自分の強みを活かして生きる

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こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。

 

わたしの知り合いに、診断は受けていませんが、おそらく発達に偏りがあるだろうという人がいます。
衝動的に反応したり、多動ぎみに動き回ったりする様子が見られ、知的な発達もややゆっくり目です。
言葉の理解と使い方が不十分な点があり、実際の出来事とは異なるように言葉で表現してしまうため、彼の言葉を鵜呑みにした大人が混乱し、トラブルを大きくしてしまうこともしばしば。

その特性によって、彼自身も彼の家族も、色々な苦労をしてきました。
社会的なトラブルを起こしたり、友人関係のもつれが保護者を巻き込んだトラブルに発展したりと、彼の行動は何かと困ったおおごとになりがちです。
学校や地域の目は、正直に言ってあまり彼に寛大ではありません。

 

けれども、彼は、社会的弱者に優しいまなざしを持った人です。
年の離れた弟や身体の不自由な祖父の面倒も全く嫌がらずに見ています。
その様子は実に自然で、真心がこもっています。
学校でも、発達障害のお友達や、日本語がよくわからない外国人のお友達が、彼の周囲にいる時だけは笑顔で楽しそうにしている、ということです。

 

彼は、どうひいき目に見ても、現代の資本主義社会で成功するようなタイプではありません。(^ ^;)
お世辞にも勉強ができるわけではありませんし、機敏にテキパキと状況を見極めて動く賢さ、素早さのようなものは、薬にしたくもない感じです(^ ^;)
でも、これからの社会に本当の意味で必要なのは、彼のように無作為の優しさを自然に発揮できる人ではないかと感じています。

彼の強さを発揮できるのは、たとえば高齢者の介護施設やデイケアセンターなど、ゆったりとした時間の流れの中で、穏やかな、かつ元気のよい働きかけを要求されるような現場ではないかと、わたしは(勝手に)思っています。

 

 

人は誰でも、自分の得意分野を持っています。
たとえばわたしは文章を読んだり書いたりすることは得意ですが、決まった時間に決まった場所に行くことや、ルールに従うことが苦手です。
ですから、たとえば一般的な会社員のような、ルーティンに基づきルールに従うことを前提とする働き方は、わたしには少々窮屈に感じられます。

 

先述の彼も、勉強や一般企業の経済活動で成功しようと思うと、おそらく相当な努力を必要とするでしょう。
本人のやる気があればもちろん不可能ではありませんが、やる気がない場合は、向いていないことを達成しようとするためにかなりの苦労を伴い、苦痛も味わうことになるでしょう。

でも、彼が自然に、ごく当たり前に周囲に向けている優しさを必要としている人はたくさんいて、その現場でならば、彼の存在はきわめて重要な価値を発揮できるはずです。

わたしたちは、自分が生活する場として、このような「自分の得意さが活きる場」を選ぶべきですね。

 

発達に偏りのある人は、どちらかというと、自分の苦手さに目を向けて、苦手さを克服しようとして苦労していることが多いように思います。
でも、世の中というものは、そんなに狭いものではないですよね。
自分の得意さが活きる場はきっとあります。
苦手さを何とかするのも大切ではありますが、その前に、自分の得意さに目を向けてしっかり把握してあげてほしいなあと思います。

 

何が自分の(または自分の家族の)得意さなのか?
一人ではなかなか見つけられないと思う時は、ぜひ信頼できる誰かに相談してみてくださいね。

あなたとあなたのご家族が、才能を最大限に発揮して楽しい毎日を過ごされますように。
それでは、また。

 

 

55レッスンは「誰でも才能を持っている」を信念に、受講生の得意さを見つけるサポートをしています。

 

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