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国立特別支援教育総合研究所(NISE)に行ってきました!~インタビューその4~

  公開日:2018/12/28
最終更新日:2018/12/19

※この記事は約7分で読めます。

こんにちは、55レッスンの生田です。

11月10日土曜日に行われた国立特別支援教育総合研究所の「研究所公開」に伺ってきました。
この記事では、発達障害教育推進センター「特別インタビュー」第4弾をレポートします。

インタビュー第1弾はこちら

インタビュー第2弾はこちら

インタビュー第3弾はこちら

特別支援教育における発達障害を考える

発達障害教育推進センターの総括研究員でいらっしゃる横山貢一先生にお話を伺いました。


発達障害教育推進センター総括研究員 横山貢一先生

四谷学院
小学校就学までにやっておいた方が良いことはありますか?
横山先生
一概には言えませんが、お子さんの小学校生活を支える上で必要になるのは、お子さんの実態をよく把握することですね。
保育所・幼稚園や専門家の力も借りながら、実態把握をした上でどんなことで困りそうか、それを防ぐためにはどんな手立てが必要かを考えられると良いでしょう。保育所や幼稚園から小学校にお子さんの情報をきちんと引き継ぐことで、適切な支援が行えます。
四谷学院
これまで通っていた園と小学校の協力体制が整っているところもあるようですね?
横山先生
園や学校、地域により差があるのが現状ですが、中には引き継ぎを終えてお子さんが小学校に入学してからも、保育所や幼稚園がフォローアップしているというケースもあります。
たとえば、1学期の終わり頃に幼稚園の先生に小学校に来ていただいてお子さんの様子を観察していただき、できるようになったことや、手立てを打ったもののうまくいっていないことなどの情報を共有するといったことが行われています。
四谷学院
園によっては「支援シート」を作成したり、自治体が保護者向けに配布したりしていると聞きました。
横山先生
園でお子さんの情報をまとめた支援シートを作成して、小学校への引き継ぎの資料として活用しているところもあるようです。「支援シート」、「サポートブック」など色々な名称がつけられています。こうした支援シートのようなツールは、園が作っていることもあれば、教育委員会や役所の福祉課が作っていることもあります。地域によってはWEBサイト上にデータをアップしているので、保護者の方がダウンロードして支援につなげていくのも良いでしょう。
四谷学院
55レッスンのブログでもご紹介しています。

進級・進学時にも!都道府県「サポートブック」テンプレートまとめ

四谷学院
最後に、大きな話になりますが、今後の特別支援教育はどのように発展していくのでしょうか?
横山先生
ここ数年で、保護者の方も学校の先生も、インターネット等の普及により知識を得やすくなりました。より多くの支援者の方が知識を身につけることで、特別なニーズのあるお子さんたちが適切な支援や指導を受けられるようになると思われます。
ただ、支援や指導を考える上で、お子さんの実態に即しているかという見極めが必要になってきます。それがないがしろになると、全くお子さんに合っていない支援をしたり、できることなのに支援をしてしまったりといったことが起きかねません。これからは、支援・指導の質を高めていくことが課題になってきます。そのために、まずは一人ひとりの実態把握をしっかり行うことが重要です。診断名に関わらず、「本当にその子ができなくて困っていることは何のか?」ということを追求した上で、支援や指導を行っていくことが、特別支援教育の核となります。

また、ユニバーサルデザインという考え方も広がってきています。

四谷学院
ユニバーサルデザインとはどういったものですか?
横山先生
特別支援教育は、支援を必要とする特定のお子さんに対して行われるものであるのに対し、ユニバーサルデザインは、クラス全員がわかりやすい授業を目指そうという考えです。このユニバーサルデザインを実現するために、特別支援教育の考え方や取り組みが生きてきます。特別支援教育として行っている個別の支援をクラスに取り入れることで、どのお子さんにとってもわかりやすい授業になるからです。
たとえば、3年2組に教科書を読むことが苦手な子がいるとします。その子が読みやすいように拡大したプリントを用意しました。そのプリントはその子のために用意したものでも、「使いたい人はみんな使っていいよー!」と希望者全員が使えるようにします。学びやすさを広く提供することで、どのお子さんものびのびと学ぶことができます。
特別支援教育の発想を生かした授業づくりや指導が、今後充実してくるのではと期待しています。

四谷学院
発達障害教育推進センターは、そうした考えや取り組みの広がりを支えているのですね。
横山先生
私たち発達障害教育推進センターは、「発達障害地域理解啓発事業」といって、全国の教育委員会や教育センターと一緒に、その地域で色々な方々を対象に発達障害の理解を広げていこうという取り組みを行っています。

先ほど、お子さんが何に困っているかを把握することが大切とお話ししましたが、そのためには想像することが必要になってきます。とはいえ、未知の世界の状態では、想像することって難しいですよね。だから、体験してみることが大切だと思うんです。初回は一緒に行い、翌年以降は教育委員会や教育センター主体で行っていただいています。実施にあたっては、できるだけ教育だけでなく、福祉の部局も巻き込んで一緒にやらせてほしいとお願いをしているんです。
そうした働きかけもあって、県の発達障害者支援センターの方や放課後等デイサービスの指導員の方にもご参加いただきました。研究所公開で展示している教材や教具の一部も展示し、動画配信している講義を実際にその場で見てもらい、「WEBサイトでも見られるんですよ」と紹介しています。2018年は、和歌山県、秋田県、兵庫県の姫路市で行う計画です。2017年は、宮崎県、徳島県、神奈川県の川崎市、千葉県の習志野市で行いました。

四谷学院
適切な支援を考える上の初めの一歩が、お子さんを知ることなんですね。
横山先生、本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
このインタビューは、四谷学院療育プログラム(55レッスン)が行いました。
55レッスンでは、個別のサポートを通して、お子さんが何に困っているのか、どうしてあげるといいのかを、担任の先生が保護者の方と一緒に考えていきます。

55レッスンについて詳しく知りたい方は、ホームページをご覧ください

 

 

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