こんにちは。四谷学院の療育通信講座、55レッスンのブログ担当necoです。
新1年生のお子さんたち。
ランドセルを背負って急に大人びて見える子供たちも、ほんの数ヶ月前までは幼稚園児や保育園児でした。
小学校の6年間で、子供たちの心身は急激に発達・成長します。
1年生は、幼児の身体のなごりを持ちながら、徐々に児童期の身体へ移行する時期であると考えられます。
そこで今回の記事では、新1年生の子供たちの心身の一般的な特性を考えてみましょう。
一般的特性
6~7歳頃の子供たちの行動を特徴づける一般的な特性をご紹介します。
ただし、これはあくまでも一般的な事例です。
当てはまらない部分があった場合は、お子さんご本人の行動をよく見つめ、お子さんに合わせた働きかけを優先してあげてくださいね。
自己中心性が残っている
幼児期の子供たちは、自分という存在をこの世界にしっかりと立ち上げていくという大仕事を果たしています。
たとえば幼稚園や保育園の子供たちにはこんな姿がよく見られます。
・相手が誰であっても自分の話をしかける
・自分がしたいことがあれば状況を考えずに熱中する
・他人の気持ちがわかりにくい
など
年中さん、年長さんと進級していくにつれて周囲に合わせる姿勢も育っていきますが、まだまだ成長過程。
小学校1年生の段階でも自己中心的な部分が残っていると考えましょう。
「もう小学生なのに、まだそんなことをやっているの」
「少しは周りのことも考えて」
ついついこんな声かけをしたくなる時は、それがお子さんにとって無理な指示になっていないか、一旦立ち止まって考えてみても良いかもしれません。
身体を絶えず動かし、活動的である
小さな子供たちは、エネルギーのカタマリです。
年齢を重ねた大人であるわたしたちからすると、一体どこからそのエネルギーが生まれてくるのかと疑いたくなるほど。
世の中のお母さん・お父さんたちも、休日は元気いっぱいなお子さんに付き合ってヘトヘト・・・などということもあるかもしれません(^ ^)
ほとんどの小学校1年生も、極めて活動的で、ひっきりなしに身体を動かしています。
すなわち、落ち着きがなくて当たり前。
落ち着きがない、じっと座っていられない、といった様子の原因として、衝動が強い、多動傾向がある、気が散りやすいといった発達の偏りが考えられる場合もあります。
が、特に小学校低学年の場合は、年齢的なものも加味して考えてあげると良いかもしれません。
注意力は短時間しかもたない
この年頃の子供たちは、好奇心が強く、何でもよく見て、よく鼻を突っ込みたがります。
大人のように論理的な思考や冷静な判断力はまだ育っていませんので、物事を直感的に捉えます。
また、注意力は短時間しかもちません。
ですから、物事への取り組み方は、断片的になりがちです。
さっきAをやっていたと思ったら、すぐにBに手を出し、たちまち放り出してCをやり始める・・・
低学年の子供たちによく見られるこんな様子は、旺盛な好奇心のおかげでさまざまなことに気を取られやすく、かつ、集中が続かないという発達過程の性格から来ているのかもしれません。
うちの子はちっとも集中できない、一つのことをやり遂げられない、飽きっぽい、
お子さんを見ていてそんなふうに感じる時は、課題を短時間で区切ったり、他のことが目に入らないように整理してあげたりなど、環境を整えてあげることをお勧めします。
身体の割に頭が大きい
赤ちゃんは頭が大きく、全体的に丸っこい姿をしていますね。
それが赤ちゃんの愛らしさにもつながっているわけですが、小学校1年生の子供たちの身体も、成人の身体から比べると、まだまだ可愛らしい赤ちゃん時代のなごりを残しています。
身体の割に頭が大きいのがその一つ。
加えて、運動神経もまだ未熟なため、重い頭を支え切れずにバランスを崩して転ぶことがあります。
また、重くて大きなランドセルを背負うと、後ろに重心がかかります。
そのため、特に反動で転びやすくなります。
うまく真後ろにひっくり返ればランドセルが身体を支えてくれるのですが、悪くすると頭を打つような怪我をする可能性も。
・身体の動きを制限するような洋服は控える
(膝が隠れるような長い裾、ヒラヒラした大ぶりの袖など)
・長袖や長ズボン、膝や肘を覆うサポーターを着用する
など、お子さんの動きをサポートできるように心がけてあげると良いでしょう。
視野が狭い
小さな子供たちには、大人と比べて目の視野が狭いという特徴があります。
文字通り、物理的に、目に入ってくる情報量が狭く少ないのです。
ここに精神的な幼さや経験値の低さが加わり、
・急に振り返って誰かとぶつかる
・周囲のことに気づきにくい
などの様子が見られます。
↓
もしかすると、ボールの的だけが目に入っていて、周囲のお友達は見えていなかった可能性も?
頭ごなしに叱りつけるのではなく、投げる前に周囲をよく見るよう指導するなど、お子さんの視野や判断力を検討に入れた上で働きかけてあげると良いでしょう。
以上のように、発達の途上にあるお子さんは、大人から見ると不安定な行動が目立つもの。
お子さんのご様子に思い当たることがある場合、お子さんへの働きかけを少し意識してあげると良いかもしれませんね。
自閉症スペクトラムやADHDなど、発達障害の診断を受けている、またはその傾向のあるお子さんの場合、大人からの働きかけには、より一層の心配りが必要です。
お子さんにどう関わればよいかわからない、今の働きかけが我が子に向いているのか不安だ、、、
そんな時は、ぜひ四谷学院にご相談ください。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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