国立特別支援教育総合研究所(NISE)に行ってきました!~インタビューその3~

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こんにちは、55レッスンの生田です。

11月10日土曜日に行われた国立特別支援教育総合研究所の「研究所公開」に伺ってきました。
この記事では、発達障害教育推進センター「特別インタビュー」第3弾をレポートします。

インタビュー第1弾はこちら

インタビュー第2弾はこちら

特別支援教育における発達障害を考える

発達障害教育推進センターの総括研究員でいらっしゃる横山貢一先生にお話を伺いました。


発達障害教育推進センター総括研究員 横山貢一先生

[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”] 保護者の方の中には、公立学校より私立学校の方が手厚いケアをしてもらえるのでは?と考える方もいらっしゃるようですが、実際はいかがでしょうか? [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”横山先生”] 私立学校だから特別支援に力を入れているかと言われれば、そうとは限りません。ただ、私立学校は特徴的なコースを設けたり、校風として特別支援教育を大事にすることを全面に出したりすることができるので、学校によっては、丁寧な支援を受けられることが期待できるでしょう。
たとえば、少人数で学級編制をしている学校では、人数が少ないことによって先生の目が行き届きやすく、結果的に丁寧な指導が可能になるといったことが考えられます。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”]通常の学級か特別支援学級か、特別支援学級か特別支援学校か、就学先を決める上でのポイントはありますか? [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”横山先生”] まずは、小学校入学時に、各自治体で実施している「就学相談」を受けて、専門家チームの方々の意見を聞くなどして、判断材料をたくさん持つことが大切です。
ポイントとしては、目の前の小学校のことだけを考えて決めてしまうのではなく、お子さんが中学・高校と進学した時、社会に出る時…と、長い目で見て判断できると良いでしょう。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”]「今だけ」ではなく、将来を見据えて考えるということですね。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”横山先生”] 先を見通した時に、「じゃあ、そこを目指すためには、どんな力をつける必要があるのか。」「その力を一番つけやすいのは、どの学びの場なのか。」というように、将来のお子さん像を起点に考えられると良いと思います。
また、入学時に決まった就学の場が、お子さんが6年間過ごす場とは限りません。たとえば、最初は特別支援学級に入ったお子さんでも、そこで力がついてきたら、通常の学級に移って通級で指導を受けるといったことができます。なので、保護者の方の期待とお子さんへの負荷のバランスも考えて決断していただければと思います。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”] 特別支援学級の対象となるお子さんについて、教えてください。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”横山先生”] 特別支援学級は、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害などの障害別に学級が設置されます。そのため、知的障害を伴わない発達障害の場合は、通常の学級に入るという基準になっています。ただ、自閉スペクトラム症などがあるため対人関係などがうまくいかず、通常の学級での学習が困難な場合などは、特別支援学級に入ることができます。 [/speech_bubble]

[speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”] 「通級」という手段もありますが、どんな子たちが通級の対象になるのでしょうか? [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”横山先生”] 学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症といった発達障害のあるお子さんを対象にした教室もあれば、言語障害や難聴、弱視などの障害種に対応する通級の設置が可能となっています。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”] 通級の利用者は増えているとか? [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”横山先生”]通級利用者は年々、増加傾向にあります。特別支援学級は、対象となるお子さんが在籍することで開設されます。一方、通級の教員はこれまで国からの加配措置となっていました。そのため、たとえば通級が必要な子がいたとしても、自治体の実情で近隣の他校に通級を開設するといったことや、通級を5教室作りたくても国から配置される人員が4人しかいないために一部開設できない、といったことがありました。
そんな中、通級による指導を必要とするお子さんが増えてきたことから、“通級待機児童”と言われる「通級に通っていないけれど実際は通級を必要としているお子さんたち」も存在したのが実情です。このような問題を踏まえて、2017年度から特別支援学級と同様に、通級の教員配置も「基礎定数化」されました。それにより、必要なお子さんがいれば通級を開設できるようになりました。
今のところは児童生徒13人に対して教師1人という基準があるので、すぐに通級待機児童の問題がクリアになるわけではないと思いますが、利用者数は今後さらに増えていくことでしょう。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”] 東京都では、通級でなく「特別支援教室」という形で支援を行っているんですよね。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”横山先生”] 東京都では、通級を特別支援教室というスタイルに移行しました。通級と違い、A小学校、B小学校、C小学校とあった時に、全ての学校に特別支援教室が作られます。先生は、各学校の特別支援教室にいるわけではなく、拠点とする学校の近隣の学校を巡回指導します。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”] 巡回指導というスタイルなのですね。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”横山先生”] 特別支援教室では、巡回指導の先生と特別支援教室専門員とが協力して支援にあたります。自校に通級がなく他校通級する必要があったお子さんたちの移動の負担がなくなるといったメリットがあります。
特別支援教室は、東京都独自の取り組みですが、巡回指導という形で取り組んでいる自治体や学校は、東京都以外にもあります。特別支援教室の形を参考に取り組みを工夫する自治体は、今後増えていくかもしれませんね。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”四谷学院”] 学校における特別支援教育の体制は、どんどん進化しているのですね。一方で体制が整うまでには、地域差があったりと時間を要するのも実情なのですね。今後に期待したいです。 [/speech_bubble]
このインタビューは、四谷学院療育プログラム(55レッスン)が行いました。

学校ではフォローしきれない部分を補うために、四谷学院55レッスンに取り組まれているというご家庭もたくさんあります。
55レッスンについて詳しく知りたい方は、ホームページをご覧ください

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