当たる・・・
そんな姿が次第に影をひそめ始めるのもこの時期です。
何かがあってもグッとこらえ、自分の心の中で感情を処理できるようになっていきます。
ただし、感情という目に見えないモノは、大人ですらしばしば扱いに困るもの。
最近では、「キレる高齢者」などといったニュースも散見されます。
感情を十分に乗りこなせるようになるには、もしかすると一生かけてもまだ足りないのかもしれません。
子供たちが自分の感情を持て余すのは当然のことだと思って、必要な場面では特別な練習も行いながら、じっくりと向き合っていきましょう。
難しい言葉を使うようになる
言語活動が盛んになってきます。
お友達同士のおしゃべりはますます活発になり、大人の話やニュース、読書などから見聞きした難しい言葉も使いこなせるようになっていきます。
大人に対しては敬語を使う、親しいお友達には多少汚い言葉も喜んで使うが知らない相手には使わない、など、相手の属性や距離感に合わせて言葉を使い分ける姿も見られるようになっていきます。
けんかは身体的攻撃から言語的攻撃(口げんか)になっていく
このように言葉で表現する力が十分に備わりだすと、手を出さなくても口だけで十分に相手を攻撃できるようになります。
それにしたがって、身体的なけんかは減り、口げんかが増えていきます。
保育園の乳児クラスや幼稚園の年少~年中クラスでは、おもちゃを取られて相手を押した、気に入らないことがあったから叩いたといったやりとりが日常茶飯事。
この頃の課題は、「今使ってるから後で」「イヤだ、やめて」といったように、まず言葉で気持ちを伝えることを学ぶことでした。
小学校低学年以上の子供たちは、この段階を大きく乗り越え、より複雑な感情や事象を言葉で表現できるようになります。
悪口も多種多様になり、相手を罵倒する言葉や仕草は実にバリエーション豊かです(^ ^;)
手や足を出すまでもなく、気が済むまで十分に言い合える力がついてくるわけですね。
けんかも、子供たちの心の健全な成長のために欠かせない体験です。
度を過ぎないように見守り、必要な場合は大人が仲裁しながら、適度な関わりを身に付けていけるようサポートしましょう。
物事の是非がわかってくる
世の中(学校、地域社会、公共の場所など)には、やって良いこととそうではないことがある、ということを理解し始めます。
「やりたくなくても、やらなければならない」
「ここでは○○をやってはいけない」
このように、自分の意に反することでも、「そういうものだから仕方ない」と受け止め、ある程度は辛抱できるようになります。
自分の感情をコントロールする力が高まってくることも、大いに力になっています。
とは言え、小学校低学年の子供たちの「辛抱する力」は、まだまだ育ち始めたばかり。
あまり過信せず、子供たちの忍耐力に合わせた働きかけを心がけてあげる方が、お互いに安心でしょう。(^ ^)
交友関係が広がってくる
集団生活に適応し、大勢の人々とルールを共有しながら同じ時間を過ごすことに馴染んできます。
「仲良しの友達」以外の、「そんなに仲良くないけど一応友達」「知り合い」「顔見知り」程度の交友関係も維持できるようになります。
クラス全員・学年全員の顔と名前を知っているという子も珍しくなくなります。
交友関係が広がれば、遠くまで出歩くことも増えてくるもの。
特に、自転車やキックボードなど車輪のついた乗り物に乗れるようになると、一気に遊びの距離が広がります。
元気な子は、自宅から驚くほど離れた場所まで遊びに行くことも出てくるでしょう。
子供だけで出かけて良い範囲を決める、連絡を徹底するなど、各家庭で遊びのルールを決めることをお勧めします。
運動能力が急速に増大する
小学校低学年を過ぎると、脚が長くなり、腕力や脚力が強くなります。
身体が大きく成長すると同時に、運動能力は急速に向上します。
たとえばボールを力強く遠くまで投げる・蹴ることができるようになったり、走り方が安定してスピードが速くなったり、難しいバランスを上手に保って一輪車に乗れるようになったり、といったように、幼児のぎこちない身体の使い方を脱する子が増えてきます。
この時期の子供たちは、身体を大きく動かす活動を好みます。
たとえば、ふつうに道を歩いている最中でも、急に走り出す、塀に上る、高いところから飛び降りる、傘を振り回すなど、何かと身体を動かしたがります(^ ^;)
ただ歩いているだけでは満足できないようなエネルギーの充溢を感じているのでしょう。
まっすぐ歩きなさいと指導するだけでなく、スポーツなどの身体活動によってエネルギーを発散できる場を与えてあげると良いでしょう。
自閉症スペクトラムやADHDなど、発達障害の診断を受けている、またはその傾向のあるお子さんの場合、大人からの働きかけには、より一層の心配りが必要です。
お子さんにどう関わればよいかわからない、今の働きかけが我が子に向いているのか不安だ、、、
そんなふうに思われている保護者・指導者の方へ。
55レッスンでは、通信指導を通して望ましい関わり方を学んでいただけます。
具体的なサポート内容については、ホームページや受講相談窓口にてご紹介しています。お気軽にお問い合わせください。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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