学習障害LDの特性と支援の基本その3

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こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。

連続記事第3回の内容は、「子どもたちへの働きかけ」です。
 
これまで2回に分けて、学習障害(LD)についてご紹介してきました。
 

子どもたちが持つ苦手さの一例
⇒ 学習障害LDの特性と支援の基本その1
 
苦手さの背景にある障害特性
⇒ 学習障害LDの特性と支援の基本その2
 
これらの特徴を踏まえて、子どもたちにどのように働きかけていけばよいのか

支援のポイントをまとめてみましょう。

何に困っているか見極める

学校の先生ならば、算数や国語などの授業場面で、

家庭の保護者ならば、食事や身じまい、入浴や着替えなど日常生活のふとした場面で、

子どもたちが困っている様子に気付くことでしょう。
 
ある場面での困り感に気付いたら、ぜひ行っていただきたいのが

「それ以外の場面」での様子も含めて見守る

ということです。

これによって、お子さんがどこに苦手さを感じているか、具体的に見えてきます。
 

 
たとえば、教科書を音読する時に、一文字ずつぎこちなく読んでいく様子があれば、
 
目の動かし方が苦手なのか?
見る力が弱いのか?
言葉のまとまりを意識することが苦手なのか?
 
などと、いくつかの理由が想像できます。

その上で日常生活を見守ってみた時に、遊びの最中にボールを目で追えていない様子があったとしましょう。

すると、目でものを追う力が弱いのかもしれない、という仮定が浮かび上がってきます。
 
このように、お子さんの日常生活を丁寧に見守り、複数の事例から考えることで、

お子さんの苦手さを明確に見極めていくことができます。
 

子どもの苦手に合わせた工夫を

苦手さを把握したら、お子さんそれぞれに合わせた支援を工夫していきましょう。
 
たとえば、見ることが苦手で文章を読めないなら、

◎文章にラインを引いて目立たせる
◎追視・注視がしやすい教材を作る

などの働きかけが考えられます。
 
またたとえば、聞き取る力が弱いなら、

◎話し手の声に集中できるように注目させてから話す
◎短くはっきりした表現で話す
◎視覚的に伝える

などの働きかけが考えられます。
 
言葉の理解力、ワーキングメモリ、手先の器用さ、などに弱さがある場合は、

学習や日常生活を含めたさまざまな場面で影響してくるので、

根本的にこれらの力の発達を促すような遊びや運動を行うことも大切です。
 

 

叱らずに具体的な方法を提案する

学習障害の子どもたちは、発達全般に遅れがあるわけではなく、

特定の範囲にだけ苦手さが目立つため、

「やればできるのに努力が足りない」 「頑張ればできるはず」

と思われがちです。
 
周囲がそういう気持ちでいると、ご本人もそうと思い込み

頑張ってもできない自分に落ち込んで、自信もやる気も下がっていきます。
 
できないものについては、大人が一緒に対応を考えながら

ご本人が物事に対応しやすくなる方法を具体的に伝えていきましょう。
 
たとえば、ボールを目で追うことができないお子さんに、「ちゃんとボールを見て」と口で言うだけでは不十分です。

目を動かす練習をしたり、見る動作を自然に行えるような遊びを行ったりしながら練習していくと良いでしょう。
 
☆見る動作を自然に行える遊びについて、こちらの記事でご紹介しています。
 

自信をつけ、意欲を持たせる工夫を

子どもたちの心と身体がすこやかに育つためには、

苦手な物事にチャレンジして乗り越える、

「できた!」という達成感を味わう、という体験が欠かせません。
 
お子さんの今のレベルに合った課題を用意する、

課題を細かく区切って一つできるたびに褒めるなど、

大人が意識して成功体験につながるように働きかけましょう。
 

 

保護者、学校、専門家の連携

お子さんの成長につれて、お子さんの周囲の環境も変わり、

お子さん自身が求める支援の質も変わってきます。
 
家庭と学校とでお子さんの状態を情報交換したり、

専門家にアドバイスを受けたりなど、

適切なサポートができるよう、常に支援方法を見直していきましょう。
 

 

 
学習障害、LDのお子さんについての連続記事は以上で終了です。

この記事から読み始めた方は、第1回第2回の記事もぜひご参照くださいね。

それでは、また。
 

 
55レッスンは、個別サポートシステムをとっているので、お子さん一人ひとりに
合った支援の仕方を担任の先生がアドバイスいたします。
 
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