ことばの教室とは?どんな支援が受けられるの?【言語通級指導教室】

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こんにちは、55レッスンの生田です。

「ことばの教室」を知っていますか。
ことばの教室とは、発語や発音、ことばを使ったコミュニケーションについての発達が気になるお子さんに支援を行う場所です。

この記事ではことばの教室でどんな支援が受けられるか?について詳しく見ていきましょう。


監修:計野 ちあき(言語聴覚士)
ことばの発達相談室ほっとほっと代表
都内の市や区において指導や研修を担当。言葉と発達相談室 ほっとほっとでは、言葉の発達やコミュニケーションに関しての相談を伺い、お子様の発達に合わせた指導を行っている。詳しいプロフィールはこちら

ことばの教室とは

ことばの教室には大きく分けて2種類の教室があります。
ひとつは通級指導教室として設置されている教室、もう一つは民間の企業や個人が運営している教室です。民間の教室では、それぞれ指導方法や1回あたりの時間、料金が異なります。

今回は、市区町村に通級指導教室として設置されている「ことばの教室」について解説します。

民間の教室についてはこちらの記事でご紹介しています。

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対象者

ことばの教室は、主に小学生・中学生を対象にしています。自治体によっては未就学児も通える場合もあります。指導内容は各教室によって異なりますが、お子さん一人ひとりに合わせた指導を行い、ことばやコミュニケーションの発達を促していきます。

「ことばの教室」と呼ばれるところは「言語障害通級指導教室」のことを指している場合がほとんどです。

また、「きこえとことばの教室」といって、難聴があるなど、きこえに心配があるお子さんの指導も一緒に行っている教室もあります。

通級指導教室とは

「ことばの教室」「言語通級指導教室」についてお話しする前に、そもそも「通級指導教室」とはどういったものか?ということを、簡単にお伝えしますね。

小・中学校に通う子どもの中には、発達に関する困りごとを抱えている児童・生徒がいます。その中でも、大部分の授業を通常の学級で受けながら、別教室で障害に応じた特別な指導を受けることを、通級による指導といいます。その指導を受ける場所が、通級指導教室です。

「言語障害通級指導教室」とは、通級指導教室の中でもとりわけ「ことば」についての発達が気がかりなお子さんが通う教室のことを指します。

また、通級指導教室は小学校に設置されている場合がほとんどで、自校以外の場合は基本的に保護者が付き添って通級します。

通級指導教室については、以前当ブログでも詳しくご説明していますのでこちらも併せてお読みください。

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子どもの主な症状

ことばの教室に通う対象となるお子さんの主な症状を紹介します。以下に当てはまらない、当てはまるかわからない場合でも、気になる場合は、学校の担任の先生や、自治体の担当窓口等に相談してみましょう。
また、ほかの「情緒等・LD/ADHD等・発達障害等」などの通級指導教室に通っている場合は、並行して通えない自治体もあるようです。詳しくはお住まいの自治体までお問い合わせください。

(1)構音障害

ことばを正しく発音できない状態を指します。
例えば、「サ」の音が「シャ」に聞こえたり、「すいか」→「すいた」、「ぱんだ」→「ぱんな」と、特定の音が別の音に置き換わってしまうこともあります。

(2)吃音

話すとき、「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくは…」など、はじめの音を繰り返すことがあったり、「ぼーくは…」と引き伸ばしたりすることがみられます。また、話しはじめるときにつまってしまい、なかなかことばが出てこないこともあります。

(3)ことばの遅れ

発達障害等により、語彙が極端に少なかったり、場面や状況に合わせて話すことが苦手な場合も、「ことばの教室」に通う対象となります。

通級指導教室に通うには

各自治体によって異なりますが、ここでは、ことばの教室に通うまでの一般的な流れについて解説します。
具体的な手順については、お住まいの自治体の担当窓口にご確認ください。

(1)相談する

通っている学校の担任の先生に相談しましょう。

(2)ことばの教室で教育相談を受ける

担当者と面談します。

(3)就学支援委員会による審議を受ける

通級による指導が必要かどうかの審議が行われます。

(4)通級開始

審議の結果、通級による指導が必要であると判断された場合は、「ことばの教室」に通うことができます。

手続きにかかる時間や費用

実際に通級できるようになるまでにどれくらいかかるのかは、空き状況にもよります。原則として、次年度からの利用になる自治体もあるようです。未就学児でことばの教室に通いたい場合は、直接自治体の教育相談に相談してみましょう。
また、通級にあたっての費用はかかりません。

通級指導教室での支援の内容

お子さんの現状と課題に合わせた学習計画を立て、それに沿って指導を行います。グループでの課題などを行うこともありますが、1対1での指導が基本です。

通う頻度はお子さんや学校、自治体によって異なりますが、週に1回45分~90分程度のことが多いようです。

では、教室ではどんな指導が行われているのでしょうか。具体例を見ていきましょう。

※実際の指導方法については、各教室ごとに異なります。

(1)正しく発音できない場合(構音障害)

まずは、発音に関係する舌や唇などの器官の運動の働きを促します。また、正しい音を聞き分ける練習もします。

発音の練習では、母音→子音の順で、単音から始めます。この時、ことばの聞こえ方への影響が大きい音、また名前に含まれるなど使用頻度の高い音から優先的に取り組む場合が多いです。単音の発音がうまくできるようになってきたら、単音節→単語→短文…というように段階を上げていきます。

(2)吃音がある場合

吃音の場合、話し方の指導と、お子さんの心理的な部分にアプローチする指導を組み合わせる場合が多いです。話し方の指導としては、話すときに抑揚やリズムをつけるようにしたり、吃音が起こりやすい言葉を別の言い方にするなどの方法があります。

音読を取り入れることも多いようです。また、毎回の指導の中でお子さんと話す時間を設けることで、発音の練習をしつつ、話すことの楽しさを実感し、自分に自信をもってもらえるようにしていきます。

(3)語彙が少ない・コミュニケーションに課題がある場合

お子さんの状況にもよりますが、発語があるお子さんの場合は、絵カードなどを使って語彙を増やしていきます。

獲得した語彙を生活の中の適切な場面で使うことができるように、やり取り遊びなどを通して、ことばを使ったコミュニケーションを行う練習していきます。

ことばの教室とは?どんな支援が受けられるの?【言語通級指導教室】~まとめ~

ことばの教室ではお子さんの状況や課題を把握し、個人ごとに指導を行っていきます。

ことばの教室の利用を検討している方の中には、教室の定員がいっぱいで入れない、あるいは保護者が共働きのため付き添いが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。

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【参考リンク】
「障害に応じた通級による指導の手引 解説とQ&A(改訂第3版)」(文部科学省 編著)より抜粋:文部科学省
初めて通級による指導を担当する教師のためのガイド:文部科学省
ことばの教室 新宿区教育センター
千代田区ホームページ 特別支援学級・通級による指導
通級指導教室 豊中市
特別支援教育について 津市
さいたま市 通級指導教室

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