一人ひとりが生きる、この全く違った世界

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こんにちは。四谷学院の療育通信講座ブログ担当necoです。

私が知っているあるお子さんは、光に敏感で、蛍光灯の光を
「電子が見える」
と言って激しく嫌がります。
その子のお母さんは、「電子なんて見えるわけがない」とおっしゃって、お子さんが「ウソをつく」ことを非常に不快に思っておられました。

お子さんの目に、本当に電子が見えているのかどうか・・・
実際のところはわかりません。
本当にそれらしいものが見えているのかもしれませんし、蛍光灯のチラつきを「電子」と表現しているだけかもしれません。
でも、その子にとっては、激しく飛び回る電子が見えるような気がするほど光が強烈な刺激になっていることは確かなのでしょう。

療育支援の活動から学んだこと

私が療育支援の活動から学んだ最も大きなことの一つは、
人は一人ひとり、全く違った世界を生きていることを受け止めることです。

ある人には大したことではない問題が、ある人には極めて重要な問題になり得ること。
その問題が重要かどうかは、自分が、自分だけが決めることであって、他人が決めることではないこと。

お子さんが、電子が見えると感じることも、お母さんが、そんな表現を不快に感じることも、どちらもその通りなのです。

否定したり、反発したりせず、まずはその通りに受け止めることが、一番大切なことなのだと思っています。

その通りに受け止めること

冒頭でご紹介したご家族に、私はこんなふうに対応させていただきました。

「電子が見える」と言ったお子さんには、「電子」の真偽を問うことはせずまずは2本の蛍光灯を1本に減らし、次に蛍光灯全体を不織布で覆って、光の刺激をできるだけ下げられるようにしました。
(※電灯類を布で覆うと熱を持ち発火に至る場合があります。長時間使用時には布をはずす、ホコリの清掃をこまめに行うなど、管理には十分に気をつけてください。)

お母さんには、じっくりとお話を伺いました。

「お子さんは電子が見えるような気がするだけかもしれませんよ」
「強い光が苦手なのかもしれませんよ」

こんな説明をすることは簡単です。でも、しません。
今、お母さんに必要なのは、そういうことではないと感じたからです。

ただお話を伺い、ポロポロとこぼれてくる不安や緊張を受け止めました。

それだけで、最後には
「学校の先生は、○○が光が苦手だと言っていた。やっぱりそういうことなのかもしれない。」
と、ご自分でお気持ちを整理され、蛍光灯の光を調節する支援を受け入れてくださいました。

寛容な世界

お互いに寛容な世界を創るのって、実は簡単で、自分で自分を心から受け入れてあげれば、そこから全てがゆるんでいくんですよ(*^ ^*)
療育・育児中のお母さん、お父さんに、necoがずーーーっとお伝えし続けていることの一つです。
55レッスンでの学習を通して、少しでもそんな空気が伝わればいいなあと思っています。
それでは、また!

55レッスンの通信指導では、普段のご家庭でのご様子も報告いただきます。
ご報告内容に対して担任の先生がコメントをくれるので、お子さんの行動に対する「なんで?」が自然と減っていきます。

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