こんにちは、四谷学院療育55段階の生田です。
今回は小学校に入る前に文字の読み書きはどこまで必要か?
というご相談について、一緒に考えていきたいと思います。
目次
文字への興味関心は様々
ひらがなやカタカナの読み書きを教える保育園や幼稚園が増えてきました。
ある小学校の先生によると、ひらがなを学習をするようになった年齢は、早ければ2歳くらいからとか!
また、家ではほとんど教えなかったけれど、保育園や幼稚園でほかのお友達が書いたり読んだりする様子を見て刺激を受け、文字に興味が出てきたというお話も聞きます。
お子さんによって、文字への興味が出る時期や持ち方は様々ですよね。
小学校に入るまでに教えたおいた方が良い?
実際に、小学校に入学すると、下駄箱や机など自分の「名前」が書いてあるところを使うように指示されます。
そのため、「ひらがなで書かれている自分の名前を読む」ということは練習しておくと安心です。
ただし、ひらがな五十音をすべて書けるようにするといった無理な目標設定はしないようにしましょう。
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「書く」の土台となる力
いきなり文字を書くことが、身に付くわけではありません。
一般的に、幼児期に行われる活動の多くは書く力の土台になっています。
例えば、お絵描きは、お手本や見た形を記憶し、それを脳が認識して、描きたいイメージに合わせて手先を動かしていくといった活動と言えます。
この一連の活動では、ひらがなを書く時に使う脳や体の機能と同じものが使われていると言われています。
幼児期にお絵描きをたくさんしていれば、文字の練習にスムーズに入れることにも納得できますね。
他にも、積み木やブロックなども、書く力の土台を培う遊びです。
最初は見本や周りのお友達の作ったものを見たりして、真似しながら作り方を覚えていくものですから、見たものを記憶して、頭の中でイメージして、同じように重ねるといった機能が使われています。
また、お手伝いや運動、遊びなど幼児期に行われる色々な活動にはこのような「見る」「記憶する」「イメージする」「同じようにする(マネする)」という過程の作業が多くあります。
こういった遊びや活動を通して、「形を認識する力」「空間を認識する力」「目と手の協応」「手先の作業性」「運筆力」などの「書く力」の基礎を固めていると考えられます。
「文字の練習」その前に!
もしも、「お絵描きが苦手」「ダンスなど見て真似することが苦手」などのご様子があるのでしたら、「書く力」の土台を固めることを意識してはいかがでしょうか。
おススメのトレーニングをご紹介します。
点つなぎ
点つなぎは、方眼ノートなどに5×5程度の点を打ち、点をつなぐ要領でお手本の形を書き、真似させていくものです。
家でも簡単に作ることができますが、市販されているものもありますよ。
スティックパズル
スティックパズルとは、同じ長さの24本の棒状のパズルを使って、見本と同じ形を作るというものです。市販されていますが、アイスの棒や割り箸などご家庭にあるものを利用して取り組むこともできます。
アイスの棒や割り箸は、切ったりつなげたりして異なる長さにしていきます。基本の長さの半分のものと2倍のものがあれば充分でしょう。それらを使って、お手本のひらがなや形、絵を作り、お子さんに真似をさせていきます。
ひらがなの形を覚える
ご紹介したスティックパズルを使ったり、あるいは粘土を使って、ひらがなの形を覚えさせるという方法もご紹介しましょう。
お手本の文字を作り、お子さんに真似をさせていきます。粘土を使ったトレーニングは、粘土を細長いひも状に伸ばして、お手本の文字を作り、真似させていくものです。
どちらもビジョントレーニングとして使われているもので、効果的に文字の形を捉えたり覚えたりすることができると言われています。遊び感覚で楽しく取り組めると思いますので、時間に余裕がある際は、試してみるといいかと思います。
ちなみにスティックパズルを使うと、ひらがなの形が崩れてしまうかもしれませんが、大丈夫です。
「これは何の文字でしょうか?」とクイズにすることもできますね。
まとめ~小学校入学前にどこまで必要?文字の書き方を練習するその前に。
文字を書く練習と言えば、お手本をなぞる、マネして書くという模写が中心になってくるでしょう。
練習を継続することが難しかったり、達成感を感じられなかったりするのであれば、模写以外の活動で書く力を高めていくようにするのも1つの手です。
今回ご紹介したトレーニングで楽しみつつ、書く力の土台を固めていっていただければと思います。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
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