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魔法の言葉を気持ちの切り替え支援に活かす

  公開日:2017/10/13
最終更新日:2017/12/22

※この記事は約6分で読めます。

こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。

 

前回のブログでは、わたしたちがほとんど無意識に使っていた「痛いの痛いの飛んでいけ~!」という言葉に含まれている機能を5つに分解してみました。

第1回の記事 ⇒ 魔法の言葉から気持ちの切り替えを考える
第2回の記事 ⇒ 今ご覧のこの記事です

 

今回は、この魔法の言葉を、発達障害の子供たちの気持ちの切り替えの支援に役立てる方法を考えてみましょう。

前回の復習

「痛いの痛いの飛んでいけ~!」という魔法の言葉が持っている5つの機能は、

1.きっかけ
2.伝達
3.共感
4.儀式
5.回復

でしたね。

これらの機能をどのように気持ちの切り替え支援に活かせば良いか、一つひとつ考えてみましょう。

 

きっかけ

発達障害の子供たちの気持ちが崩れるきっかけは実にさまざまです。
その子の苦手な音や香り、イヤな出来事、少しずつ積み重なったイライラなど、色々な場合が考えられます。
その子にとってどんなことがきっかけになりやすいかを把握しておくと支援に活かせます。

 

ここで注意しておきたいのは、「気持ちが崩れないことを目標にしない」ということです。
保護者や支援者の立場としては、子供たちの気持ちが崩れてパニックになったり、活動にうまく参加できなくなったりすることを考えると、気持ちが崩れるような「きっかけ」はできるだけ存在しないほうがよいと感じることもあるでしょう。

でも、よく考えてみてください。
わたしたち大人も、日常生活で、気持ちを全く崩さずに過ごしているでしょうか。
時には気持ちが乱れることだってありますよね。
その気持ちを、自分なりの方法で立て直して、また日々の生活の流れに戻っているのではないでしょうか。
子供たちが目指すべきなのもそこです。

「気持ちは崩れても構わないが、崩れたら自分なりの方法で立て直す」
「気持ちを自分で立て直せる手段と自信を持つ」

痛いの痛いの飛んでいけ~!という魔法の言葉に含まれているのは、この考え方です。
発達障害の子供たちの支援でも、この考え方を大切にしたいものです。

 

伝達

子供が何らかの手段で自分の感情や状況を他者に伝えることが「伝達」の機能でした。

発達障害の子供たちの支援では、「あなたの思いはしっかりわたしに伝わりました」ということをわからせてあげることが大切です。
それによって、子供たちは、「人に伝えること」が大事な一歩となることを体験・理解することができます。

 

 

共感

「つらかったね」
「痛かったね」
など、相手の感情に寄り添い、共感を伝えます。
言葉の表出が少ない~全くないお子さんの場合は、ジェスチャー・表情・絵カード・スキンシップなど、その子に伝わる方法で共感を示しましょう。

「痛いの痛いの飛んでいけ~!」という魔法の言葉においても、「共感」のステップは大切な機能を持っていましたね。
「共感すること」は、相手の痛みを癒す大きな力を持っています。
「共感」のステップは、発達に偏りのある子供たちに、人に相談すること、助けを求めること、人に支えてもらうことの大切さを味わってもらう大切な機会になります。

 

儀式

魔法の言葉が「魔法」として機能するためには、いくつかの条件があります。
「痛いの痛いの飛んでいけ~!」をもう一度振り返ってみましょう。

○いつも同じフレーズ
○いつも同じ動作
○メロディ、リズムがある
○スキンシップがある

支援の場で気持ちの切り替えを促すための魔法の言葉にも、これらの条件を満たしてあげましょう。

 

回復

きっかけ―共感―伝達―儀式、という一連の「気持ちの切り替えの流れ」によって、子供たちは、乱れた気持ちを回復し、切り替えることができたという成功体験を積み重ねていきます。
そうして何度も何度も成功体験を繰り返した子供たちは、次第に「気持ちの切り替えの流れ」を短縮できるようになり、今までよりも軽い働きかけで気持ちを切り替えられるようになります。

 

ここでもう一度、「痛いの痛いの飛んでいけ~!」という言葉を使う場面を想像してみてください。
最初は大人の丁寧な儀式や慰めが必要だった子供たちが、そのうち、大人に痛みを共感してもらうだけで儀式を必要とせずに回復できるようになり、さらには大人が離れたところから声をかけて「大丈夫?」「うん」といったやりとりだけで済むようになる、といったように、「魔法の言葉」の使い方は少しずつ変化していきますね。

きっかけから回復までの成功体験を数多く蓄積した子供たちは、外部からの働きかけがなくとも、自分の中の成功体験を引き出して、自分で気持ちを切り替えられるようになっていきます。
これが、「気持ちの切り替えの流れ」を短縮する、ということです。

 

 

将来的に子供たちが自分で自分の気持ちをコントロールし、切り替えるためのスキルを育てるには、単に気持ちを乱れさせないとか、単に早く気持ちを切り替えさせるとか、を目指すだけでは足りません。
大人のサポートによって「自分で気持ちを切り替えられた」という成功体験を何度も味わうことで、「気持ちの切り替えの流れ」を少しずつ短縮し、最終的には魔法の言葉や儀式を使わなくても気持ちを回復できるようになるのです。

 

「できた!」という成功体験こそが、子供たちの主体的な生きる力を引き出します。
気持ちの切り替えの支援にも、魔法の言葉の5つのステップを参考に、「できた!」と思える体験を組み込んでみてください。

子供たちが主体的・自律的な気持ちのコントロールスキルを育てられるよう、サポートしてあげられれば嬉しいですね。

それでは、また!

 

 

第1回の記事 ⇒ 魔法の言葉から気持ちの切り替えを考える
第2回の記事 ⇒ 今ご覧のこの記事です

 

 

55レッスンの担任は「やればできる!」の成功体験を大切に、子供たちの主体的な生きる力をはぐくむことを目指しています

 

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