子どもの偏食や感覚過敏へのNGな支援法 ~ジェットコースターだけが遊園地じゃない!~

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こんにちは!
きょうだい児スタッフの小野原です。

突然ですが、皆さんは絶叫系の乗り物は好きですか?
ちなみに私は大好きです!

絶叫系の中でも特にお気に入りなのがジェットコースターで、日本各地の「ヤバい」と言われているコースターは、だいたい制覇したのではないかと思います。
「全く怖くないんだよね~」という方もいらっしゃると思うのですが、残念ながら私はそのタイプではありません。ちゃんと怖いです。

でも、どんなに怖くても安全バーは握らずに乗るのが私流の作法。

ガタガタと揺れる車体、だんだんと小さくなっていく人や建物、ゆっくり近づいてくる空、頂上に着いてすぅっとを吸い込むと、次の瞬間にはフワッと体が浮いて、一直線に地面に引きずり込まれる感覚。

風と重力を一身に受けながら思いっきり叫ぶあの爽快感は、他では味うことができません。

さてさて、そんな私のような絶叫系フリークな人もいれば、もちろん、苦手な方もいらっしゃいますよね。

苦手な理由も人それぞれで、「体が浮く感覚が嫌だ」という方もいれば、「高いところが怖い」「体が固定されて身動きが取れないのがつらい」「事故が起こったらどうしようと考えてしまって乗れない」など、皆さんそれぞれの思いがあると思います。

そんな絶叫ニガテ民に対して、絶叫好きたちはこう思います。

「別にそこまで怖くないのに」
「とにかく1回乗ってみればいいのに」

しかし、そこで意見を押し付けてしまうのは考え物。

実際に、楽しいはずの遊園地で、ジェットコースターに乗る・乗らないでケンカになってしまい、それが原因でお別れしてしまったという友人カップルもいました。それ以降、友人は遊園地そのものが大嫌いになってしまったそうです。

誘った相手が「ほんとだ~!意外と楽しいじゃん!」となればいいのですが、中には強制されることをストレスに感じてしまう人もいます。

まさに同じことが、偏食や感覚過敏のお子さんの支援の場面でも起こりえます。

私たちはつい、偏食のあるお子さんに「ひと口だけ食べてみたら?」と言ったり、感覚過敏のあるお子さんに「ちょっとだけ、触ってみようよ」と言ったりすることがあります。

もちろん、言葉かけで克服できる場合も大いにあります。
しかし、うまくいくことばかりではありません。

偏食のお子さんが、「全てのおかずを最低ひと口は食べよう」という給食指導が元で学校へ行けなくなってしまったというケースや、聴覚過敏のお子さんが、全員参加の発表会の練習が辛くて、それまでになかった自傷行為が始まってしまったというケースもあります。

支援者が良かれと思ってしたことが、かえって子どもを苦しめることにもなりうるのです。

そうならないために大切にしたいのが、「本人の意欲があるかどうか」という視点です。

支援者は、その子自身が食べてみたいと思っているのか、参加したい、触ってみたいという気持ちがあるのかどうかをしっかり見極めましょう。

本人に意欲があるなら、「ひと口だけ」「少しだけ」「短時間だけ」「まずは見るだけ」といったスモールステップの支援は非常に有効です。しかし、まだ本人にその気持ちがないのであれば、こちらの押しつけになっている可能性があるということも覚えておきましょう。

そしてもうひとつ、「多様な視点を持つ」ということも大切です。

例えば、絶叫系が好きな人にとって、遊園地とは「スリルを味わうところ」である場合が多いです。

けれども、同じ場所でも楽しみ方は人それぞれ。
むしろ乗り物に乗らなくたっていいんです。
キャラクターとのふれあいが好きな人もいれば、オリジナルのグッズや食べ物を楽しむ人もいます。まずは、そのことに気づくことが大切です。

もし「友達と遊園地に行きたいんだけど、ジェットコースターに乗れないからどうしよう」と尻込みしている様子が見られたら、「『どうしても乗れないから、お土産を見て待っているね。楽しんできて!』って言ってみたら?」と、その場の切り抜け方を教えてあげるのもいいでしょう。

どんなでもそうですが、無理に「克服する」以外にも参加の仕方や関わり方は、思った以上にたくさんあるものです。

まずは大人の私たちが、子どもの気持ちを汲み取り、多様な選択肢に目を向けていくことが大切なのではないでしょうか。

四谷学院の発達障害児支援士では、事例ごとのケーススタディを元に、発達障害児や発達障害の傾向のあるお子さんとの適切な関わり方を学んでいます。

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