大人への暴言 どう止めさせる?自己防衛や承認欲求との関係は?

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大人に対して
口が悪い
汚い言葉を使う
注意すると、余計にひどくなってしまう


こうした悩みを抱えている保護者の方から、ご相談をいただくことがあります。

子どもに酷いこと言われると、こちらもついイライラしたり、傷ついたりしてしまいますよね。

そこで今回の記事では、子どもの暴言の理由と、その対応法について考えてみます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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なぜ暴言を使ってしまうのか

暴言を使ってしまう理由は様々に考えられますが、ここでは、よくある2つの理由について解説をしていきます。

自己防衛

発達障害のあるお子さんは、その障害特性ゆえに、人と比べられたり、認めてもらえなかったりする経験が多くなりがちです。

「あの子はもっと上手なのに」
「どうしてまだできないの?」

このような言葉かけは、お子さんにとって「自分を否定されている」と感じる要因になりかねません。

ありのままの自分を認めてくれる大人がいないと、自分自身の現状を受け入れられなかったり、周囲の大人を拒絶したりすることへと繋がります。

こうしたお子さんにとって、「暴言」は自分を守る手段でもあると言えるでしょう。

かまってほしい

大人から注目を得たい、かまってほしい、という理由で暴言を使ってしまうお子さんもいます。

これは「叱責=かまってもらえている」と、子どもが誤学習してしまっているために起こります。

ここで思い返してみてほしいのですが、子どもへのスキンシップと暴言への叱責、あなたが普段、より強い反応を示しているのはどちらでしょうか?

子どもは、より確実で、より強い手段を選びます。

「こんな言葉を使う子になってほしくない」と思って、暴言を使うたびに強く叱っていたとしたら。

それは逆効果で、大人が強く叱責すればするほど、子どもの暴言は日に日にエスカレートしてしまうでしょう。

どのように対応する?

ここからは、2つの暴言への対応法についてご紹介していきます。

聞く姿勢をもつ

先ほど述べたように、暴言を吐くお子さんには、何かしらの理由があるものです。

人と比べられていやだった
自分のがんばりを認められなかった
保護者の方からの愛情を感じたい

いずれの理由であっても、まずは「子どもの話を傾聴する」ことが大切です。

子どもが暴言を使ったら、保護者としては、すぐさま叱ったり、注意したくなったりしますよね。

でも、一旦はその気持ちをぐっと堪えて、「何かあった?」「どうして「○○」って言いたくなったの?」と、なるべく落ち着いたトーンで暴言を使った理由を尋ねてみてください。

それでも暴言を使い続ける場合には、大人は大きな反応をせず、かといってお子さんの存在を無視することもせず、軽く頷く程度にとどめて、暴言がやむまで「待つ」ことも大切です。

こうした「聞く姿勢」を続けていくうちに、子どもは「自分は尊重されているんだ」という実感をもちやすくなります。

そうすると、少しずつ本心を打ち明けてくれるようになったり、暴言を使わない方法で注目を引くための行動ができるようになったりすることでしょう。

ソーシャルスキルを教えていく

暴言を使ってしまうのには、そもそも正しい言葉の使い方を理解していない、という理由も考えられます。

たとえば、腹が立ったときに「ばか!」と言ってしまうお子さんは「ばか!」以外の語彙を知らないのかもしれません。

そうした場合、大人は
・暴言を使われたらどう思うか
・どう伝えたらいいか

を教えていくことが重要になります。

母:「そろそろ宿題しよっか」
子:「しない!ばーか!」
母:「ばか、て言われたら、お母さん悲しいな。
   まだ宿題をやりたくないの?」
子:「うん」
母:「そういうときは、今はやりたくない、って言うんだよ」
子:「やりたくない」
母:「そう!よく言えたね。どうして今はやりたくないの?」
このように、お子さんの気持ちを受け止めつつ、適切な伝え方をその都度教えていけるといいでしょう。気持ちが高ぶっていて、なかなかこちらの話を聞き入れてくれない、というときは、子どもが落ち着いているときに「あのときはなんて言うといいんだっけ?」と、一緒に振り返りをしてみてください。

可能であれば、さまざまなシチュエーションを想定してロールプレイに取り組んでみるのもおススメです。

うまくできたら、うんと褒めてあげてくださいね。

健やかな日々を過ごすために

ここまで、子どもの暴言の理由と、その対応法についてお話してきました。

暴言は、それを受け取る大人も辛いものです。
理想通りの対応ができないこともあるでしょう。
子どもに寄り添えない日があっても大丈夫です。

そうした時は、いったん深呼吸して別室に行くなど、一時的にお子さんと距離を置いてみるのも1つの方法ですよ。

そして、辛くなったときは一人で抱え込まず、家族や学校の先生、専門家など、ぜひ周りの人に相談してほしいと思います。あなたと、あなたのお子さんが心身ともに健やかに日々を過ごせることを、私たちは願っています。

55レッスンでは、お子さん一人ひとりに専任の担任がつきます。毎月の通信指導の中で、生活面でのお悩みも相談していただくことができますよ。詳しくはHPをご覧くださいね。

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