こんにちは、四谷学院の発達障害児支援士の発田です。
療育を受けるなら早い方が良いと聞きますが、本当ですか?
というご質問をいただくことがあります。
その答えは「YES」です。
今回は、その理由についてお話をしてきます。
療育の進め方
発達障害のあるお子さんへの療育は、そのお子さんの発達の状況にあわせて行っていくのが大前提です。
では、必ずしも早い時期から取り組む必要はなくて、大きくなってから療育を受けてもいいのか?という疑問も出てくるかもしれません。
発達障害の原因
自閉症スペクトラムなどの発達障害は、脳の機能的障害が原因であるとされています。
そうした傾向をもつ子どもたちにとって、早期療育は決定的な意味をもちます。
脳の発達
なぜなら、脳の発達期にある子どもたちに適切な療育を施すことによって、脳の新たな分野が活性化され、神経のネットワークが作られるからです。
この大切な脳の発達期にその発達を促していくことで、子どもたちが苦手とすることであっても少しずつできるようになったり、代替手段を身に付けられたりすることができます。
社会性の育ち
また、身近な人や周囲の物とのかかわりを深め、興味・関心の対象を広げ始めるのが幼児期です。少しずつ社会性が広がっていく幼児期において、できるだけ早くに療育を始めることでその後の社会適応力が高まると言われています。
脳の機能を高めつつ、社会性を育てていくのが、この大切な時期になってきますが、もちろん、療育の内容が「適切」かも重要です。特に幼いうちは家庭で過ごす時間が長いため、専門家の指導に基づいた家庭での日々の療育が大切です。
特性理解
子どもの最大の理解者は家族です。家族の理解があることで、家が安全地帯となり、子どもが安心して過ごせる場所になっていきます。また、家から地域、園や学校へと、周囲の理解を得られることで、子どもも家庭以外の場所でも、いきいきと過ごせるようになっていきます。
早期療育によって「子どもとどのようにかかわっていくのか」ということについて、保護者ご自身が理解を深めていく時間も必要でしょう。
家族の障害受容
障害受容という言葉があります。障害があることを受け止めて、受け入れることです。言葉で言うと簡単ですが、これにはとても時間がかかります。頭では分かったつもりでも、心が受け入れないこともあります。あるがままでいられるまでに、お子さんの特性や発達障害の特性を十分に理解し、お子さんとの絆を一緒に作っていきます。
これは何も特別なことではありません。子育てには当たり前のことともいえるでしょう。子どもを見つめ、子どもと一緒に保護者も育っていく時間は、「遅くてもいい」ということはないのですね。
お子さんの特性をよく知っていれば、もしも何かお子さんが困ったことがあっても、対処方法がきっと変わってきます。子どもに合わせた対処方法を学んでいくことはこの時期とても大切なことになります。
四谷学院の55レッスンは、お子様と一緒に保護者もスキルアップできる講座です。 療育センターなどと併用して活用される方も多く、さらに、「発達障害児ライフスキルトレーナー資格認定」を目指す保護者も増えてきました。専門家から学んだスキルを、日常の中に生かしていく、自分の子どものケースに沿ってアレンジしていく。そうすることで、子どもの可能性を広げ、保護者の方も充実した時間を送れるように、私たちはいつも願っています。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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