こんにちは、四谷学院の療育担当、生田です。
発達支援にかかわる方より、
「ライフスキルとソーシャルスキル、何が違うの?」
というご質問をいただきましたので、回答させていただきます!
ソーシャルスキルとは?
「ソーシャルスキル」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
ソーシャルスキルとは、社会的ルールや場面に応じた会話・行動ができる能力のことを言います。
もともと、ソーシャルとは「社会的な」という意味です。
「ソーシャルスキル」を日本語で訳したときに「社会性を身に付けるとか、社会生活に対応していける力」といった言い方がされることもあります。
社会の中で自立して、そして主体的に人と関わりながら生活していくことができるのは、ソーシャルスキルがあるからとも言えるでしょう。
発達障害とソーシャルスキル
発達障害のある子どもの場合、「ソーシャルスキル」が課題とされることが多く見られます。
また、発達障害児の支援や療育を語る時には、どうしても彼らが苦手な「コミュニケーション」に注目が集まりがちです。
そのために、ソーシャルスキルの必要性が強調されたりするのかもしれません。
しかし、私たちが自立した人間として日々を過ごしていくためには、コミュニケーションスキルとソーシャルスキルに加えて、最も基本的な生きるためのスキルが必要です。それがライフスキルです。
ライフスキルとは?
たとえば、ものを整頓してして部屋を片付ける、掃除も自分でやって、ゴミを分別して収集日に正しくゴミ出しができる。社会の中で毎日を滞りなく生活できるようにしていくことは、将来を見据えた上でとても大切になってきます。
そして豊かな生活経験を重ねられるようにするためには、社会の中でスムーズに暮らしていくことが欠かせません。
このように、社会において生きていくためのスキル、そして豊かな人生を送るための土台となるスキルを総称して、私たちはライフスキルと呼びます。
先に述べたソーシャルスキルも、広く言えばライフスキルと含められると言えるでしょう。
ライフスキルを高めていくことは、子どもたちのQOL(生活の質)を高めることにつながっていくのです。
発達障害とライフスキル
地域社会で暮らしていくためには、様々なスキルが必要です。簡単な家事の他にも、電車やバスの乗り方、電話の出方、あるいは質問や報告の仕方などなど。
しかし発達障害のある子どもの中には、そうした生活の中における基本的なスキルが身に付きにくいケースがあります。
たとえば、身だしなみについて教えるにも、「何のために身だしなみを整える必要があるのか?」ということを根気強く教えていく必要がありますし、着替えの順番やチェックポイントなども、1つひとつ具体的にそして丁寧に教えていく必要があります。
私達が、なんとなく身に付けてきたことや見よう見まねでできるようになったことでも、順序立てて教えていかなければ身に付きません。
「なんでできないの?」
と言ってしまうことは簡単です。
でも
「どうしたらできるようになるか?」
と考えた方が、お子様にとってもそして家族にとっても、ずっとずっと前向きで建設的です。
ライフスキルトレーニングの姿勢
子ども達にライフスキルを教えていくことを、ライフスキルトレーニングと呼びますが、発達障害の特性を理解する、知識を持つことで、ずっと楽に支援、指導していくことができます。
つまり、ライフスキルトレーニングとは、子どものトレーニングでもありつつ、保護者のトレーニングでもあります。
すでにライフスキルトレーニングをスタートした親御さんたちの声をご紹介しましょう。
ライフスキルトレーニングはいつ始めてもOKです。中でも、家庭での時間が増える夏休みや冬休みはスタートするチャンスですね。
講座について、くわしくはホームページでご確認いただけます。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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