こんにちは、四谷学院の生田です。
春休みやゴールデンウィーク、夏休みや年末年始など、長期のお休みには家族旅行の計画を立てていらっしゃる方も多いかもしれませんね。
ですが、発達障害のあるお子さんをお持ちの保護者様の中には、「子どもが楽しめるだろうか?」「騒いで周りに迷惑をかけてしまわないか?」と心配に感じているかもしれません。
また、不安要素が多いためになかなか旅行を楽しもうという気になれない、という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、発達障害のあるお子さんとの旅行やお出かけを楽しい思い出にするために知っておきたい情報をお伝えします。
目次
発達障害でも旅行は楽しめる?
自閉症スペクトラムなどの発達障害のあるお子さんの中には、初めてのことが苦手、音など周囲の刺激に過敏といった特性を持っているお子さんもいます。
そうしたお子さんにとって、外出や旅行といった普段と違う場面は、周囲が思っている以上に大きなストレスを感じるということがあります。
その一方で、何が嫌なのかうまく言えないお子さんも多いんです。
そうすると、何が起きるのか・・・
急にパニックになって大きな声を出したり、走り出したり
こういった行動として現れたりします。
家族からすると、焦って「静かにして!」、「コラッ!」と思わず声を上げてしまうシーンかもしれませんね。しかし、こうした行動はお子さん自身が困っているために起きるものなので、注意して止むものではありません。
お子さんの障害特性に寄り添った支援・配慮を行うことが大切です。
適切な支援や配慮があれば、お子さんもご家族も旅行を楽しむことができるでしょう。
カームダウン・クールダウンスペースの活用
カームダウン(Calm Down)とは、「落ち着く」という意味です。クールダウンと言われた方がピンと来るという方が多いかもしれませんね。
興奮した状態から気持ちを静めるための場所のことを、カームダウン・クールダウンスペースと言います。パーティションなどで仕切られているので、人の行き来を気にせずに気持ちが落ち着くまで過ごすことができます。
個室として用意されているカームダウン・クールダウン室もあります。入口に以下のようなマークと一緒に「カームダウン・クールダウンスペース」や「カームダウン・クールダウン室」と書かれた掲示があるのが目印です。
こうしたカームダウン・クールダウンスペースやカームダウン・クールダウン室は、発達障害などがあり、外界の刺激を遮断したいという場合に利用できるスペースです。
パニックになってしまった時に利用するのはもちろん、お子さんが不安定になってきた段階で利用することでパニックを未然に防ぐ効果も期待できます。
▼カームダウン・クールダウン
http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/pictogram/calmdown-cooldown/
旅行の前に要チェック!カームダウン・クールダウンスペースの設置場所
近年、ユニバーサルデザインの浸透に伴い、カームダウン・クールダウンスペースを設置するスペースが増えてきています。
基本的に予約は不要なので、各施設のホームページで場所をチェックして出かけられると良いでしょう。
成田国際空港
第1ターミナルから第3ターミナルまで、それぞれ国内線と国際線の出発手続き後エリアに「カームダウン・クールダウンスペース」がそれぞれ設置されています。
羽田空港旅客ターミナル
第1ターミナルと第2ターミナルの出発ゲートラウンジ(2階)に、「カームダウン・クールダウンスペース」がそれぞれ複数個所設置されています。
そのほかの空港、施設など
その他、旭川空港や国立競技場、有明アリーナ、カルッツかわさきやとどろきアリーナなど、「カームダウン・クールダウンスペース」を設置する施設はどんどん増えています。
旭川空港ターミナル
https://www.aapb.co.jp/
国立競技場
https://www.jpnsport.go.jp/kokuritu/
東京有明アリーナ
https://ariake-arena.tokyo/
カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)
http://culttz.city.kawasaki.jp/
事前準備をしっかりしよう
「カームダウン・クールダウンスペース」を利用しようと思った時に、その場所が埋まっているという可能性もあります。「こっちがダメだったらあっちを使おう」と事前に想定しておけると、安心ですね。
また、お子さんが慣れない場所でパニックを起こしやすいという特性を持っているようであれば、予め早めに目的地に行って、「ここまで行ったら休憩」というスケジュールにしておくことで、パニックを未然に防げると良いでしょう。
その他、旅程や宿泊先などについても、WEBやパンフレットなどを活用して、視覚的に伝えておくことで、お子さんが見通しを持てるようにしましょう。可能な範囲で事前に備えておければ、お互いに旅行を楽しむ余裕ができます。
ぜひご家族で旅行や外出をする際の参考にされてみてくださいね。
通信指導を通して、レッスン内容から生活面のことまで幅広く担任の先生にご相談いただくことができます。
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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