お役立ちサイトのご紹介vol.1 公益社団法人発達協会

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こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。

 

55レッスンブログでは、四谷学院の療育講座のご紹介と並行して、発達障害のお子さんとその保護者・指導者の皆さんのお役に立つ情報をお伝えしています。

近年は発達障害についての認知がとみに広まってきましたが、その土台を作ってきたのは、何十年も前から信念を持って発達障害の支援・啓蒙に取り組んできた、様々な団体の活動の力によるところが大きいでしょう。
今回の記事では、そんな骨太な団体の一つ、「公益社団法人発達協会」をご紹介いたします。

公益社団法人発達協会

公益社団法人発達協会は、1982年から30年以上にわたり、発達障害に関わる事業を展開されている団体です。
事業内容は、療育室の運営、出版・公開セミナー等の啓蒙活動、医療、障害者福祉、成人当事者の支援など多岐にわたります。

以下、公益社団法人発達協会の活動内容をいくつかご紹介いたします。

 

療育室

公益社団法人発達協会の療育室は、王子、赤羽など、東京都北区を中心に展開されています。
言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士など専門職の先生方が、独自の評価・指導プログラムに基づいてお子さんを指導されています。
こちらの療育室では、1歳から高校生・社会人まで、長期にわたってサポートしてくれるという特徴があります。

ブログ担当者の感想

公式サイトには「40余年の実績を活かし、将来の自立を見据えた支援を展開」との記述があります。
簡潔な表現にまとめられていますが、非常に大切な思いをこめた一文ではないかと感じます。

発達障害のお子さんを持つ親御さんが多かれ少なかれ抱く願いは、「親が我が子を支えられなくなった時、(一人で、あるいは誰かの助けを借りて)自立して生活できるようになってほしい」ということではないでしょうか。
進学・就職・自活の開始・結婚・出産など、人にはそれぞれ、人生のターニングポイントとなる出来事があります。
これらのターニングポイントを通過する時、人は誰でも誰かの助けを借りて自分の人生を選択し切り開いていくものです。
この時、発達障害や知的障害のお子さんには、よりその人の状況に合った柔軟なサポートが必要になります。
が、ここで大切なのは、何でも周囲から手伝ってあげるのではなく、その人ができる範囲で最大限に、自分で自分の人生を選択していく姿勢をサポートすることではないでしょうか。
それこそがその人の主体的な生き方を支え、人生の充実度を決めるのです。

発達協会の療育室に関わる先生方は、強い信念を持って、子供たちの真の生きがい、真の幸福を願われている方々であるように感じます。
(これはあくまでもnecoの独断ですが、月刊誌のエッセイや協会の発信している情報を拝見していると、子供たちやご家族の在りようを丁寧に見つめながら、型に捉われず柔軟に支援を工夫されているご様子が伝わってきます。)

障害児・者の支援には地域それぞれの特色がありますから、地域のことをよく知っていて地域に顔が広い方とつながることができれば非常に大きな支えになるでしょう。
その意味で、発達協会の療育室が持っている地域での長い支援経験は、他では得られない貴重な財産だと思います。
お子さんが地域社会で自立して生活していくための効果的なサポートを期待できるのではないでしょうか。

 

月刊発達教育

公益社団法人発達協会が発行する月刊誌です。
コミュニケーション、社会性、身辺自立、家族支援といったさまざまな分野のトピックスが取り上げられています。
日々子供たちと関わっている言語聴覚士、精神保健福祉士、医師などの専門職の方々の責任編集です。
購読ページから、各巻のタイトルやバックナンバーの一部をご覧いただけます。

たとえば、2018年1月号の内容を公式サイトより抜粋してご紹介します。
詳しい情報は公式サイトをご確認ください。

 

2018年1月号の内容

◆発達障害のある子は世界をどう見ているのか
山口真美(中央大学)

◆視覚発達から読み解く発達障害の見る世界
氏家悠太(中央大学研究開発機構)
1.はじめに
2.動きや形の視覚認知と発達障害における特性
3.学習や生活への影響
4.見え方・感じ方のばらつき

●家族支援
親の気持ち-理解し、支えるために
頑張る姿の裏で気分の落ち込みもあるという親御さん
中川信子

●コミュニケーション
新なぜ伝わらないのか、どうしたら伝わるのか
自分を表現する27ことばにして動く
…ことばに出すもの
湯汲英史

●社会性
「行動の問題」の理解とその対応【事例から考える】
身体に触られると暴れ出す事例を考える1
井澤信三

●論説 巻頭言
学校や社会への適応のために必要なこと
小林正幸

●認知
学習や生活に必要な「見る力」
なぜ? どうしてやれないの?
梅田英子

●生活
自立を支える暮らしの力
食事――お箸を使う
山口聡美

●エッセイ
子どもを取り巻く世界とその仕組み
黒衣の僧
玉井邦夫

●遊び
不器用な子への発達支援
ねらいを定めて蹴る
増田貴人

●基礎から学ぶ〈感覚・運動の問題〉
協調運動の評価ツール
岩永竜一郎

●成人期
成人期の暮らし
生活介護事業所で行われている日中活動の実態と課題
矢島雅子

●子育て
あなたの子育て相談室
林 祐一
私の子育て日記
渡邉恵子

●ICT
ICTの活用術
子どもたちの困りをICTで支援しよう Part1
小川修史

読者のページ
みんなのひろば―お便りとアンケートのページ

★書籍・DVDのご案内
★事務局通信
★クリップボード

 

ブログ担当者の感想

necoも、今回この記事を書いたことをきっかけに、月刊発達教育を購読させていただきました。
最初は、このブログを書くための参考に、という軽い気持ちで購読ページを拝見していたのですが、じっくりとページを読み込んでいるうちに、この記事も読んでみたい、この記事も勉強したい、、、と、興味を抑えきれなくなりました(^ ^)
公益社団法人発達協会に所属されている先生方の現場に根付いた力強い記事だけでなく、著名な先生方の長年の研究に基づく寄稿も多いようです。

月刊発達教育の購読は原則的に年間購読で、4,800円です。
年度途中から購読を開始すると、年度内にすでに刊行された雑誌が最初にまとめて届き、次月以降は毎月1冊ずつ届く、というシステムだそうです。
2017年度分は2017年4月号~2018年3月号までですから、2017年12月現在に購読をスタートすると、2017年4月号から12月号まで一気に届いて、あとは2018年1月号・2月号・3月号が毎月届く、ということになります。
4月号から12月号まで、9冊の雑誌が一気に届いたら、読み応えがありそうでワクワクしますね!(*^ ^*)
まだ手元に届いていませんが、雑誌を読み終えましたら、いずれまた別の記事で内容をご紹介したいと思っています。

☆早速雑誌が届きました! ⇒ 公益社団法人発達協会の月刊誌『発達教育』

 

公開研修会

平成29年12月現在の情報で、平成30年2月に開催される10種類のセミナーについての案内が記載されています。
セミナータイトルのみ抜粋してご紹介します。
実施日等の詳しい情報は必ず公式サイトでご確認ください。

 

平成30年2月開催のセミナー内容
○吃音や場面緘黙のある子どもの育ちを支える-「話したいのに上手く話せない」子への対応
○あそびを通した発達支援-感覚と社会性の視点から
○発達障害・知的障害のある子を持つ、保護者への理解を深める-心の不調についての知識も含めて
○不注意な子への理解と支援-「集中困難・忘れっぽさ」のメカニズム
○ワーキングメモリに配慮した学習指導-算数と読み書きを中心に
○不安や緊張が高い子への支援-発達障害を併せ持つケースを中心に
○愛着障害と発達障害-園や学校での関わり方を学ぶ
○応用行動分析から学ぶ療育の基礎-コミュニケーションと行動面の課題を中心に
○心理検査を用いた評価法と指導・支援への活かし方-WISC-IVを中心に
○自己認知への発達支援-「被害的な考え」「過剰な思い込み」等をする子への対応

 

受講料:各9,050円(※会員価格あり、詳しくは公式サイト参照のこと)
会場:東京・有明のTFTビル東館
時間:10:15~16:20
アクセス:ゆりかもめ「国際展示場正門」駅より徒歩1分/りんかい線「国際展示場」駅より徒歩5分

ブログ担当者の感想

どのセミナーも、わたしたち55レッスンのスタッフが保護者や支援者から質問を受けることが多かったり、わたしたち自身が悩むことが多かったりする事柄が扱われていて、タイトルを拝見しているだけでも、現場の実践に基づいてセミナーを企画されているのだろうなと想像できます。
ご関心がおありの方はぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。

 

YouTube

現時点で40超の映像がアップされています。
公開されているYouTube動画のタイトルを一部抜粋してご紹介します。
正確な情報は必ず公式チャンネルをご確認ください。
ここにご紹介したもの以外にもたくさんの動画がアップされています。

 

公益社団法人発達協会のYouTube動画タイトル例
○評価と記録の方法
○保護者との関わり方
○子どもの反応の読み方
○知能テストについて
○障害児・者福祉の制度
○ことばの発達とその障害および指導法
○運動発達とその障害、および指導法
○身辺自立の発達とその障害および指導法
○発達障害と作業療法
○『社会性』の発達とその障害、および指導法
○発達障害の理解と基本的な対応
○発達障害をもつ子ども、青年への薬物療法
○知的障害への理解と特別支援学校の統計的現状
○子どもの社会性の発達について(0~2歳、2~5歳、6~13歳)
○感情のコントロールが苦手な子への指導など

 

ブログ担当者の感想

発達障害について理解を深めたり、公益社団法人発達協会の理念に触れたりするために良いきっかけになるでしょう。
どちらかというと支援者や教師といった立場の方向けの、専門知識を深めるために役立つ内容の動画が多いようです。
YouTube動画をいくつか視聴されると、一つ前の項目でご紹介した公開研修会の雰囲気も、何となく掴めるのではないかと思います。

たとえば 発達協会◆2017年度新人職員研修「知能検査について」 という動画は、知能検査をどのように活用するかの概説から、各検査(田中ビネーV、新版K式、WISC-Ⅳ、K-ABC)の概要、知能検査を理解するために知っておきたい知識、関わり方のポイントや認知の特性、知能検査からわかった苦手さをどのように支援に活かすか、といったことを簡潔にまとめてあります。
わずか30分弱の動画ですが、さすがによくまとめてあるなあと僭越ながら感心しました。
知能検査のことを何となく知ってはいるけれど、詳しく聞かれると実はよくわからない、、、という方は、一度ご覧になって損はない動画だと思います。

 

リンク集

今回ご紹介した公益社団法人発達協会の公式サイトのURLです。

以上、公益社団法人発達協会についてご紹介させていただきました。
こちらのブログの内容は全て、四谷学院療育講座が、公益社団法人発達協会の公式サイト等を拝見して感じたことを、(いわば勝手に)書かせていただいたものです。
当ブログの記述内容は、あくまでも一つの意見に過ぎません。
療育・育児についてはさまざまな価値観があり、100%の正解は存在しません。
当ブログの記述内容をご自身の療育に実践される場合や、公益社団法人発達協会の研修会参加や書籍購読等をご検討の場合は、必ず公益社団法人発達協会公式サイトをご確認の上、ご自身のご判断に基づいて実践していただきますようお願い申し上げます。

それでは、また。

今回の記事を書いたのは、四谷学院療育通信講座(55レッスン)です。
くわしくはホームページをご覧ください。

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