【GWの過ごし方】発達障害のある子どもとお出かけする時の5つのポイント

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こんにちは、55レッスンの生田です。

2022年のゴールデンウィークは最大10連休ですね。
長いお休みをどう過ごそうかと迷われている方も多いのではないでしょうか?
家族そろって過ごせる時間はとても貴重なものです。

一方で、発達障害のあるお子さんの保護者からは外出に対する不安の声も耳にします。

「混んでいるだろうし、子どもがちゃんと楽しめるか不安……」
「子どもがパニックになってしまったらどうしよう」
「なにか大きな失敗をして、周りの人に迷惑をかけないか心配」

こうした悩みはつきないものですよね。
でも、事前の準備で、お出かけはぐっとラクに、そして楽しくなります。
この記事では、お出かけを楽しむための5つのポイントについてお伝えしています。
貴重なゴールデンウィーク、お子さまと一緒に楽しむコツを身につけましょう!

(1)目的・目標を明確にしよう

公共の場で静かに過ごしてほしい
親の側を離れないでほしい
勝手にほかの人ものにさわらないでほしい……

このように、口には出さないけれど、保護者が無意識的に子どもに期待していることってありませんか?
いざ出かけてみて、言うことをきかない子どもをキツく叱ってしまったり、「うまく対処できなかった」と落ち込んだりした経験のある方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、外出先で大人が期待する行動をとることは、子どもにとっては普段の生活以上にむずかしいものです。

せっかく楽しみにしていたお出かけが、「減点」ばかりになってしまっては、お互い辛い思いをしてしまいますよね。

そうならないためのお出かけの際の心得は、ずばり
目的・目標は1つに絞る
ということです。

「あれはだめ」「これもだめ」だと、せっかくのお出かけも窮屈になってしまいます。
たとえば・・・

・館内は歩いて回る
・遊具を順番に使う
・さわりたいものがあれば保護者に報告する

など、今回のお出かけの目標をどれか1つにしぼることで、お子さまもそのことを意識して行動しやすくなります。
このとき、「走らない」や「騒がない」など、「~しない」行動を目標にするのではなく、望ましい行動を目標にすることがポイントです。
「してはいけないこと」を意識するあまり、活動に消極的になってしまってはお出かけを楽しめませんから、前向きに取り組めるような目標を考えられるといいですね。

(2)当日の流れは事前に伝える

発達障害のあるお子さんの多くは、見通しが立たないことが苦手です。
初めての場所でいつもと違うことをすることは、お子さんにとっては大きなストレスになる場合があります。
そこで、お子さんには事前に「いつ・どこで・何をするか」を伝えておく、ということが重要になります。
つまり、予定表をつくってあげるんですね。
一口に<予定表をつくる>といっても、いろいろなやり方があります。

・ホームページで行き先の写真を印刷して見せておく
・乗り換え検索サイトで移動経路や所要時間を一緒に調べる
・やることをリストアップした紙をリビングに貼っておく
・「予定の駅に着いたらシールを貼る」
 「お昼ごはんを食べ終えたらスタンプを押す」
 というようにスタンプラリー仕立ての予定表をつくる

とにかく、当日の様子が具体的にイメージできることが大切です。
お子さんの不安を軽減させて、かつ、お出かけが楽しみになる工夫ができるといいですね。

(3)空白の時間を作らない

保護者が「子どもが~して困る!」と感じるのは、どんな時でしょう?

そうです・・・

子どもが手持ち無沙汰になった時ではありませんか?
こうした「こまった!」を防ぐためには、空白の時間を作らないことが大切です。

乗り物での移動中に騒いでしまう場合

何をすべきかわからない時間は、先の見通しが立たないので、お子さんによっては不安や苦痛を感じやすくなります。
そのため、乗り物に乗っている間は絵本を読んで過ごす、動画を観るなど、やることをあらかじめ決めておけると安心です。

また、熱中している途中で目的地に到着してしまうことも想定して、ちょうどいい長さの絵本や動画をセレクトできるといいでしょう。

「ちょうどいい長さ」って言われても、読むスピードも観たい動画もその時々で違うのに、むずかしいよ・・・

そんな声も聞こえてきます。
そうした場合も、突然「降りるよ!」というのではなく、事前にご家庭で「前の駅になったら動画を止めて、続きは乗り換えてからね」という風に約束しておくと、お子さまも見通しを立てやすくなります。

順番待ちをしている時に、じっとしていられない場合

じっと順番を待つのは大人でも苦痛ですよね。
時間が長ければ長いほど、不安やイライラ、あるいは退屈さが増すものです。

対処法は、乗り物での移動と同じです。
「順番が来るまで待っていようね」というよりも、「順番が来るまでしりとりようか」といった風に、「待つ」という行動ではなく、別の行動に置き換えることが重要です。
こうすることで、無理なく、自然と順番を待てるようになることが期待されます。

(4)もしもの場合を考えておく

さて、ここまでご覧いただいた方には、事前準備がとても重要ということを分かっていただけたでしょうか。
でも、どんなに事前準備をしても、旅行やお出かけにハプニングはつきものです。

行く予定のお店が臨時休業のこともあるかもしれませんし、交通機関の遅延でタイムスケジュールがズレてしまうかもしれません。

「こういう時に柔軟に切り替えられないからたくさん準備したのに……」

と、がっくり肩を落としたくなる気持ちも分かります。
でも、こうしたハプニングもまた
「お店はその日にお休みが分かることもある」
「予定時間にバスが遅れることもある」

ということをお子さまが知る経験につながります。

事前準備は大切ですが、「どんなことでも子どもの経験を増やせたらいいな」くらいの気持ちで、なるべく気楽に、お子さまとのお出かけを楽しんでほしいと思います。

ぜひ、こちらの記事も参考になさってくださいね。
https://yotsuyagakuin-ryoiku.com/blogs/panictaiou/

(5)振り返りをする

幼稚園・保育園や学校では「帰るまでが遠足です」と言われますよね。
でも、よくよく思い返してみると、後日、園や学校で感想文を書く機会が設けられていることも多くありませんか?
ということは、正確には「振り返りまで」が遠足と言えそうです。
たしかに、帰ってきたら終わり、ではもったいないですよね。
その日に撮った写真を見たり、お土産を眺めたりと、思い出に浸る時間はとても幸せなものです。

家庭でのお出かけについてもぜひ「振り返り」をしてみましょう。
体験を思い出せる材料があると、スムーズに振り返りができます。
旅行先や外出先で写真や動画を撮っておくと良いですね。
「何をしたのか」「どんな気持ちだったか」という体験を言葉にすることで、良かったこと・課題点、感情の整理ができます。

旅行の目的・目標が達成できていた場合は、
「ちゃんと座ってられたね!」
というように、できていたことをほめる機会になります。
もしできていなかった時には、どうしたらうまくいくかを一緒に考えることで、次につなげることができます。

ゴールデンウィークのお出かけのポイント:まとめ

ゴールデンウィークはどこも混雑しています。
もしかすると、ちょっとハードルの高いお出かけになるかもしれません。
でも、しっかり事前準備をして、ハプニングも「経験」として受け止め、あとから振り返りをすることで、お子さんも家族も、前向きな気持ちで終わることができます。
お出かけの際には、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてくださいね。

四谷学院の55レッスンは、発達障害のあるお子さんとそのご家族の生活を応援しています。

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