早期療育はなぜ大切?【発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)】

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療育を受けるなら早い方が良いと聞きますが、本当ですか?
というご質問をいただくことがあります。

その答えは「YES」です。

では、どうして「早い方がいい」のでしょう。
明確な理由や根拠がないと、なかなか行動にも移しづらいですよね。

そこで今回の記事では、早期療育がおススメの理由について解説していきます。療育を始めようかどうか迷っているけれどあと一歩踏み出せない、そんな方は、ぜひ参考になさってくださいね。

動画はこちらをどうぞ!👇

理由1:発達の土台が築かれる

神経発達の著しい0歳~6歳頃までは、発達の土台を築く大きなチャンスとされています。

こちらの「発達ピラミッド」とよばれるイラストを見てください。

通常、発達は下から上へと進みます。
そして、一番下の土台となるのが「触覚」「視覚」「聴覚」など、おもに五感に該当するものになります。もしも土台がぐらぐらしていると……

上の方までグラグラして、スムーズな発達が難しくなることが分かりますよね。

神経が飛躍的に発達する時期である幼少期に療育を始めることで、ピラミッドの土台である五感の発達が促されると言われています。

実物のピラミッドと同じように、大きく、そして崩れにくいピラミッドを作るためには、土台をしっかりと丁寧に固めていくことが欠かせません。

つまり、コミュニケーションや学習面など、ピラミッドの上位にあるものをスムーズに身につけるためにも、早期療育は非常に大切であると言えるでしょう。

理由2:二次障害を予防する

発達障害のあるお子さんは、かんしゃくが多かったり、言葉が遅かったり、集団行動が苦手であったりと、日常生活を送る上で様々な困難を抱えやすい傾向があります。

また、見た目にはわかりにくい障害であることから、周囲の人に理解されにくいという辛さもあるでしょう。

周囲から理解が得られず、自分を否定されたり受け入れられなかったりする状態が長く続くと、将来的に、うつなどの二次障害を併発する可能性も出てきます。

一方で、療育ではお子さんの「できること」に注目しながら、その力を最大限に引き出すアプローチを行います。また、お子さんが苦手とすることには共感して、どうしたらできるようになるかを子どもの目線で考えていきます。

療育を受ける中で、お子さんはできないことができるようになったり、周囲からほめられたり、受け入れられたりする経験をたくさん積んでいきます。これによって、特性を踏まえた上で工夫して物事を解決する力だけでなく、自分を肯定的に捉える力、つまり自己肯定感が身についていくのです。

この「自己肯定感」が、生きていくうえでとても重要な感情であることは、最近では広く知られていますよね。

このように早期療育は、ただ単に早い段階からトレーニングを積むということにとどまらず、お子さんがこれからの人生をおくるうえでとても大切な自尊感情を守り、自己肯定感を育んでいくという側面もあると言えるでしょう。

理由3:子どもとのかかわり方が分かるようになる

療育を行うことで、本人の困りごとは少しずつ改善されていくはずです。
でも、困っているのは本人だけでしょうか?
本人と同じくらい、保護者の方も困っていらっしゃるのではないでしょうか。

早期療育をするメリットは、お子さんが成長していくステップを保護者の方も一緒に歩んでいくことができるところ。そして、今まで分からなかったお子さんとの適切な接し方というのが、早いうちから分かるようになるところです。

お子さんの一番近くにいる保護者の方が子どもとの適切な関わり方を習得するのが早ければ早いほど、お子さんにとって、そして保護者の方にとっても良い影響をもたらすのは明白ですよね。

この「子どもとの適切な関わり方がわかる」というのは、早期療育のメリットとして意外と盲点なのではないかと思います。

もちろん、公的療育や民間療育に預けるだけではそうした「関わり方」は身につきませんから、ご家庭でも療育を施していくことが大切になります。

まとめ:早期療育の重要性

ここまで、早期療育がおススメな3つの理由についてお話してきました。

誤解のないように言うと、療育は何歳からであってもお子さんにとって良い影響をもたらします。

しかし、自分の特性との付き合い方を知り、周囲の人の理解を得られる環境で過ごせる時間が長ければ長いほど、本人が前向きに過ごせる時間が長くなるのもまた事実です。

お子さんのため、そして保護者の方のために、療育を始めるか迷われている方は、ぜひこの機会に検討してみてくださいね。

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