こんにちは、55レッスンの生田です。
11月10日土曜日に行われた国立特別支援教育総合研究所の「研究所公開」に伺ってきました。
この記事では、発達障害教育推進センター「特別インタビュー」第4弾をレポートします。
特別支援教育における発達障害を考える
発達障害教育推進センターの総括研究員でいらっしゃる横山貢一先生にお話を伺いました。
発達障害教育推進センター総括研究員 横山貢一先生
保育所・幼稚園や専門家の力も借りながら、実態把握をした上でどんなことで困りそうか、それを防ぐためにはどんな手立てが必要かを考えられると良いでしょう。保育所や幼稚園から小学校にお子さんの情報をきちんと引き継ぐことで、適切な支援が行えます。
たとえば、1学期の終わり頃に幼稚園の先生に小学校に来ていただいてお子さんの様子を観察していただき、できるようになったことや、手立てを打ったもののうまくいっていないことなどの情報を共有するといったことが行われています。
ただ、支援や指導を考える上で、お子さんの実態に即しているかという見極めが必要になってきます。それがないがしろになると、全くお子さんに合っていない支援をしたり、できることなのに支援をしてしまったりといったことが起きかねません。これからは、支援・指導の質を高めていくことが課題になってきます。そのために、まずは一人ひとりの実態把握をしっかり行うことが重要です。診断名に関わらず、「本当にその子ができなくて困っていることは何のか?」ということを追求した上で、支援や指導を行っていくことが、特別支援教育の核となります。
また、ユニバーサルデザインという考え方も広がってきています。
たとえば、3年2組に教科書を読むことが苦手な子がいるとします。その子が読みやすいように拡大したプリントを用意しました。そのプリントはその子のために用意したものでも、「使いたい人はみんな使っていいよー!」と希望者全員が使えるようにします。学びやすさを広く提供することで、どのお子さんものびのびと学ぶことができます。
特別支援教育の発想を生かした授業づくりや指導が、今後充実してくるのではと期待しています。
先ほど、お子さんが何に困っているかを把握することが大切とお話ししましたが、そのためには想像することが必要になってきます。とはいえ、未知の世界の状態では、想像することって難しいですよね。だから、体験してみることが大切だと思うんです。初回は一緒に行い、翌年以降は教育委員会や教育センター主体で行っていただいています。実施にあたっては、できるだけ教育だけでなく、福祉の部局も巻き込んで一緒にやらせてほしいとお願いをしているんです。
そうした働きかけもあって、県の発達障害者支援センターの方や放課後等デイサービスの指導員の方にもご参加いただきました。研究所公開で展示している教材や教具の一部も展示し、動画配信している講義を実際にその場で見てもらい、「WEBサイトでも見られるんですよ」と紹介しています。2018年は、和歌山県、秋田県、兵庫県の姫路市で行う計画です。2017年は、宮崎県、徳島県、神奈川県の川崎市、千葉県の習志野市で行いました。
横山先生、本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
55レッスンでは、個別のサポートを通して、お子さんが何に困っているのか、どうしてあげるといいのかを、担任の先生が保護者の方と一緒に考えていきます。
55レッスンについて詳しく知りたい方は、ホームページをご覧ください
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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